マンションのエレベーター修繕の必要性や注意点とは?基礎知識から賢い業者選定方法まで全解説

マンションはエレベーターの修繕が必要と聞くけど、修繕の具体的な内容や注意点等について気になっていませんか?

マンションのエレベーター修繕は、大規模修繕工事の一種として居住者が安全で便利な生活を送るために不可欠なものです。

しかしながら、マンションのエレベーター修繕に当たっては、適切な修繕計画の策定や施工業者の選定をしなければ、安全性に不安が出るばかりか費用対効果の悪い工事となってしまい、結果的に数百万円〜数千万円単位の大損をしてしまうというようなことにもなりかねません。

そのため、エレベーターの適切な修繕内容や注意点をしっかりと押さえることで、安全で費用対効果の高い修繕工事を実施し、マンション自体の資産価値を維持・向上させることが大切です。

このページでは、マンションのエレベーター修繕についての専門知識がない人でも基礎知識から賢い業者選定についてまで詳しく理解出来るように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、マンションのエレベーター修繕についての詳細な理解が得られ、適切な修繕工事を行うことが出来るようになるでしょう。

1. マンションのエレベーター修繕の5つの基礎知識

マンションの管理・運営において欠かせない大規模修繕とは、マンションの建物としての資産価値を維持することを目的として行う定期的な修繕を言い、躯体・設備・仕上げ部分等のマンションの各部位に関して、それぞれ居住の快適性や利便性の回復・向上、建物の環境や美観の回復、バリアフリー化というように様々な目的で行われ、管理組合主導で長期修繕計画に基づいて進めていくものを言います。

そして、大規模修繕の一種で居住者の利便性や安全性の維持・向上のために必要なのが、エレベーターの修繕です。

この章では、大規模修繕の対象となるエレベーターの種類や、修繕内容等について網羅的に分かりやすく解説していきたいと思います。

1-1. マンションに設置されるエレベーターは2種類ある

マンションのエレベーターの代表的な2タイプ

  1. ロープ式エレベーター(トラクション式・巻胴式)
  2. 油圧式エレベーター(直接式・間接式)

マンションに設置されるエレベーターは主に上記の2種類あり、それぞれ駆動方式や特徴が異なるため、修繕のポイントも異なる点に注意が必要です。

まずは、それぞれのエレベーターの特徴を把握し、自身のマンションに使われているエレベーターの種類や状況に注意して、適切な長期修繕計画を立てることが大切です。

1. ロープ式エレベーター

出典:https://www.n-elekyo.or.jp

ロープ式エレベーターは、最上階に機械室を設け、その内部に設けた巻上げ機を介して釣り合い重りとロープとのバランスをとり、カゴを上下させる駆動方式のエレベーターを言い、低層から高層マンションまで幅広く採用されています。

ロープ式エレベーターは、トラクション式と巻胴式の2つに分けられ、トラクション式は最上階に機械室が有るか無いかで更に2つに分けられますが、上記の写真は機械室が有るタイプのトラクション式で、機械室に取り付けてある巻上げ機が駆動してカゴが上下する基本的なタイプのエレベーターです。

巻胴式は、ワイヤーを巻胴(ドラム)に巻きつけてカゴを上下させるタイプで、現在では低層マンションの一部で採用されているのみと言われています。

近年では、巻上げ機の小型化により機械室が不要となったマシンルームレス(機械室無し)タイプのトラクション式が主流となっており、現在マンションで採用されているエレベーターのほとんどがロープ式エレベーター(トラクション式)となっています。

2. 油圧式エレベーター

出典:https://www.n-elekyo.or.jp

油圧式エレベーターは、エレベーターシャフト(昇降路)の下部に機械室を設けて、パワーユニットで油圧ジャッキに油を注入してカゴを昇降させる駆動方式 のエレベーターを言い、上記の写真のようにプランジャーが直接カゴを上下させる「直接式」と、ロープ等を介して上下させる「間接式」があります。

油圧式エレベーターは、油圧ユニットや制御盤を設置する機械室が必要で、尚且つ低層マンションでの採用に限られるため、現在採用しているマンションは非常に少なくなっていますが、比較的築年数が経っている低層マンションでは採用されている場合があるため、該当のマンションにお住いの方は駆動方式の確認を行うと良いでしょう。

※エレベーターの方式毎の修繕ポイント

ロープ式エレベーター修繕ポイント
施工箇所修繕項目内容
機械室巻上機、モーター、制御盤、調速機等各種機械類の修理、部品交換、全撤去・更新
カゴ内及び昇降路操作盤、緊急時連絡システム、各種ケーブル、ワイヤー、ロープ、着床センサー、天井・壁・床、照明機器等各種機械類の修理、部品交換、全撤去・更新及び、天井や床等のタイル等の貼り替えや照明のLED化等
各階乗場上下ボタン、エレベーター位置表示パネル等ボタンの交換、位置表示パネルのLED化、三方枠や扉の塗装や交換等
オプション地震管制運転装置(S波・P波)

停電管制運転装置

火災時管制運転装置

防犯カメラ

ドアセンサー等

地震の縦揺れ(P波)と横揺れ(S波)を感知し最寄り階で停止する機能や緊急時救出運転機能の取り付け、停電や火災時に利用者がカゴ内に閉じ込められるのを防止する機能等

上記は、ロープ式エレベーターの修繕箇所や修繕内容及びオプション機能を付加した場合の内容になります。

以下の油圧式エレベーターと比べ類似する点も多くありますが、主に機械室の修繕箇所等が異なるため、それぞれの違いを的確に把握して長期修繕計画を作成しましょう。

油圧式エレベーター修繕ポイント
施工箇所修繕項目内容
機械室ポンプ・モーター、油圧ユニット、制御盤等油圧調整、各種機械類の修理、部品交換、全撤去・更新
カゴ内及び昇降路操作盤、緊急時連絡システム、各種ケーブル、ワイヤー、ロープ、着床センサー、エンコーダー、天井・壁・床、照明機器等各種機械類の修理、部品交換、全撤去・更新及び、天井や床等のタイル等の貼り替えや照明のLED化等
各階乗場上下ボタン、エレベーター位置表示パネル等ボタンの交換、位置表示パネルのLED化、三方枠や扉の塗装や交換等
オプション地震管制運転装置(S波・P波)

停電管制運転装置

火災時管制運転装置

防犯カメラ

ドアセンサー等

地震の縦揺れ(P波)と横揺れ(S波)を感知し最寄り階で停止する機能や緊急時救出運転機能の取り付け、停電や火災時に利用者がカゴ内に閉じ込められるのを防止する機能等

エレベーターは、上記の通りロープ式や油圧式等の種類がありますが、それぞれカゴを吊るロープや滑車を支える支柱又は油圧ポンプ等は、毎日の運転で経年劣化が激しい箇所であり、築年数が経つにつれメンテナンスの頻度を多くする必要があります。

また、古いエレベーターの場合には電気代が非常に高かったり日々のメンテナンス費用が非常に高いことも多く、ランニングコストを考えると場合によってはリニューアルした方が最終的なコストを低く抑えられることもあるため、自身のマンションのエレベーターの状況を踏まえて専門家と協議し、適切なタイミングでリニューアル工事を行いましょう。

エレベーターは、メーカーによってオプション機能の内容や工事や製品の保証内容が異なるため、自身のマンションの立地や規模、避難階段やその他建物及び設備の状況に応じて有効なオプションを付けて安全性の向上を図ることも大切です。

1-2. エレベーターは「定期検査」と「保守点検」が必要

エレベーターは、建築基準法により年に1回の法定点検としてエレベーターの「定期検査」及び毎月1回の「保守点検」が義務付けられています。

「定期検査」と「保守点検」は、一見似たものですが実際にはにて非なるものであるため、法律で定められた所有者の義務や責任をしっかりと把握して、適切なメンテナンスを行いましょう。

エレベーターに必要な「定期検査」と「保守点検」

  • 「定期検査」→建築基準法第12条の3項で年に1回義務付けられている法定点検で、国土交通大臣が定める基準に適合しているかを調査するもの
  • 「保守点検」→建築基準法第8条に基づく、専門業者によるエレベーターに異常がないか等の調査を行うもの

マンション所有者は、上記のそれぞれの内容を理解して建築基準法に抵触しないようにし、居住者全員の安全確保のためにエレベーターの状況を適宜把握するようにしましょう。

1. 「定期検査」

定期検査は年に1回、一級建築士・二級建築士・昇降機等検査員の有資格者に、エレベーターが「国土交通省が定める基準(平成20年に告示された項目・方法・判定基準)」に適合しているかを検査してもらうもので、所有者は定期検査の結果を特定行政庁に報告し、定期検査の記録を3年間保管する義務があります。

その後、「定期検査報告済証」というステッカーが交付されるため、定期検査を受けた安心して利用出来るエレベーターの表示としてそれをカゴの内部に貼る必要があります。

もし自身のマンションにステッカーがない場合には、管理会社や担当のメーカーに問い合わせて検査状況を確認すると良いでしょう。

出典:http://www.tsak.jp/report/

定期検査は、例えば「一般社団法人 東京都昇降機安全協議会」等の定期報告を扱う地方法人からエレベーターの所有者又は管理者に定期検査に関する通知がなされることから始まります。

定期検査の結果によって、「要是正」・「重要点点検」・「指摘なし」の3段階の判定がなされ、是正の判定が下された場合には所有者は速やかに是正箇所の修繕工事等を行わなければなりません。

また、定期検査を怠ったり虚偽の報告を行った場合には50万円以下の罰金に処される等、安全性の確保に努めない場合には罰則規定もあるため、管理会社と連携して定期検査等が適切に行われるよう、管理組合や理事会も次回の点検時期等を把握しておくことが大切です。

2. 「保守点検」

定期検査同様に、エレベーターは建築基準法により1月に1回保守点検を行わなければならないとされており、これを実現する方法として(財)日本建築設備昇降機センターが「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」を発行しています。

この指針を基準として、各メーカー等の専門業者が、各部品やワイヤー・カゴ等の劣化の状態や、電気設備関係の点検を行います。

保守点検で修繕箇所を発見し、安全性や機能性の維持・向上に努め、定期検査で特に指摘がなされないように日々メンテナンスを行うことが大切です。

そのためにも、後述の通り築年数や実際のエレベーターの状況等を総合的に勘案して、適切なメンテナンス契約を締結しましょう。

1-3. エレベーターのメンテナンス契約は2種類ある

エレベーターのメンテナンス契約は2種類ある

  1. POG(Parts Oil Grease)契約→定期点検及び消耗品の補充・交換
  2. フルメンテナンス契約→定期点検及び消耗品の補充・交換並びにワイヤーやカゴの整備等

※メンテナンス業者によって内容は異なります。

エレベーターのメンテナンス契約は主に上記の2種類あり、それぞれ「費用」と「メンテナンス範囲」が異なるため、エレベーターの設置時期や劣化の状態に応じて使い分ける等して、費用を抑えつつメンテナンスに漏れがないように注意が必要です。

1. POG(Parts Oil Grease)契約

POG契約は、定期点検や契約範囲内の消耗品の交換を行なってもらう契約で、文字通り各種金物類やオイルの補充・交換、清掃等を行なってもらいますが、ワイヤーの交換やカゴの修理等の比較的大きな修繕工事は行わないため、フルメンテナンス契約に比べて費用が安いという特徴があります。

築浅のマンションや、全面リニューアル工事を行なったばかりのエレベーターの場合には、POG契約で契約内容を精査して費用を抑えたメンテナンスを行うという方法もあります。

その際には、エレベーターの種類に応じた安全性維持のための点検ポイント等までしっかりと保守点検を行なってもらえるか、契約内容に注意することが大切です。

2. フルメンテナンス契約

フルメンテナンス契約は、POG契約同様に定期点検や消耗品の補充や交換に加え、ワイヤーやカゴ等の整備も行なってもらう契約を言います。

安全性に直結するワイヤーやカゴ等の整備を行なってもらえるため、安心して任せられる反面月々の費用が割高という特徴があります。

注意点としては、フルメンテナンス契約でも乗降扉や三方枠塗装、カゴ内の壁天井床の修理・改修や取り替えは行なってくれない場合が多いため、POG契約とその内容や費用を比較して、自身のマンションの経過年数や状況に応じた契約を結ぶことが大切です。

エレベーターのメンテナンスや修繕に関して、一般的には管理会社に相談して契約内容等を決定する場合が多くなっていますが、管理会社は自身の利益追及のために不適切な契約を勧めてきたり、費用が高い業者を斡旋してくることも少なくないため、できれば管理会社以外の中立な外部の専門家に一度相談し、適切なメンテナンスや修繕に関するコンサルティングを受けることをおすすめします

1-4. エレベーターには3つのリニューアル方法がある

エレベーターの3つのリニューアル方法

  1. 全撤去新設リニューアル
  2. 準撤去リニューアル
  3. 制御部品リニューアル

エレベーターのリニューアルには上記の通り3種類あり、それぞれに共通した注意点もあるため、各方法や注意点を理解して適切な修繕工事を行えるようにしましょう。

1. 全撤去新設リニューアル

この方法は、既存のエレベーターの設備を文字通り全撤去を行い新しいエレベーターを新設する方法です。

この方法のメリットは、エレベーターに求められる安全性・快適性・防犯性等に関する社会的な要求にも対応出来ることや、現行法令にも対応した新型のエレベーターにリニューアル出来ることです。

逆にデメリットとしては、準撤去や制御部品リニューアルに比べて大掛かりな工事となるために費用が大きいことや、工期が長くなるため事前に工事期間中の対策が必要になること、事前説明会等をしっかりと行わないとトラブルが発生すること等が挙げられます。

そのため、後述の注意点でも解説しますが、居住者の日々の生活になるべく支障が出ないように対策を講じ、理解を得た上で工事に着手することが大切です。

2. 準撤去リニューアル

出典:https://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/saigai/fire.html

準撤去リニューアルは、三方枠や敷居部分等の既存設備の一部を残し、残りを一新するリニューアル方法です。

この方法は、全撤去新設リニューアルと比較して短い工期で最新設備を導入出来るというメリットがあります。

とはいえ、制御部品リニューアルよりも工期が長いため、全撤去新設と同様に工事期間中の対策や事前説明の徹底が必要となり、エレベーターの台数が少ないマンションは特に注意が必要です。

また、台数がそれなりにあったとしても高層マンションの場合には、低層階エレベーターと高層階専用エレベーターと分かれている場合もあるため、朝等の利用人数が多い時間帯に大渋滞が起こらなように配慮が必要です。

3. 制御部品リニューアル

制御部品リニューアルは、エレベーターの制御盤等をリニューアルして制御方式等を一新するリニューアル工事です。

制御機器のリニューアルに併せて、地震時の地震時管制運転や停電時・火災時管制運転等のオプション機能を付加したり、防犯カメラやカードキー式のエレベーターに変更したりする場合もあります。

制御部品リニューアルは、上記2つの方法に比べて工期が短く建築確認の申請も必要ないため、1台しかエレベーターの無いマンションでは最も多く採用されている方法です。

また、工事期間も約1週間程度で終わるため、居住者への負担も少ない点がメリットとして挙げられる一方で、メーカーの部品の製造が中止されることによってリニューアルが出来ない場合や、リニューアル範囲が狭いこと等がデメリットとして挙げられます。

1-5. エレベーターのリニューアルには5つの注意点がある

エレベーターのリニューアル時の5つの注意点

  1. 部品供給が停止されることがある
  2. リニューアル後にメンテナンス費用が増大することがある
  3. リニューアル工事の工期が長い場合は対策が必要となる
  4. 建築強度や防火性能等の建築関連の確認を怠ってはならない
  5. 法定耐用年数(17年)を目安として修繕を行なってはならない

1. 部品供給が停止されることがある

エレベーターのリニューアル工事を行うに当っては、まずそもそも部品の供給が停止される場合があり、供給が停止された場合には部品交換等の小規模修繕ではなく、リニューアル工事を行う必要があることに注意が必要です。

部品供給の停止は、大規模なリニューアル工事のきっかけとなるものでもありますが、突然莫大な費用がかかることになるものでもあるため、費用が不足しないように適切な金額の修繕積立金の設定を行うだけでなく、場合によっては事前にメーカーからエレベーターの部品の製造状況等について確認を行うことも必要となります。

2. リニューアル後にメンテナンス費用が増大することがある

リニューアル工事を行う際にはリニューアル工事自体の金額だけでなく、最新機種に変更することによるメンテナンス費用の増大の可能性があることにも注意が必要です。

近年、安全性やセキュリティ面に関してエレベーターに求められる性能はどんどん高くなっているため、リニューアル後には従来のメンテナンス費用を上回る金額がかかることを想定しておくと良いでしょう。

前述のような部品の供給停止による突然のリニューアル工事や、その後のメンテナンス費用の増大の可能性も考慮して、修繕積立金や長期修繕計画の作成を行いましょう。

3. リニューアル工事の工期が長い場合は対策が必要となる

リニューアル工事の工期が長い場合には、前述の通り居住者への事前説明会の実施や工事期間中の安全対策等を徹底し、無用なトラブルの発生を回避することが大切です。

エレベーター工事期間中は、昇降機を使った荷物の運搬サービスを行う業者を利用して居住者の生活に支障が出ないようにしたり、場合によっては高齢者等エレベーターが不可欠な居住者に一時的な引越しをしてもらう等の対策があります。

しかしながら、どの方法も住人の理解や大きな費用がかかるものであるため、エレベーターの修繕計画の立案の段階から、高齢者や高層階の住人等のエレベーターが不可欠の居住者への具体的な対策や費用についても、事前に協議をしておくと良いでしょう。

4. 建築強度や防火性能等の建築関連の確認を怠ってはならない

エレベーターのリニューアルを行なう際には、新設されたエレベーターが建物の強度に負荷を与えていないかや、昇降路の戸が十分な防火性能を有したものであるか等にも注意しましょう。

通常、エレベーターの全撤去新設や準撤去リニューアルには建築確認申請が必要なことから、これらのチェックは十分になされるものではありますが、エレベーターの性能や建物の強度等は居住者の命に関わるものであるため、事前説明会等で十分な理解を得るためにもしっかりと工事内容を確認するようにしましょう

5. 法定耐用年数(17年)を目安にして修繕を行なってはならない

そもそもエレベーターは、税務上の減価償却の際に採用される「法定耐用年数」は17年とされていますが、これはあくまで税務上で定められた資産価値に関する年数で、エレベーターが通常の機能や性能を発揮して安全に使用出来る期間を表したものではありません

一方、エレベーターには「計画耐用年数(25年)」があり、これはエレベーターの物理的な寿命を表した年数のことで、BELCA(公益社団法人 ロングライフビル推進協会)のLCC(ライフサイクルコスト)評価指針で定められたものです。

エレベーターに限らず、マンション各箇所の修繕を行う際に法定耐用年数を目安としている場合がありますが、このような場合には実際に建物や設備に不具合がないにも関わらず無駄な修繕を行うことにもなりかねません。

エレベーターも同様に、修繕の際は法定耐用年数ではなく計画耐用年数(25年)を目安としつつ、実際の劣化の状況を考慮してメンテナンス及び小規模修繕を行いながら適切な時期にリニューアル工事を行うように注意しましょう。

エレベーターは、日々の適切なメンテナンスを続けることで25年以上経っても十分安全に稼働するものであるため、信頼出来る業者選定を行い、エレベーターの長命化を意識してメンテナンスを行なっていきましょう。

2. マンションのエレベーター修繕の2つの必要性と4つのメリット

マンションのエレベーター修繕は、居住者が日々安全に快適な暮らしを行うために必要なものであり、エレベーターの誤作動等による事故を防止するためにも欠くことの出来ないものとなっています。

この章では、エレベーターの修繕の必要性及び具体的なメリットについて解説していきます。

2-1. マンションのエレベーター修繕の2つの必要性

マンションのエレベーター修繕の2つの必要性

  1. エレベーターの「性能の維持・回復」のため
  2. エレベーターを「改良・改善」し居住者及び社会的要求に応えるため

マンションの外壁修繕の必要性に関する上記の2つの理由について、以下でそれぞれ解説していきたいと思います。

1. エレベーターの「性能の維持・回復」のため

エレベーター修繕の必要性としてまず挙げられるのが、新設時の性能の維持・回復です。

エレベーターは、経年だけでなく日々の稼働によるワイヤー等各部の磨耗や劣化が進むものであり、適切な修繕を行わなければ急速な劣化を招くだけでなく、場合によっては大事故が発生することまであるものです。

このような事態を回避し、新設時の性能や安全性を維持・回復させて居住者の豊かな暮らしを持続させるために修繕やメンテナンスが必要になります。

ただし、エレベーターに関する技術や性能は時代の流れと共に変わっていくため、単純な部品交換や修繕であっても従来のと同様の物を活用するのではなく、予算を考慮しつつ「改良」を意識した修繕を行うことが大切です。

2. エレベーターを「改良・改善」し居住者及び社会的要求に応えるため

マンションは、居住者の高齢化や社会的な様々な要求によりバリアフリー化や省エネ化、セキュリティの強化や高級な住空間等、時代の変化に応じた様々な要求がなされるものであり、これはエレベーターも例外ではありません。

例えば、災害対応のための地震時管制運転システムや、セキュリティ強化のための防犯カメラやカードキー等による認証機能等、従来のエレベーターにはなかった設備が求められる時代となっているため、単純な修繕だけでなく、このような社会的な要求に対応するための「改良・改善」も必要となってきます。

そのため、管理組合の総会等ではエレベーターの修繕を含むマンションの大規模修繕において、マンション全体の資産価値向上のための改良工事の内容についても検討して行くことが大切です。

2-2. マンションのエレベーター修繕の3つのメリット

マンションのエレベーター修繕の3つのメリット

  1. 結果的に修繕費用が抑えられる
  2. 売却時に高く売れるようになる
  3. 安全性の向上及び故障リスクが軽減出来る

マンションのエレベーター修繕を行うことによるメリットは様々ありますが、大きく3つのメリットに分けることが出来ます。

以下では、それぞれのメリットについて解説していきたいと思います。

1. 結果的に修繕費用が抑えられる

建物や住宅設備は、メンテナンスを行わずにいると一度に多額の費用が発生してしまう等、定期的なメンテナンスはエレベーターだけでなく建物や設備の長命化にとって非常に重要な要素となっています。

車にも車検があるように、マンションのエレベーターについても前述の通り定期的な保守点検や修繕を行っておくことで、本来小さな修繕で済むはずがリニューアル工事が必要になってしまうといった事態を回避出来るだけでなく、その他の修繕に費用が回らないといった事態を回避することも出来るようになります。

このように、エレベーターに限らず建物や設備は、長命化を意識して適切な保守点検を行うことで更新周期が伸びる等、結果的に修繕費用を大幅に軽減出来るというメリットがあります。

エレベーター修繕等の大規模修繕は修繕積立金を使うものであり、いかに効率良く適切な修繕を行うかが重要となるため、管理会社だけでなく、場合によっては各種専門業者やマンション修繕に関するコンサルティング会社等の専門家を上手に活用して、適切な修繕を行うことが必要です。

2. 売却時に高く売れるようになる

定期的なメンテナンスや適切な修繕を行っている場合、売却時に改めて大掛かりな修繕を行う必要が無いため、修繕が必要な物件に比べて高く売れる可能性が大きくなります

一般的に、マンションの売買を行う際には建物や設備の修繕の必要性を考慮して売却価格が査定されるため、修繕の要否やその程度に応じて売却価格が下がってしまうか、又は事前に修繕を行ってからでないと売却出来ない等、エレベーター修繕等の大規模修繕を行っておかなければスムーズに高い価格で売却出来る可能性が低くなってしまいます。

また、売却時に修繕を行う場合には急ぐあまりに不適切な業者選定をしてしまったり、見積もりや工事内容の精査をしないまま費用対効果の悪い工事をしてしまう等デメリットが大きいため、あらかじめ将来を見越して適切な修繕工事を行なっておくことが大切です。

3. 安全性の向上及び故障リスクが軽減出来る

エレベーターは、今やマンションでの生活上欠くことの出来ない便利な設備ですが、一方で構造上不具合が発生した場合には利用者が閉じ込められたりドアや各階の天井や床の間に挟まれる等、大事故に発展するケースが多い設備です。

このように、一度不具合が発生すると大事故に発展しやすい設備であるため、日頃から信頼出来る業者に適切なメンテナンスや修繕を行ってもらうことが必要になります。

従って、エレベーターの定期メンテナンスや修繕は、エレベーターの安全性の向上及び故障リスクを軽減出来るという大きなメリットがあり、利用者の事故軽減にも直接に意味のあるものとなっています。

3. マンションのエレベーター修繕のための管理組合の役割とは?

エレベーター修繕は、マンションの「大規模修繕」の一部として行うものであるため、エレベーター修繕における管理組合の役割を学ぶに当たっては、エレベーター修繕を含む「大規模修繕」についてを学ぶ必要があります。

従って、この章では「大規模修繕」に関する管理組合の役割を紹介していきます。

マンションの大規模修繕のための管理組合の役割

  1. 総会等の開催
  2. 大規模修繕に関する専門委員会の発足
  3. 長期修繕計画の作成又は変更
  4. 修繕積立金の運用等の会計処理
  5. 修繕等の履歴情報の管理
  6. 専有部分及び共用部分等の変更

→快適で良好な住環境作り及び資産価値の維持・向上が目的

マンションは、区分所有に関する法律により管理組合の設立が義務付けられ、区分所有者は必ずマンションの管理組合に入ることになり、区分所有者である限り管理組合を抜けることは出来ないものです。

管理組合の役割は、マンションの住環境や資産価値向上のための管理規約の作成や、大規模修繕のための長期修繕計画の策定等を行うことですが、組合員にマンション管理に関する知識やノウハウが無いことが多いために、上記の図のように一括管理として管理会社に委託している場合がほとんどです。

しかし、管理会社への委託により建物や設備の保守点検や清掃等の手間は削減される一方で、管理会社は、自社で大規模修繕を行っていたり、グループ会社や提携先が大規模修繕を行っているケースも多く、公平中立な立場からの大規模修繕の提案ではなく、利益目的での無駄な修繕の提案も少なくないために適切な修繕が行われず、逆に大きな損失が発生してしまうことが多いのが実態です。

このような事態を回避するために、管理組合が主導となって長期修繕計画を策定し適切な業者選定を行い、修繕履歴等の管理を行って次期修繕工事に備えるといった活動が必要なのです。

とはいえ、適切なマンション運営や大規模修繕に関しては、専門的な知識や経験を必要とするものであるため、組合員にマンション管理士等の有識者がいない場合には、状況に応じて外部のコンサルタントに修繕計画や内容について相談することも検討すべきでしょう。

4. マンションのエレベーター修繕で絶対に外してはいけない6つの注意点

マンションのエレベーター修繕で絶対に外してはいけない6つの注意点

  1. 修繕計画の妥当性を見直す
  2. 修繕積立金が不足していないか確認する
  3. 管理会社任せにしてはいけない
  4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない
  5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する
  6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

マンションのエレベーター修繕を行う際には、長期修繕計画の策定から実際の修繕内容や見積もりに至るまで、上記のような「絶対に外してはいけない押さえるべきポイント」があります

これらのポイントの内容を理解した上で、管理会社任せにせずに効率的かつ効果的な修繕を行いましょう。

4-1. 修繕計画の妥当性を見直す

エレベーター修繕及びその他大規模修繕においては、長期修繕計画の策定が不可欠となりますが、長期修繕計画は修繕積立金の算定基準にもなり、大規模修繕を実施するために、無理のない修繕費用の積立計画を立てることも非常に重要となります。

また、マンション分譲時にデベロッパーが長期修繕計画を策定しますが、その際の修繕積立金の金額には将来的な大規模修繕の内容が適切に反映されていなかったり、早期分譲のために金額を敢えて低めに設定してるといった場合が多いため、デベロッパーが作成した長期修繕計画を鵜呑みにせず必ずその妥当性の確認を行うことにも注意しましょう。

近年は、建物の各種部材や設備の長命化及び施工技術の発達により、修繕費用や修繕周期が日々変わってくるため、3年~5年程度で長期修繕計画の見直しを行うと良いでしょう。

また、大規模修繕を行った後には予定していた工事の実現度合い等を考慮して、適宜長期修繕計画書の修正を行うことが大切です。

4-2. 修繕積立金が不足していないか確認する

長期修繕計画の内容の精査同様に、予定している修繕工事が実施出来る程度に修繕積立金が積み立てられているかの確認を行うことが必要です。

修繕積立金が不足している場合、予定している修繕工事が先送りになってしまったり、災害等で大規模修繕が急遽必要な場合に対応出来ず、やむなく一時金として各世帯何十万円も回収しなければいけなくなるといった事態が発生しかねません。

従って、常に将来の修繕計画内容と現在の修繕積立金の額を照らし合わせ、将来的に不足が生じることが予測される場合には、事前にその旨をマンション居住者に通達し、修繕積立金の値上げを行なう等の対策を行うようにしましょう

4-3. 管理会社任せにしてはいけない

マンションの管理・運営は専門知識や経験を必要とするだけでなく、大きな手間や時間を要するものであることから、管理会社に一括して業務委託がなされる場合がほとんどです。

しかしながら、エレベーター修繕等の大規模修繕に関する管理会社の対応は必ずしも適切ではなく、自社や関連会社の利益追求のために不必要な修繕が行われたり、費用対効果の悪い修繕が行われる等、見積もりや修繕内容に関する精査が行われず、無駄な工事や大きな損失が発生していることが非常に多いのが業界の実態です。

従って、エレベーター修繕等の大規模修繕に関しては、必ず管理組合主導で長期修繕計画の策定及び修繕積立金の管理を行うだけでなく、後述のように複数の見積もりを取ってその内容を精査し最良の業者を選定するといった活動が必要になります。

その際にも、内容の精査や各種の判断に関して専門知識が必要になるため、判断等に自信が無いという場合には、外部のコンサルタントに相談することも非常に有効です。

相談料として、数十万円単位で費用がかかってしまう場合もありますが、不適切な修繕で数百万〜数千万円単位で大損をすることが多い昨今の業界の実態を考えると、安心して修繕が出来るのであれば決して高い費用とは言えないでしょう。

4-4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない

エレベーター修繕に関する見積もりを取る際には、管理会社任せにせず必ず管理組合でも自主的に見積もりを取るようにしましょう

前述のように管理会社自身や関連会社が建設部門や建設会社を抱えている場合、利益追求のために不適切な工事内容や金額となっている場合があり、仮に公平中立な立場から適切な見積もりを取っていたとしても管理会社が取った見積もりだけでは、内容や金額に関する比較対象が無いため、その妥当性が確認出来ません

また、工事方法に関しても、管理会社を通じて設計監理と工事を一括で発注する「設計・施工方式」と、設計監理と工事を別業者で実施する「設計・監理方式」がありますが、金額の適正さや工事体制のチェック等が出来ることから「設計・監理方式」の方が望ましいことも認識しておきましょう。

このように、見積もりは当然のこと、工事会社の選定等においても管理会社に全て任せるのではなく、管理組合が自主的にチェックをすることを常に心掛ける必要があります。

4-5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する

複数の業者に修繕工事の見積もりを依頼した場合、提案内容がバラバラで結局見積もり内容の比較が出来ないという場合がありますが、このような場合には無駄な修繕項目が含まれていることがあるため要注意です。

各業者の修繕内容の妥当性を判断し、合理的な見積もり比較を行うためにも事前に修繕内容をしっかりと把握して見積もりの精査をすることが大切です。

そうすることで、無駄な修繕が省かれた必要箇所だけの見積もりができ、費用や時間を無駄にすることなく効果の高いエレベーター修繕が実現します。

4-6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

前述の通り、エレベーター修繕においては各種の注意点やポイントを押さえることが重要ですが、素人のみで構成されている管理組合の場合には、実際の長期修繕計画の策定や、そもそものエレベーターの各部設備の修繕の必要性の判断、見積もり内容の具体的精査、管理会社との交渉等、様々な局面での判断は非常に難しい問題となります。

見積もりを例にとると、大きなマンションであれば10%見積もりが変わるだけで数千万〜億単位で金額が異なることとなるため、細部まで見積もりの内容を精査する必要がありますが、実際にその内容の妥当性が判断出来なければ精査する意味はありません。

従って、管理組合員に有識者がいない場合には外部コンサルタントに相談して、各種判断や運営・進行のアドバイスやフォローを受けることをおすすめします。

ここで多少の相談料がかかったとしても、上記の通り各種判断が出来ずに大損してしまうというリスクを大幅に軽減出来るのであれば、エレベーター修繕を含む大規模修繕に関するコンサルタントに相談するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

5. マンションのエレベーター修繕にかかる費用と時間の相場とは?

ここまで、マンションのエレベーター修繕の概要やメリット及び注意点等を紹介してきましたが、実際に修繕にどれだけの費用や時間がかかるかの目安を掴んでおくことで、具体的な修繕計画や費用の見通しが立てられるため、以下の内容を読んで、おおよその費用や時間の相場感を把握しておきましょう。

5-1. エレベーター修繕にかかる費用の目安

エレベーター修繕にかかる費用は、機種や工事内容によっても変わるだけでなく業者毎に金額も異なるものであるため一概には言えませんが、概ねの目安として1基当たりおよそ300万円〜1500万円程度の費用が掛かるものと認識しておくと良いでしょう。

これは、制御部品リニューアル〜全撤去新設リニューアルまでのおおよその費用の幅を表したものです。

また、費用に関して見積もりを比較検討する際は、業者毎にリニューアル工事における「全撤去新設」や「準撤去」の範囲区分が異なったり、オプションの付加の度合いによっても大きく金額が異なることに注意が必要です。

その他、リニューアル工事の実例を紹介したいと思います。

一般社団法人 マンションリフォーム技術協会による公表事例

⬛️修繕費用合計(設計監理料・アフターメンテナンス費用含む):1億1550万円(1基当たり1925万円)

▪️修繕内容及び条件

  • 全撤去新設リニューアルによる6基の更新工事
  • 地震時管制運転装置、火災時・停電時管制運転装置の設置
  • 高齢者対応(車椅子仕様・工事期間中の高齢者対応)
  • 防犯カメラ及び1階に監視モニターの設置

▪️工事期間:5ヶ月

▪️実施時築年数:26年

▪️マンション概要:鉄骨鉄筋コンクリート造 地上10階及び14階(3棟)

▪️総戸数:464戸

上記の表は、「一般社団法人 マンションリフォーム技術協会」によるマンションのエレベーター修繕に関する公表事例です。

この修繕工事では、単純な全撤去新設リニューアル工事だけでなく複数のオプション工事や、工事期間中の高齢者対応を行う等しているため1基当たり1925万円と、一般的に言われている全撤去新設リニューアル費用の約1500万円前後という金額を大きく上回っているのが特徴です。

このように、比較的規模の大きいマンションではエレベーターのリニューアル工事費用が億単位になることも多く、これらは全て修繕積立金や借入金によって行われるものであるため、エレベーター修繕を含む大規模修繕に関しては長期修繕計画の策定の段階から慎重かつ賢明な判断が必要となり、これだけの大金を任される管理組合には多大な責任が伴います。

だからこそ、管理会社へ任せきりにはせずに大規模修繕の計画の立案や実際の見積もりの精査等は、必ず管理組合主導で行うべきものと言えるのです。

5-2. エレベーター修繕にかかる時間の目安

エレベーター修繕にかかる時間の目安

  1. 制御部品リニューアル:1〜2週間程度
  2. 準撤去リニューアル:2〜3週間程度
  3. 全撤去新設リニューアル:3週間程度〜

(※マンションの規模や高層の度合いによって期間が大きく異なることに注意)

マンションのエレベーター修繕に要する時間の目安はおおよそ上記の通りです。

当然マンションの規模や、高層階が存在するタワーマンションか等で期間が大きく異なるため一概には言えませんが、エレベーターのリニューアル工事に要する時間の一例として参考にしておくと良いでしょう。

制御部品リニューアルよりも更に小さな修繕の場合には、1〜2日で終わる工事も多いですが、数週間かける工事を行う場合には事前に総会等で工事内容や期間中の対応等を周知徹底して、トラブル回避に努めましょう

※タワーマンション(一般的に20階を超え60m以上の高層マンション)の注意点

タワーマンションは、低層階専用エレベーターと高層階専用エレベーターに分かれている場合があり、また高層階専用エレベーターは修繕に多大な費用と期間がかかる場合があるため注意が必要です。

エレベーターには、階数や居住人数に応じた適切な台数がありますが、タワーマンションの場合ただでさえ高層階専用エレベーターは待ち時間が長くなることがある上に修繕工事で台数が減る場合にはトラブルに発展することもあるため、工事期間中の対応や事前説明会等にも注力すると共に、迅速な工事が求められることを認識しておきましょう。

従って、居住者との協議だけでなく専門家を交えてトラブルが起きないように時間に余裕を持ってエレベーターの修繕計画を立てることが重要です。

6. 損せずエレベーター修繕を行うための賢い業者選定の4ステップ

マンションのエレベーター修繕を成功させるためには、適切な内容及び金額で工事をしてくれる施工業者を選定することが妥協出来ない最重要項目と言えますが、最良の施工業者の選び方等にも専門知識が必要となるため、一般の人にとっては最良業者の選定も頭を悩ませる問題となります。

しかし、上記のような最良業者を選定するための方法に則り注意点をしっかり守れば、素人のみの管理組合であっても、最良の業者選定が出来るようになるため、この流れに沿って優良な業者選定をし、損無く費用対効果の高い修繕を行いましょう

6-1. 一括見積もりサイトで複数の業者の見積もりを取る

エレベーター修繕を行うに当たっては、前述の「6つの注意点」でご紹介した通り管理会社経由の見積もりだけで判断することは絶対にやめましょう

管理会社経由の見積もりだけでは、比較対象が無いというだけでなく、利益追求のために保証期間中であるにも関わらず修繕工事を行おうとする場合がある等、管理会社に丸投げしてしまうと大損をしてしまうことがあるため要注意です。

このような事態を回避し、適切な修繕を行うためには、まず一括見積もりサイト等を活用して複数の業者の見積もりを取る所から始めましょう

管理組合員で業者に詳しい人がいる場合には、直接業者にアプローチすることも考えられますが、複数の業者見積もりを取るには多くの手間や時間がかかるものであるため、同時に複数業者の見積もりが瞬時に取れる一括見積もりサイトが非常に便利です。

おすすめ一括見積もりサイト1:「ホームプロ

ホームプロ』は、リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本が出資している10年連続で利用者数No.1のリフォームサイトで、この通り出資会社が有名な大手企業であるため、とりあえず大手の方が安心して依頼出来るという方におすすめのサイトと言えるでしょう。

ホームプロは、依頼者のマンション所在地や依頼内容等に応じて最大8社のリフォーム会社を紹介してくれる大手サイトで、施主によるリフォーム会社の評判、クチコミも掲載されているため、利用者の生の声が聞ける点も心強いサイトです。

更にサイト上では、大規模修繕に関する部位別のおおよその金額例やリフォーム事例の紹介や、リフォームを成功させるためのノウハウに関する記事が掲載されているため、エレベーター修繕に限らず実例を見たりノウハウを学んで大規模修繕のイメージを掴みたいという場合にも活用出来ます

おすすめ一括見積もりサイト2:「town life リフォーム

town life リフォーム』は、インターネットサイトにおけるリフォーム部門の「利用満足度」・「使いやすさ」・「サイト利用者安心度」でランキング1位を獲得している人気サイトです。(※株式会社リンクアンドパートナーズ調べ)

このサイトでは、独自の一定評価基準をクリアした全国300社以上の業者が登録されており、タウンライフリフォーム上で各リフォーム会社の詳細・事例・商品を見ることができ、各リフォーム会社からの見積もり・提案を比べることが出来るため、各会社の強みの理解、依頼者のニーズに合った会社の発見に繋がり、納得してリフォームを進めることが出来ます。

住友不動産、住友林業のリフォーム、ミサワリフォーム等といった大手建設会社のリフォーム部門も多く登録されている等、登録基準をクリアした業者のみが登録されており、工事保証等もあるため安心して利用出来るおすすめサイトです。

6-2. 複数の見積もりを比較する(できれば外部の第三者専門家に相談する)

town life リフォーム』や『ホームプロ』を活用して複数の見積もりを取った後は、それらの見積もりの内容や金額を比較し、内容に無駄がないかや見積もりの単価等から金額差を把握して、適切な内容でなるべく安い業者はどれかや、保証の有無やその内容等を詳細に確認しましょう

例えば、同じ工事の依頼でも使用部材のグレード等によって金額は大きく異なるものであるため、業者毎の提案内容のコンセプトの違いを的確に把握することが大切です。

しかしながら、各業者の提案内容が異なるために正しい判断が出来なかったり、見積もりや保証内容の検討についても専門知識が必要なために結局判断がつかないという事態に陥ることが多いため、できればマンションの修繕全般に関するコンサルタント等の外部の第三者専門家に相談し、見積もり内容の比較の仕方や押さえるべきポイントに関するアドバイスを受けることをおすすめします。

また、第三者専門家に相談することで、公平中立の立場から依頼者に最適な修繕の内容の判断や見積もりの精査をしてくれるだけでなく、管理会社や施工業者との交渉の仕方や注意点に関してもアドバイスが貰え、更に業者選定で終わらずエレベーター修繕の完了及び次期計画に至るまでの専門的コンサルティングを行なって貰えます

多少の相談料はかかりますが、不適切な修繕による数百万〜数千万単位の損失を回避出来ることを考えると、決して高くない必要経費と言えるでしょう。

6-3. 各業者と金額・内容を交渉し管理組合経由で最良の業者を選定する

各社の見積もり内容比較検討した後は、それぞれの業者と工事内容や金額に関する擦り合わせや交渉を行い、その中で最もニーズに合った最良の業者を「必ず管理組合経由で」選定しましょう

複数見積もりを取っても、管理会社に見積もり内容の精査や各業者との交渉を任せてしまうと、適切な交渉がなされず結局管理会社が提携している先の業者を推してくるといった場合も少なくないことや、管理会社経由で取った見積もり内容が適正かどうかの判断材料を得るという意味でも、管理組合経由で業者を選定しておく必要があるのです。

そのため、手間はかかりますが見積もりの精査や各業者との交渉においても管理会社任せにはせず、必ず管理組合経由で納得した最良の業者選定をしておくことが重要です。

6-4. 管理会社経由の業者とも金額・内容を交渉し最終的な最良業者を決定する

管理組合経由で最良の業者を選定した後は、管理会社経由で見積もりを取得した業者とも金額や施工内容に関する交渉を行い、その上で「管理組合経由の最良業者」と「管理会社経由の最良業者」を比較検討し、最終的な最良業者を選定しましょう。

管理会社は、利益追求のために不適切な大規模修繕の提案をしてくる場合もありますが、公平中立の立場から適切な施工会社の選定を行なっている場合には、管理会社という専門家による業者選びを通じて修繕を行うことが出来るというメリットがあるため、管理組合経由で選定した施工業者と管理会社経由で選定した業者とを比較する必要があるのです。

条件を合わせて両者を比較する際に、再度業者と交渉が必要となる場合もありますが、その時に適切な判断や決断が出来ないという場合には再度外部の第三者専門家に相談することも有効でしょう。

このように、マンション修繕における最重要項目である業者選定においては多くの注意点がありますが、上記の4ステップを踏みしっかりとポイントを押さえることで、最良の業者に出会える可能性が飛躍的に向上するでしょう。

7. まとめ

いかがでしたでしょうか?

マンションのエレベーター修繕は、居住者の便利で快適な生活を守るということだけでなく利用者全員の命を守り、マンションの資産価値を維持・向上させるために欠くことの出来ないものとなっていますが、エレベーターの修繕に関する各種判断や信頼出来る業者選びは専門知識や経験がなければ非常に難しい問題となります。

しかし、本ページでご紹介したように、注意点を押さえて的確な状況判断や最良の業者選定を行うことで、エレベーターの故障や誤作動による大事故を回避でき、マンション自体の資産価値の低下も防止することが出来ます。

そのためにも、管理組合員や理事の人はまず『town life リフォーム』や『ホームプロ』といった一括見積もりサイトを利用して、複数の見積もりを収集し、その上で外部の第三者専門家のコンサルティングを受けることをおすすめします。

弊社では、一級建築士・不動産鑑定士をはじめとする多数の大規模修繕に関する専門家とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、第三者専門家への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

エレベーター修繕までにまだ時間の猶予があるという場合には、両サイトで取得した見積もりの比較を行う等して相場感を掴み、サイト内で紹介されている実例等から将来的なエレベーター修繕及び大規模修繕全般に関する知識や予算に関する教養を身につけておくのもおすすめです。

<このページでご紹介したサービス>

  • town life リフォーム』:複数見積もりが取れる使いやすさNo.1の無料一括見積もりサイト
  • ホームプロ』:有名大手企業が出資する利用者数No.1の無料一括見積もりサイト

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