専門家が教える失敗しないマンション大規模修繕工事の進め方と注意点

マンションの大規模修繕工事の必要性は分かっているけど、まず何から始めれば良いのかや進め方が分からず二の足を踏んでいませんか?

大規模修繕工事は、専門委員会の発足や建物の状況診断に始まり、長期修繕計画の策定や施工業者の選定等着工までに多くの段階があり、それぞれの正しい進め方や注意点を押さえておかなければ無駄な工事や費用対効果の悪い工事を行うことになってしまい、場合によっては数千万円単位で損をしかねない問題です。

しかし、大規模修繕工事の正しい進め方や注意点を押さえることで、費用対効果の高い修繕を実施出来るだけでなくマンション自体の資産価値向上も実現出来るようになります。

このページでは、大規模修繕工事の進め方や注意点についての専門知識がない人でも、始め方から竣工後の注意点についてまで詳しく理解出来るように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、マンションの大規模修繕についての詳細な理解が得られ、効果的な大規模修繕工事を行うことが出来るようになるでしょう。

1. マンション大規模修繕の10ステップと絶対に外してはいけない注意点

そもそも大規模修繕とは、修繕計画の中でも工事内容や工事期間の規模が大きい工事を言い、マンションの性能の「維持・回復」や快適性・利便性等を向上させ、資産価値を高めるような修繕工事を指します。

マンションの大規模修繕は一般的には上記の流れで実施されるものですが、全体の流れのポイントとしては、管理組合や専門委員会が主導となって長期修繕計画の策定や施工業者選定等を行う必要があるということです。

以下では、大規模修繕の流れにおけるそれぞれの項目及び注意点等を分かりやすく解説していきます。

1-1. 管理組合による大規模修繕の計画立案

注意点

デベロッパーが設定した長期修繕計画と修繕積立金の妥当性を確認する

大規模修繕工事を行うに当たっては、まず管理組合が大規模修繕計画の立案を行う必要があります。

立案と言っても、長期修繕計画等を含めて0から作り上げて行くのではなく、マンションの分譲時にデベロッパー等が作成している長期修繕計画に基づいて、修繕が必要となる時期に大規模修繕を行うという流れが一般的と言えます。

この基本となる長期修繕計画書に基づいて、修繕工事を実施して行くことになりますが、デベロッパー等が作成した長期修繕計画は、分譲時にランニングコストを低く見せるために修繕積立金がかなり低く設定されていたり修繕内容が不適切である場合も多いことに注意が必要です。

そのため、大規模修繕の計画立案に当ってはデベロッパーの長期修繕計画を鵜呑みにせずに、管理組合員がそれぞれ大規模修繕工事の概要を掴んで、適切な「時期」や「内容」や「修繕積立金」に関する計画を立てることが大切です。

また、修繕積立金が低額過ぎる場合、予定している修繕工事が行えずに先送りになってしまったり、災害等で大規模修繕が急遽必要な場合に対応出来ず、やむなく一時金として各世帯何十万円も回収しなければいけなくなるといった事態が発生しかねません。

従って、常に将来の修繕計画内容と現在の修繕積立金の額を照らし合わせ、将来的に不足が生じることが予測される場合には、事前にその旨をマンション居住者に通達し、修繕積立金の値上げを行なう等の対策を行うようにしましょう

※マンションの大規模修繕についてより詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

マンションの大規模修繕とは?基礎知識から賢い業者選定方法まで徹底解説

1-2. 大規模修繕の専門委員会発足

注意点

出来る限り建築に関する有識者又は外部のコンサルタントに専門委員会へ参加してもらう

マンションの大規模修繕を行う際には、大規模修繕を担当する専門委員会(修繕委員会)を発足すると良いでしょう。

大規模修繕工事の計画立案や運営を理事会が行うマンションもありますが、理事会は大規模修繕工事以外にも多くの役割を担っていることや、大規模修繕工事については専門知識や経験を有する人が携わる方がメリットが大きいため、建築に関する有識者を含めて組織することが望ましいと言えます。

この時、理事会とのスムーズな連携のためにも、数名の理事会メンバーを専門委員会にも含めて組織すると良く、他のマンションも含め大規模修繕に関する専門委員会に参加したことがある人を中心に組織することが理想的です。

また、居住者の中に専門知識を有する人がいない場合には、外部のコンサルタントと顧問契約を結び、大規模修繕工事に関する修繕計画の策定から竣工後の次回工事に関する計画の策定に至るまで、第三者的立場からアドバイスを受けることも非常に有効です。

コンサルタントの相談料として、数十万円単位で費用がかかってしまう場合もありますが、不適切な大規模修繕で数百万〜数千万円単位で大損をすることが多い昨今の業界の実態を考えると、安心して大規模修繕が出来るのであれば決して高い費用とは言えないでしょう。

1-3. 建物状況調査

建物状況調査の内容と業者選定の注意点

  • 目視調査(外壁・目地・鉄部・外構・納まりの確認等)
  • コンクリート中性化調査
  • 防水診断
  • 設備劣化診断
  • 給排水管劣化診断
  • 耐震診断

Etc…

注意点:必ず管理組合や専門委員会主導で専門業者の選定を行う

大規模修繕工事を行う前に、適切な長期修繕計画を策定する必要がありますが、前述の通りデベロッパーが作成した長期修繕計画は見直しが必要となる場合が多いため、建築士等の建物状況調査に関する専門家に建物状況調査を行ってもらった上で、適切な長期修繕計画を策定しましょう。

まず最初の大規模修繕が必要となるのがおおよそ築10年頃からになるため、その頃には一度外部専門家に依頼して建物状況を把握しておくと良いでしょう。

その際の注意点としては、後述の施工業者の選定と同様に管理会社任せにはせず管理組合や専門委員会が主導となって建物状況調査に関する専門業者の選定を行うということです。

建物状況調査に関する業者選定においても、管理会社任せにしてしまうと管理会社内の専門家やグループ会社等の専門家が登場し、場合によっては管理会社の利益追求のために不適切な診断や、修繕計画の提案を行ってくることがあるため、必ず管理組合や専門委員会主導で業者選定を行うように心掛けましょう。

1-4. 長期修繕計画の策定

注意点

毎回必ず長期修繕計画の妥当性の見直し及び修繕積立金が不足していないか適宜確認する

建物状況調査の依頼先選定も含めて、長期修繕計画の作成においても外部専門家の意見を基に修繕計画を作成すると良いでしょう。

前述の通り、デベロッパーが作成した長期修繕計画の妥当性を見直す際も同様ですが、毎回の大規模修繕及び次回の修繕予定を含めた長期修繕計画の見直しに関しても、専門委員会に有識者がいない場合には外部コンサルタントからのアドバイスを基に、長期修繕計画を策定することで、妥当な修繕積立金の設定も含めて適切な修繕計画を立てることが出来ます。

また、下記の通り建物状況調査を含む大規模修繕工事に関する業者選定の方法は2パターンあり、それぞれにメリットとデメリットがあるため管理組合等に有識者がいるか否か等に応じて設計事務所や施工業者の選定方法を検討すると良いでしょう。

建築関係の専門家の特徴

  • 設計監理方式:設計事務所と施工業者を別々に選定する方式。

設計と施工が分離するため、手間はかかるが設計や工事内容の妥当性のチェックが期待出来る。

  • 責任施工方式:施工会社を選定し、設計及び施工まで全てを依頼する方式。

設計と施工が一社でなされるため、スムーズな反面内容の第三者チェックが出来ない。

専門委員会の中に建築関係の有識者がいる場合は別ですが、こういった業者選定においても管理会社ではない外部コンサルタントに設計施工会社の選定方法に関するアドバイスを依頼し、適切なタイミングで修繕を行うこと及び無駄な費用をかけないように最適な内容での修繕を行うためのコンサルティングを受けることが非常に大切です。

そして、マンションは建物や設備の「改修」や「回復」だけでなく、定期的な「改良」工事も資産価値の維持・向上のためには必要となるため、専門家の意見を踏まえて改良工事を行う部位の選定や、それに伴う長期修繕計画の見直し等を適宜行うことが重要となります。

近年は、建物の各種部材や設備の長命化及び施工技術の発達により、修繕費用や修繕周期が日々変わってくるため、3年~5年程度で長期修繕計画の見直しを行うと良いでしょう。

1-5. 工事見積もり収集

注意点

  1. 管理会社任せにせず、管理組合や専門委員会が主導で見積もり収集する
  2. 管理組合等が収集した見積もりと管理会社の見積もりの内容を確認し無駄はないか必ず精査する

長期修繕計画の策定後は、複数の施工業者の見積もりを収集し、施工内容や金額の精査を行いましょう。

一般的に大規模修繕工事は、管理組合が素人のみで構成されているために、大規模修繕の修繕内容や見積もりに関して管理会社へ丸投げしてしまったり、管理会社の言いなりになってしまい不適切な修繕工事を行ってしまうケースが多くあります。

このような事態を回避し、無駄なく修繕積立金を使用して適切な大規模修繕を行うためには、複数の見積もりを管理組合か専門委員会主導で収集した上で、管理会社が入手した見積もりも合わせて、具体的な工事内容と実際の修繕箇所の劣化の状況の確認や、見積もりの内容の精査を行って最良の施工業者を選定するという作業が不可欠となります。

管理会社は、利益追求のために不適切なタイミングで不要な工事の提案をしてきたり、子会社等の1社分の見積もりのみを提示してくる場合が多いために、言いなりになってしまうと無駄な修繕工事をしてしまう恐れがあるだけでなく、複数の見積もりがないために内容や金額の比較が出来ないというデメリットがあります。

従って、この章の注意点や後述の「業者選定の4つの流れ」を良く読んで、一括見積もりサイト等を上手に活用して適切な見積もりや業者選定を行いましょう。

便利な一括見積もりサイトのご紹介

  • town life リフォーム』:複数見積もりが取れる使いやすさNo.1の無料一括見積もりサイト
  • ホームプロ』:有名大手企業が出資する利用者数No.1の無料一括見積もりサイト

1-6. 施工業者選定

注意点

管理会社任せにせず、必ず管理組合や専門委員会が主導で業者選定を行う

見積もりの収集と同様に、大規模修繕工事の施工業者の選定においても管理組合か専門委員会主導で適切な施工業者の選定を行いましょう。

管理会社は、自社で施工も出来る場合や子会社等に施工業者を抱えている場合があるため、前述の通り利益追求のための提案があることに注意が必要です。

とはいえ、すべての管理会社がそのような利益追求を行う訳ではないため、管理組合等が主導となって選定した施工業者と管理会社が選定した施工業者の工事内容や見積もりの内容をしっかりと比較し精査することが大切です。

その際には、評判や熱意はもちろんのこと施工管理体制や工事完成保証の内容、アフターサービスや施工業者の財務内容等に特に注意して業者選定を行うと良いでしょう。

1-7. 資金計画をまとめる

注意点

事前に修繕積立金が不足していないかの確認及び有利な資金調達方法を検討する

大規模修繕工事を行うに当たって、見積もりや施工業者の選定に併せて「資金計画」をまとめることが大切です。

具体的には、修繕積立金で足りるのかや、一時金として居住者から徴収する必要があるのか、又は金融機関からの借り入れによって行うのか等、資金調達の具体的内容や低金利の金融機関の選定等、総会決議前に詳細な内容を詰める必要があります。

金融機関の融資決定までには、通常1ヶ月以上かかる場合も多いため、施工業者の選定等と同時進行で金融機関の選定や必要書類の収集を行っておくと良いでしょう。

資金計画を立てる際には、工事費の予定金額に予備費も含めることがポイントです。

実際に工事を行う中で、追加工事の必要性やトラブルや事故による工事の遅延等、様々な場面が想定されるため、その都度一時金を徴収したり借り入れを行うことは合理的ではないため、あらかじめ予備費を考慮しておくことが大切です。

1-8. 総会決議

注意点

居住者全員が納得して大規模修繕工事が実施出来るように詳細な説明を心掛ける

施工業者の選定や工事費用の詳細を把握した後、工事実施の最終的な決定は管理組合の総会にて行います。

総会決議に当っては、施工業者の選定や資金計画に関する具体的内容について、居住者が納得した上で工事に進めるようにすることが大切であるため、前述の流れや注意点に従って複数の見積もりの収集、適切な施工業者の選定や資金調達を行い、居住者全員が納得して大規模修繕工事に臨めるようにすることが大切です。

しかしながら、具体的な見積もりの精査や業者選定の判断等は専門知識や経験を必要とするものであるため、居住者に専門家がいない場合には、多少の経費がかかったとしても外部のコンンサルタント等を活用することが、大規模修繕成功のポイントとなります。

1-9. 大規模修繕工事の実施

注意点

  • 工事実施前には必ず説明会や近隣挨拶を行う
  • 施行品質や安全管理等の修繕工事に関わる各種チェックを行う

総会の決議で大規模修繕工事の実施が決定された後、工事説明会を開催して工事期間中の注意事項を居住者に理解してもらった上で修繕工事を実施します。

具体的には、施行中の養生シートによる日照障害についてや、塗装等によるニオイの問題、一部断水の発生やエレベーター等の使用禁止等、具体的な情報を提供することが大切です。

また、可能であれば工事前に施工業者が行う近隣挨拶等に理事長や修繕委員会のメンバーが同行し、工事の概要や期間を伝えることで、近隣トラブルの回避に繋がります。

更に施工中には、施工品質や工事の安全管理状況、仕上がり状態のチェック等をこまめに行うことが重要ですが、これに関しても外部の専門家にチェックを依頼することで質の高い修繕を行うことが出来るため、修繕計画の立案や見積もりの精査だけでなく、施工中や竣工後のチェックに関しても上手に外部コンサルタントを活用すると良いでしょう。

1-10. 竣工後の修繕履歴情報の整理・保管

注意点

毎回の修繕工事の履歴を保管し、次回の適切な修繕計画の策定に活かす

竣工後は、改めて施工業者の保証内容等を確認しておくことと、長期修繕計画の見直しを行う必要があります。

その際に、将来的な修繕計画の策定のためにも大規模修繕の履歴情報は大切に保管し、修繕箇所の不具合が起きないかのチェックや、前回の工事で行いきれなかった改良工事の実施計画の立案等に活用することが大切です。

履歴を残しておくことで、築年数に応じた大規模修繕毎の施工内容の決定や工事の度合い等を検討することが出来るため、無駄な工事を防ぎ、必要性の高い箇所から優先的に工事を行えるようになる等の大きなメリットがあります。

また、施工業者のアフターサービスを上手に活用して、施工箇所の不具合の修理や次回の大規模修繕の必要箇所のチェック等をしてもらうと良いでしょう。

2. マンションの大規模修繕にかかる費用と時間の相場とは?

ここまで、マンションの大規模修繕の概要やメリット及び注意点等を紹介してきましたが、実際に大規模修繕にどれだけの費用や時間がかかるかの目安を掴んでおくことで、具体的な修繕計画や費用の見通しが立てられるため、以下の内容を読んで、おおよその費用や時間の相場感を把握しておきましょう。

2-1. 大規模修繕にかかる費用の目安

大規模修繕にかかる費用の目安

▪️高層10階建・60戸のマンションの1〜30年目までの長期修繕計画の想定費用(グレードアップ費用は含まない)

  1. 建築関係工事(外壁、屋根、床防水、鉄部・金物類)合計295万円/戸
  2. 設備関係工事(給排水設備、ガス設備、電気設備、情報設備、エレベーター)合計142万円/戸
  3. 機械式駐車場(塗装、部品交換・更新)合計98万円/戸
  4. 外構関係(鉄部塗装、舗装、工作物更新等)合計26万円/戸
  5. 調査・診断、設計・監理、長期計画見直し等 合計43万円/戸

1〜5の総合計604万円(16,780円/月)

 

▪️専有部分のグレードアップ費用(1〜60年目想定)

  1. 住戸建具関係(玄関扉、窓サッシ等の更新)合計100万円/戸
  2. 住戸内設備関係(給排水、ガス、給湯配管類更新)合計100万円/戸

1〜2の総合計200万円

※上記2つの大規模修繕工事の費用から60年間分の総費用を想定すると、総合計1408万円/戸となる。

戸あたり修繕積立金に換算すると23.5万円/年(19,560円/月)

上記の表は、「一般社団法人 マンションリフォーム技術協会」によるマンションの大規模修繕にかかる費用のモデルケースです。

これは、10階建で60戸のマンションのモデルケースであり、マンションのグレードや規模に応じて費用は大きく異なるだけでなく、グレードアップの内容も専有部分のみとなっているため、共用部のエントランスや大規模なバリアフリー化を施す場合にはその分の費用も更に上乗せされることを考慮する必要がありますが、それでも戸あたり約1400万円という大きな費用がかかります。

そして、全世帯合計では約8億4000万円もの大金がかかるものであるため、大規模修繕は長期修繕計画の策定の段階から、慎重かつ賢明な判断が必要となるものであり、これだけの大金を任される管理組合には多大な責任が伴います。

そのため、管理会社へ任せきりにはせずに、大規模修繕の計画の立案や実際の見積もりの精査等は必ず管理組合主導で行うべきものと言えるのです。

2-2. 大規模修繕にかかる時間の目安

大規模修繕にかかる時間の目安

(50〜100戸の中規模マンションを想定)

▪️計画〜工事着工段階までの主な事前準備

  1. 理事会や専門委員会等による修繕内容の協議や調査内容の報告
  2. 建物診断・調査(専門業者に調査を委託)
  3. 長期修繕計画の策定
  4. 施工業者の決定
  5. 住民総会(決議により承認を受ける)
  6. 施工業者との契約
  7. 居住者への工事内容説明会

1〜7までで、およそ1年から2年かかる

 

▪️工事着工〜完了までの期間の目安

  • 足場等の仮設工事:約10日〜2週間
  • 下地補修・シーリング・鉄部塗装:約2週間〜1ヶ月
  • 外壁塗装やタイルの改修:約1〜3ヶ月
  • 屋上やバルコニーの防水工事:約1ヶ月
  • 防水工事・エレベーター修理等:約2〜3ヶ月

(※マンションの規模や、改修工事の内容によって大きく異なることに注意)

マンションの大規模修繕に関する事前準備と、実際の工事に要する時間の目安はおおよそ上記の通りです。

ただし、マンションの規模や修繕の程度に応じて期間は大きく異なるものであることから、あくまで一例として参考程度にしておくと良いでしょう。

事前準備の段階だけでも、居住者の同意を得ることや業者選定及び複数の見積もり依頼、長期修繕計画の策定等、かなりの時間を要するものが多いため、上記の表を目安として時間に大きな余裕を持って計画を練ることが非常に重要です。

3. 損せず大規模修繕を行うための賢い業者選定の4つの流れ

マンションの大規模修繕を成功させるためには、適切な内容及び金額で工事をしてくれる施工業者を選定することが妥協出来ない最重要項目と言えますが、最良の施工業者の選び方等にも専門知識が必要となるため、一般の人にとっては最良業者の選定も頭を悩ませる問題となります。

しかし、上記のような最良業者を選定するための方法に則り注意点をしっかり守れば、素人のみの管理組合であっても、最良の業者選定が出来るようになるため、この流れに沿って優良な業者選定をし、損無く費用対効果の高い大規模修繕を行いましょう

3-1. 一括見積もりサイトで複数の業者の見積もりを取る

大規模修繕を行うに当たっては、前述した通り管理会社経由の見積もりだけで判断することは絶対にやめましょう

管理会社経由の見積もりだけでは、比較対象が無いというだけでなく、利益追求のために保証期間中であるにも関わらず修繕工事を行おうとする場合がある等、管理会社に丸投げしてしまうと大損をしてしまうことがあるため要注意です。

このような事態を回避し、適切な大規模修繕を行うためには、まず一括見積もりサイト等を活用して複数の業者の見積もりを取る所から始めましょう

管理組合員で業者に詳しい人がいる場合には、直接業者にアプローチすることも考えられますが、複数の業者見積もりを取るには多くの手間や時間がかかるものであるため、同時に複数業者の見積もりが瞬時に取れる一括見積もりサイトが非常に便利です。

おすすめ一括見積もりサイト1:「ホームプロ

ホームプロ』は、リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本が出資している10年連続で利用者数No.1のリフォームサイトで、この通り出資会社が有名な大手企業であるため、とりあえず大手の方が安心して依頼出来るという方におすすめのサイトと言えるでしょう。

ホームプロは、依頼者のマンション所在地や依頼内容等に応じて最大8社のリフォーム会社を紹介してくれる大手サイトで、施主によるリフォーム会社の評判、クチコミも掲載されているため、利用者の生の声が聞ける点も心強いサイトです。

更にサイト上では、大規模修繕に関する部位別のおおよその金額例やリフォーム事例の紹介や、リフォームを成功させるためのノウハウに関する記事が掲載されているため、エレベーター修繕に限らず実例を見たりノウハウを学んで大規模修繕のイメージを掴みたいという場合にも活用出来ます

おすすめ一括見積もりサイト2:「town life リフォーム

town life リフォーム』は、インターネットサイトにおけるリフォーム部門の「利用満足度」・「使いやすさ」・「サイト利用者安心度」でランキング1位を獲得している人気サイトです。(※株式会社リンクアンドパートナーズ調べ)

このサイトでは、独自の一定評価基準をクリアした全国300社以上の業者が登録されており、タウンライフリフォーム上で各リフォーム会社の詳細・事例・商品を見ることができ、各リフォーム会社からの見積もり・提案を比べることが出来るため、各会社の強みの理解、依頼者のニーズに合った会社の発見に繋がり、納得してリフォームを進めることが出来ます。

住友不動産、住友林業のリフォーム、ミサワリフォーム等といった大手建設会社のリフォーム部門も多く登録されている等、登録基準をクリアした業者のみが登録されており、工事保証等もあるため安心して利用出来るおすすめサイトです。

3-2. 複数の見積もりを比較する(できれば外部の第三者専門家に相談する)

town life リフォーム』や『ホームプロ』を活用して複数の見積もりを取った後は、それらの見積もりの内容や金額を比較し、内容に無駄がないかや見積もりの単価等から金額差を把握して、適切な内容でなるべく安い業者はどれかや、保証の有無やその内容等を詳細に確認しましょう

例えば、同じ工事の依頼でも足場費用や配置する警備員の数の相違、使用部材のグレード等によって金額は大きく異なるものであるため、業者毎の提案内容のコンセプトの違いを的確に把握することが大切です。

しかしながら、各業者の提案内容が異なるために正しい判断が出来なかったり、見積もりや保証内容の検討についても専門知識が必要なために結局判断がつかないという事態に陥ることが多いため、できれば大規模修繕やリフォームに関するコンサルタント等の外部の第三者専門家に相談し、見積もり内容の比較の仕方や押さえるべきポイントに関するアドバイスを受けることをおすすめします。

また、第三者専門家に相談することで、公平中立の立場から依頼者に最適な大規模修繕の内容の判断や見積もりの精査をしてくれるだけでなく、管理会社や施工業者との交渉の仕方や注意点に関してもアドバイスが貰え、更に業者選定で終わらず大規模修繕の完了及び次期計画に至るまでの専門的コンサルティングを行なって貰えます

多少の相談料はかかりますが、不適切な大規模修繕による数百万〜数千万単位の損失を回避出来ることを考えると、決して高くない必要経費と言っても過言ではないでしょう。

3-3. 各業者と金額・内容を交渉し管理組合経由で最良の業者を選定する

各社の見積もり内容比較検討した後は、それぞれの業者と工事内容や金額に関する擦り合わせや交渉を行い、その中で最もニーズに合った最良の業者を「必ず管理組合経由で」選定しましょう

複数見積もりを取っても、管理会社に見積もり内容の精査や各業者との交渉を任せてしまうと、適切な交渉がなされず結局管理会社が提携している先の業者を推してくるといった場合も少なくないことや、管理会社経由で取った見積もり内容が適正かどうかの判断材料を得るという意味でも、管理組合経由で業者を選定しておく必要があるのです。

そのため、手間はかかりますが見積もりの精査や各業者との交渉においても管理会社任せにはせず、必ず管理組合経由で納得した最良の業者選定をしておくことが重要です。

3-4. 管理会社経由の業者とも金額・内容を交渉し最終的な最良業者を決定する

管理組合経由で最良の業者を選定した後は、管理会社経由で見積もりを取得した業者とも金額や施工内容に関する交渉を行い、その上で「管理組合経由の最良業者」と「管理会社経由の最良業者」を比較検討し、最終的な最良業者を選定しましょう。

管理会社は、利益追求のために不適切な大規模修繕の提案をしてくる場合もありますが、公平中立の立場から適切な施工会社の選定を行なっている場合には、管理会社という専門家による業者選びを通じて大規模修繕を行うことが出来るというメリットがあるため、管理組合経由で選定した施工業者と管理会社経由で選定した業者とを比較する必要があるのです。

条件を合わせて両者を比較する際に、再度業者と交渉が必要となる場合もありますが、その時に適切な判断や決断が出来ないという場合には再度外部の第三者専門家に相談することも有効でしょう。

このように、大規模修繕における最重要項目である業者選定においては多くの注意点がありますが、上記の4ステップを踏みしっかりとポイントを押さえることで、最良の業者に出会える可能性が飛躍的に向上するでしょう。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか?

「大規模修繕」は、専門委員会の発足に始まり施工業者の選定、施工時や竣工後の修繕箇所のチェックに至るまで、大規模修繕工事はスタート時点から次回の計画も見据えて適切に進めていかなければ、適切な長期修繕計画の策定や最良の業者選びが出来ず、数百万〜数千万円単位で損失を発生させることにもなりかねない大きな問題です。

しかし、本ページでご紹介したように、注意点を押さえて的確な状況判断や最良の業者選定を行うことで、居住者全員にとって大切な資産であるマンションが長命化し、快適性・利便性・安全性を維持向上させることが出来るようになります。

管理組合員や理事の人は、まず『town life リフォーム』や『ホームプロ』といった一括見積もりサイトを利用して、複数の見積もりを収集し、その上で外部の第三者専門家のコンサルティングを受けることをおすすめします。

弊社では、一級建築士・不動産鑑定士をはじめとする多数の大規模修繕に関する専門家とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、第三者専門家への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

大規模修繕までにまだ時間の猶予があるという場合には、両サイトで取得した見積もりの比較を行う等して相場感を掴み、サイト内で紹介されている実例等から将来的な大規模修繕に関する知識や予算に関する教養を身につけておくのもおすすめです。

<このページでご紹介したサービス>

  • town life リフォーム』:複数見積もりが取れる使いやすさNo.1の無料一括見積もりサイト
  • ホームプロ』:有名大手企業が出資する利用者数No.1の無料一括見積もりサイト

Follow me!