マンションの機械式駐車場の修繕にはいくらかかる?修繕の注意点や賢い業者選定方法まで全解説

マンションの機械式駐車場の修繕を検討しているけど、実際に費用がどのくらいかかるか等について気になっていませんか?

マンションの機械式駐車場は、居住者が安全に利用出来るように日々のメンテナンスや適切な修繕が必要なものであり、大規模修繕工事の一種として設備のリニューアル等が必要なものでもあります

しかしながら、マンションの機械式駐車場の修繕に当たっては、適切な修繕計画の策定や施工業者の選定をしなければ、安全性に不安が出るばかりか費用対効果の悪い工事となってしまい、結果的に数百万円〜数千万円単位の大損をしてしまうというようなことにもなりかねません。

そのため、機械式駐車場の適切な修繕内容や注意点をしっかりと押さえた上で、安全で費用対効果の高い修繕工事を実施し、マンション自体の資産価値を維持・向上させることが大切です。

このページでは、マンションの機械式駐車場の修繕や費用等についての専門知識がない人でも費用や注意点及び賢い業者選定についてまで詳しく理解出来るように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、マンションの機械式駐車場の修繕費や注意点等についての詳細な理解が得られ、適切な修繕工事を行うことが出来るようになるでしょう。

1. マンションの機械式駐車場の修繕・維持管理にはいくらかかる?

マンションの機械式駐車場は、単純な平面駐車場や自走式の立体駐車場と違い、駆動装置や安全装置、駐車場内の排水設備等の様々な機械設備によって構成されているため、消耗品の補充・交換や修繕等の定期的なメンテナンスを必要とするものです。

そのため、機械式駐車場を安全かつ長期的に使用するためには日々の保守点検等が重要であり、場合によっては設備の一新等の大規模修繕が必要にもなります。

まずは、この章でそれら機械式駐車場にかかる費用やリニューアル工事の内容について学び、機械式駐車場を含むマンションの大規模修繕に関する適切な長期修繕計画を策定しましょう。

1-1. 機械式駐車場の小規模修繕・維持管理にかかる費用とは?

機械式駐車場の修繕・維持管理にかかる費用の目安
類型概要修繕・維持管理費(保守点検・消耗品交換・塗装等)
①垂直循環式車両を台車に乗せて垂直面内に円形又は長円形に配置し、連続循環させる方式

出典:https://kotobank.jp

▪️年6回点検の場合の1回当たり費用

  基本料金48,000円+(2,600円×パレット数)

 

▪️年4回点検の場合の1回当たり費用

  基本料金55,000円+(3,000円×パレット数)

②エレベーター式車両をエレベーターに乗せ、搬送装置で駐車室へ搬送する駐車方式

出典:https://kotobank.jp

③多層循環式並べた台車に車両を乗せ、循環移動により上下段に順次送り込む方式。水平循環式もここに含まれる

出典:https://kotobank.jp

年12回点検の月々の費用

約13,4000円

④多段式車両を上下2〜4段程度に積み重ねて搬送する方式。2段程度の簡易的なものや昇降横行型の3〜4段式等があり、マンションではこの方式が多く採用されている

出典:https://kotobank.jp

 

上記の表は、「NPO マンション再生・建替・支援センター」が、(財)駐車場整備推進機構が機械式駐車場のメーカーを対象に行ったアンケートの結果をまとめた修繕・維持管理費用のおおよその目安になります。

このアンケートによると、タワー式(上記表の①,②)の年間点検は12回が最も多く、多段式(上記表の③,④)の年間点検回数は4又は6回が最も多くなっており、それぞれの方式毎に最も多かった年間点検回数に応じた費用をまとめたものが上記の表になります。

機械式駐車場は、表の通り大きく分けて4種類に分類できますが厳密にはさらに細かく分類することができますが、それぞれ維持管理費用等に定まったものがあるわけではなく業者毎に金額もまちまちであるため、あくまで一例として参考にすると良いでしょう。

また、この他保険料や使用電力に応じた電気代が維持管理費としてかかってくるため、自身のマンションの種類や規模に応じた保険料や電気料金についてもメーカー等からヒアリングする等して、十分な情報を集めた上で適切な長期修繕計画を策定することが大切です。

上記の表の費用及び保険料や電気料金等は、「維持管理費・小規模修繕費」に該当するものであり、後述のリニューアル工事のような「大規模修繕工事」とは内容が異なるものであるため、「維持管理及び小規模修繕」と「大規模修繕」の2つに分けて工事内容の把握や金額の検討をすると分かりやすいでしょう。

保守点検の内容や修繕・交換周期に関しては、後述の【定期メンテナンスの項目及び交換周期の目安】をご確認ください。

1-2. 機械式駐車場のリニューアル(大規模修繕)の内容及び費用とは?

機械式駐車場には、上記のような3つのリニューアル方法があり、それぞれ築年数や実際の劣化の状況に応じて適切な方法を選択することが大切です。

機械式駐車場は、耐用年数は15年と定められていますが、一般的には定期的なメンテナンスを行えば20〜25年で取替えを行うものとされており、この他安全装置はおよそ5年毎に修繕を行い、昇降装置や駐車場内に溜まった雨水を排水する排水ポンプは約10年で取替えが行われることが多くなっています

また、近年自動車が大型化していることへの対応や、そのマンションや地域の駐車場需要の変化に対応したグレードアップ、あるいは小型化や機械式駐車場を廃止して平面化する等の対応が必要になることもあります。

この章では、機械式駐車場のリニューアル工事の内容及び(財)東京都道路整備保全協会の調査による地下ピット式駐車場(50台規模)のリニューアル工事を行う際の1台当たりの金額をご紹介していきます。

リニューアル工事を行う際には、後述の「修繕における5つの注意点」でも述べるように法定耐用年数を目安として修繕を行うのではなく、部材毎の物理的な耐用年数に注目してリニューアル工事(大規模修繕)を行うことが大切です。

1. 新設工事

新設工事とは、平面駐車場等を機械式駐車場に変更する等新たに機械式駐車場を設置する工事を言います。

機械式駐車場の方式にもよりますが、例えば地下ピット式(上記表の④多段式を地下に埋めるタイプ)では、機械式駐車場を埋めるピット(穴)を掘削し、駐車装置や安全装置、排水ポンプ等を新設する工事を指します。

この場合のコストは、1台当たり約150万円〜200万円程であり、50台規模の機械式駐車場の場合は合計でおよそ7500万円〜1億円の費用がかかる計算になります。

新設工事はこれだけの費用がかかるものであるため、かなりの時間の余裕を持ってあらかじめ管理組合や修繕の専門委員会等で話し合いを繰り返し、駐車場需要の将来の動向等も考慮した上で検討することが望ましいでしょう。

2. 取替工事

取替工事は、既存ピット(穴)は再利用して機械式駐車場を全面的に取り替える工法です。

この他、一部の設備のみの取替えを行う場合もありますが、今回は全面取替えを想定して費用を紹介したいと思います。

前述の新設工事に比べ、ピット(穴)の掘削工事がないため若干費用は安くはなりますが、それでも1台当たり100万円〜150万円程の費用がかかり、全体で5000万円〜7500万円程の費用がかかります。

取替工事は、およそ築20〜25年で行われることが多い工事ですが、この時もやはりマンションの間取りや立地、その他駐車場需要の動向等をある程度予測して取替工事を行うべきか、そもそも撤去して平面化すべきか等、予算や今後の修繕積立金の額等も含めて検討することが大切です。

3. 取替大型化工事

近年の自動車の大型化に伴い、リニューアル工事の際に規模を拡大して大型自動車の駐車を可能とする機械式駐車場に入れ替える工事を行う場合があります。

この場合には、既存の機械式駐車場を撤去しピット(穴)を拡大して大型の機械式駐車場を設置するため、撤去費用等が含まれる分新設工事よりも高く、1台当たり200万円〜250万円程の費用がかかると言われています。

50台規模の場合には、合計で1億〜1億2500万円の費用がかかるため、やはりマンションの築年数や修繕積立金の状況等を総合的に勘案して検討すると良いでしょう。

※「廃止・変更」も視野に入れる

出典:http://www.ues.jp/works/parking.php

機械式駐車場は、マンションの設備の中でも特に維持管理費や修繕に大きな費用がかかるものと言われており、上記の通りにニューアル工事を行うにしても多額の費用がかかるため、マンションの駐車場需要の状況によっては、機械式駐車場を撤去して平面駐車場化するという選択肢も検討する必要があります

全面的な平面化はもちろんですが、例えば30台あるうち常に4〜5台程度空きがあるという場合には、一部平面化してランニングコストや将来の取替工事費の削減を図るのも一つの手です。

しかしながら、リニューアル工事を行う際には過去の推移だけでなく、将来の駐車場需要の動向や長期修繕計画の見直し、妥当な修繕積立金の判定や信頼出来る業者選定等専門知識を必要とする検討材料が多いものです。

また、管理会社は利益追求のために安易な提案や不適切な工事内容及び金額の見積もりを提示してくる場合もあるため、修繕積立金を無駄にせず効果的な修繕工事を行うためにも、できれば外部の大規模修繕等に関する専門家に一度相談することをおすすめします。

1-3. 定期メンテナンスの内容及び各部品の交換周期の目安

ここまで、「維持管理・小規模修繕」と「大規模修繕(リニューアル工事)」について費用等を紹介してきましたが、ここでは定期メンテナンスの内容や重要チェック項目、各部品の交換周期の目安等について紹介していきたいと思います。

1. 定期メンテナンスの内容と重要チェック項目

メンテナンス契約の内容は2種類

1.  フルメンテナンス契約(メンテナンス範囲は広いが費用が高い)

→主ワイヤーロープ、ガバナーロープ、移動ケーブル、ベアリング、制御リレー、プリント基盤等

2.  POG(Parts Oil Grease)契約(メンテナンス範囲は狭いが費用が安い)

→ヒューズ、照明、補給オイル、ベアリング及びメタル用グリス等の約3〜6ヶ月毎に取替が必要な部品類

機械式駐車場の定期メンテナンスは、一般的にメーカーや独立系業者と上記のような契約を結んで行います。

注意点としては、フルメンテナンスと言ってもパレットの取替えや運転盤等の交換等のリニューアル工事に該当するものはメンテナンス範囲に含まれないことや、築年数的に古い機械式駐車場の場合POG契約のみでは機械の不具合等の予防保全が出来ない場合があること等があるため、業者毎のメンテナンス範囲をしっかり確認することが大切です。

また、機械式駐車場は「公益社団法人 立体駐車場工業会」が機械式駐車場の認定制度を設けており、以下のような項目のチェックを行ってもらい安全な機械式駐車場であることの認定を受けることが推奨されています。

(社)立体駐車場工業会の審査内容

  1. 構造部の強度:荷重の設定超過、使用部材の形状や材質等
  2. 安全装置の構造:歯止め落下防止装置、過速度制限装置、非常止め装置等
  3. 出入口操作の安全性:車の乗り入れ、人の退出、第三者の出入り等
  4. 操作上における円滑性:1台当たりの出庫又は入庫の処理能力
  5. その他:騒動音

機械式駐車場のメンテナンスは、法律で義務化されていないものですが、だからこそ管理組合や大規模修繕に関する専門委員会が中心となって、上記のような安全で便利な機械式駐車場に求められる重要ポイントをしっかりクリア出来るように、信頼出来る業者の選定やメンテナンス内容の把握を行うことが大切です。

2. 各部品の交換周期

出典:http://mansion-saisei.jp/file/MRRC-13th.pdf

上記の表は、「公益社団法人 立体駐車場工業会」によってまとめられた、機械式駐車場の7項目に関しての部材・部品の耐用年数及び交換周期に関する参考資料になります。

これらは、対象とする機械式駐車場の機械的特性や設置環境、稼働率等によって異なるため各マンションの機械式駐車場の実態に応じて適切な修繕及び部品等の交換を行うことが大切です。

また、法定耐用年数はあくまで「1つの目安」であり、物理的な実態に着目して交換等を行うように注意しましょう。

各部材・部品の長命化を意識した定期メンテナンスを適切に行った上で、実際の劣化状況等に応じた適切なタイミングでの交換を行えば、結果的に修繕費用等が安く抑えられるだけでなく、機械式駐車場全体の寿命が伸びることにもなります

そのため、自身のマンションの機械式駐車場の築年数及び日々の保守点検の結果等を総合的に勘案して、部材の交換やリニューアル工事を行ったり、メンテナンス契約の内容を見直して、費用の効率化や機械式駐車場の長命化を行いましょう。

2. マンションの機械式駐車場の修繕における5つの注意点

マンションの機械式駐車場の修繕を行うに当たっては、主に上記の5つの注意点があります。

それぞれの注意点の内容を理解することで、修繕積立金を無駄にすることなく費用対効果の高い修繕工事を行うことが出来るようになるため、この章でしっかりと注意点を把握して適切な長期修繕計画を策定しましょう。

2-1. 建築基準法で定期点検を行うことが推奨されている

機械式駐車場は、エレベーターのように建築基準法で年に1回の定期検査や毎月の保守点検が義務付けられている訳ではありません。

しかしながら、機械式駐車場はマンションの居住者自らが操作して利用するため故障が多く、また子どもが機械に巻き込まれる等の事故が多いため、建築基準法では定期点検を行うことが「推奨」されています

屋外の機械式駐車場の場合には、雨水を排水するポンプが取り付けられていますが、このポンプが正常に作動しないと地下ピット型の多段式駐車場では車が水没してしまう等の被害も発生するため、単純な安全性の確保だけでなく、居住者の大切な資産である車を守るという観点でも、定期的な保守点検を行いましょう。

2-2. 「法定耐用年数(15年)」はあくまで1つの目安に過ぎない

機械式駐車場に限った話ではありませんが、修繕を行う際には「法定耐用年数」はあくまで1つの目安に過ぎず、実際の劣化の状況を踏まえた物理的な耐久性の観点から修繕工事を行いましょう

法定耐用年数は、税務計算上の減価償却費の計算に用いられる資産の償却年数を表すものであり、実際の物理的な耐久性や耐用年数を表示したものではありません

例えば、エレベーターも法定耐用年数は17年ですが、「計画耐用年数(25年)」という物理的な耐久性に基づいた耐用年数があり、日々のメンテナンスを適切に行い、計画耐用年数前後で大規模な修繕工事を行うことで費用対効果の高い修繕を行うことが出来ます。

機械式駐車場には、計画耐用年数はありませんが前述の部材や部品の交換周期の表のように、法定耐用年数と交換周期等は必ずしも一致するものではないため、定期的なメンテナンスを行いつつ、劣化の状況を業者からヒアリングする等して無駄の無い修繕工事を行いましょう

2-3. リニューアル工事の際は駐車場需要の検討が必要

検討すべき駐車場需要の具体的内容

  1. 自家用車の減少
  2. 自動車の大型化
  3. 電気自動車の増加

前述の大規模なリニューアル工事を行う際には、上記のような駐車場に対する需要の変化を十分に検討する必要があることに注意が必要です。

昨今、都心部ではカーシェアリングの普及等で自家用車を保有するのではなく、レンタルして車保有における経済的負担を減らすという傾向が増えてきており、マンションのエリアによっては新築当時に比べて駐車場利用者が減少しているケースが多くあります。

また、ワンボックスカーやSUV等の大型車両の流行によって、機械式駐車場では駐車が出来ないためマンション敷地外の駐車場を借りるケースも少なくありません

更に、自家用車の大型化だけでなく環境配慮の観点から電気自動車が普及しているため、充電が可能な駐車場が求められていたり、今後は水素カー等の電気自動車以外の自動車の普及も考えられます

このように、駐車場に求められる社会的な需要は年々変化してきているため、大規模なリニューアル工事を行う際には単純に機械式駐車場を一新するのではなく、社会的な駐車場需要の変化等をしっかりと把握して工事内容を決定しなければ、大規模工事を行なった後の需要が見込めなくなってしまうため注意が必要です。

2-4. 工事期間中の駐車場利用者への対応も検討する

工事の方法や規模にもよりますが、機械式駐車場の工事期間中は駐車場利用者は駐車位置の変更が必要となるだけでなく、場合によっては敷地外の他の駐車場を利用することになることがあります

このような場合には、敷地外の駐車場の費用も修繕工事にかかる経費として計上する必要がありますが、例えば都内の一等地のような駐車場料金の高いエリアだと、1台当たり月4万円前後の費用がかかるため、前述の50台規模の大型の機械式駐車場のリニューアル工事の際には、月200万円もの経費がかかる計算になります。

また、敷地内のスペースを利用する場合であっても安全な利用のための事前説明会の実施も必要となる等、機械式駐車場の修繕の際には入居者への対応及び期間中の工事費用以外の経費を踏まえて、工事を行うか否かの検討を行うことが大切です。

2-5. 機械式駐車場には消火設備の設置義務がある

機械式駐車場には、その構造や規模に応じて「不活性ガス消火設備」・「泡消火設備」・「ハロゲン化物消火設備」等の消火設備の設置が義務付けられています

機械式駐車場は、マンションの居住者自らが機械を操作して利用するため、駐車場の操作だけでなくこれら消火設備の使用方法も日頃から習熟してもらうことが大切です。

自身のマンションの規模や構造に応じた、これら消火設備の有無や内容に関して管理会社やメーカーに問い合わせ、管理組合主導で安全対策についての広報活動を行うと良いでしょう。

3. マンションの機械式駐車場修繕で絶対に外してはいけない6つのポイント

マンションの機械式駐車場修繕で絶対に外してはいけない6つのポイント

  1. 修繕計画の妥当性を見直す
  2. 修繕積立金が不足していないか確認する
  3. 管理会社任せにしてはいけない
  4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない
  5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する
  6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

機械式駐車場は、マンションの大規模修繕工事の一種として考えるものであり、機械式駐車場以外の大規模修繕工事と同様に適切な長期修繕計画を策定することが大切です。

その際には、長期修繕計画の策定から実際の修繕内容や見積もりに至るまで、上記のような「絶対に外してはいけない押さえるべきポイント」があります

これらのポイントの内容を理解した上で、管理会社任せにせずに効率的かつ効果的な修繕を行いましょう。

3-1. 修繕計画の妥当性を見直す

機械式駐車場修繕及びその他大規模修繕においては、長期修繕計画の策定が不可欠となりますが、長期修繕計画は修繕積立金の算定基準にもなり、大規模修繕を実施するために、無理のない修繕費用の積立計画を立てることも非常に重要となります。

また、マンション分譲時にデベロッパーが長期修繕計画を策定しますが、その際の修繕積立金の金額には将来的な大規模修繕の内容が適切に反映されていなかったり、早期分譲のために金額を敢えて低めに設定してるといった場合が多いため、デベロッパーが作成した長期修繕計画を鵜呑みにせず必ずその妥当性の確認を行うことにも注意しましょう。

近年は、建物や機械式駐車場の各種部材や設備の長命化及び施工技術の発達により、修繕費用や修繕周期が日々変わってくるため、3年~5年程度で長期修繕計画の見直しを行うと良いでしょう。

また、大規模修繕を行った後には予定していた工事の実現度合い等を考慮して、適宜長期修繕計画書の修正を行うことが大切です。

3-2. 修繕積立金が不足していないか確認する

長期修繕計画の内容の精査同様に、予定している修繕工事が実施出来る程度に修繕積立金が積み立てられているかの確認を行うことが必要です。

修繕積立金が不足している場合、予定している修繕工事が先送りになってしまったり、災害等で大規模修繕が急遽必要な場合に対応出来ず、やむなく一時金として各世帯何十万円も回収しなければいけなくなるといった事態が発生しかねません。

従って、常に将来の修繕計画内容と現在の修繕積立金の額を照らし合わせ、将来的に不足が生じることが予測される場合には、事前にその旨をマンション居住者に通達し、修繕積立金の値上げを行なう等の対策を行うようにしましょう

3-3. 管理会社任せにしてはいけない

マンションの管理・運営は専門知識や経験を必要とするだけでなく、大きな手間や時間を要するものであることから、管理会社に一括して業務委託がなされる場合がほとんどです。

しかしながら、機械式駐車場修繕等の大規模修繕に関する管理会社の対応は必ずしも適切ではなく、自社や関連会社の利益追求のために不必要な修繕が行われたり、費用対効果の悪い修繕が行われる等、見積もりや修繕内容に関する精査が行われず、無駄な工事や大きな損失が発生していることが非常に多いのが業界の実態です。

従って、機械式駐車場修繕等の大規模修繕に関しては、必ず管理組合主導で長期修繕計画の策定及び修繕積立金の管理を行うだけでなく、後述のように複数の見積もりを取ってその内容を精査し最良の業者を選定するといった活動が必要になります。

その際にも、内容の精査や各種の判断に関して専門知識が必要になるため、判断等に自信が無いという場合には、外部のコンサルタントに相談することも非常に有効です。

相談料として、数十万円単位で費用がかかってしまう場合もありますが、不適切な修繕で数百万〜数千万円単位で大損をすることが多い昨今の業界の実態を考えると、安心して修繕が出来るのであれば決して高い費用とは言えないでしょう。

3-4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない

エレベーター修繕に関する見積もりを取る際には、管理会社任せにせず必ず管理組合でも自主的に見積もりを取るようにしましょう

前述のように管理会社自身や関連会社が建設部門や建設会社を抱えている場合、利益追求のために不適切な工事内容や金額となっている場合があり、仮に公平中立な立場から適切な見積もりを取っていたとしても管理会社が取った見積もりだけでは、内容や金額に関する比較対象が無いため、その妥当性が確認出来ません

また、工事方法に関しても、管理会社を通じて設計監理と工事を一括で発注する「設計・施工方式」と、設計監理と工事を別業者で実施する「設計・監理方式」がありますが、金額の適正さや工事体制のチェック等が出来ることから「設計・監理方式」の方が望ましいことも認識しておきましょう。

このように、見積もりは当然のこと、工事会社の選定等においても管理会社に全て任せるのではなく、管理組合が自主的にチェックをすることを常に心掛ける必要があります。

3-5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する

複数の業者に修繕工事の見積もりを依頼した場合、提案内容がバラバラで結局見積もり内容の比較が出来ないという場合がありますが、このような場合には無駄な修繕項目が含まれていることがあるため要注意です。

各業者の修繕内容の妥当性を判断し、合理的な見積もり比較を行うためにも事前に修繕内容をしっかりと把握して見積もりの精査をすることが大切です。

そうすることで、無駄な修繕が省かれた必要箇所だけの見積もりができ、費用や時間を無駄にすることなく効果の高い修繕工事が実現します。

3-6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

前述の通り、機械式駐車場修繕においては各種の注意点やポイントを押さえることが重要ですが、素人のみで構成されている管理組合の場合には、実際の長期修繕計画の策定や、そもそもの機械式駐車場の各部設備の修繕の必要性の判断、見積もり内容の具体的精査、管理会社との交渉等、様々な局面での判断は非常に難しい問題となります。

見積もりを例にとると、大きなマンションであれば10%見積もりが変わるだけで数千万〜億単位で金額が異なることとなるため、細部まで見積もりの内容を精査する必要がありますが、実際にその内容の妥当性が判断出来なければ精査する意味はありません。

従って、管理組合員に有識者がいない場合には外部コンサルタントに相談して、各種判断や運営・進行のアドバイスやフォローを受けることをおすすめします。

ここで多少の相談料がかかったとしても、上記の通り各種判断が出来ずに大損してしまうというリスクを大幅に軽減出来るのであれば、機械式駐車場修繕を含む大規模修繕に関するコンサルタントに相談するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

4. 損せず機械式駐車場修繕を行うための賢い業者選定の4ステップ

マンションの機械式駐車場修繕を成功させるためには、適切な内容及び金額で工事をしてくれる施工業者を選定することが妥協出来ない最重要項目と言えますが、最良の施工業者の選び方等にも専門知識が必要となるため、一般の人にとっては最良業者の選定も頭を悩ませる問題となります。

しかし、上記のような最良業者を選定するための方法に則り注意点をしっかり守れば、素人のみの管理組合であっても、最良の業者選定が出来るようになるため、この流れに沿って優良な業者選定をし、損無く費用対効果の高い修繕を行いましょう

4-1. 一括見積もりサイトで複数の業者の見積もりを取る

機械式駐車場修繕を行うに当たっては、前述の「6つの注意点」でご紹介した通り管理会社経由の見積もりだけで判断することは絶対にやめましょう

管理会社経由の見積もりだけでは、比較対象が無いというだけでなく、利益追求のために保証期間中であるにも関わらず修繕工事を行おうとする場合がある等、管理会社に丸投げしてしまうと大損をしてしまうことがあるため要注意です。

このような事態を回避し、適切な修繕を行うためには、まず一括見積もりサイト等を活用して複数の業者の見積もりを取る所から始めましょう

管理組合員で業者に詳しい人がいる場合には、直接業者にアプローチすることも考えられますが、複数の業者見積もりを取るには多くの手間や時間がかかるものであるため、同時に複数業者の見積もりが瞬時に取れる一括見積もりサイトが非常に便利です。

おすすめ一括見積もりサイト1:「ホームプロ

ホームプロ』は、リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本が出資している10年連続で利用者数No.1のリフォームサイトで、この通り出資会社が有名な大手企業であるため、とりあえず大手の方が安心して依頼出来るという方におすすめのサイトと言えるでしょう。

ホームプロは、依頼者のマンション所在地や依頼内容等に応じて最大8社のリフォーム会社を紹介してくれる大手サイトで、施主によるリフォーム会社の評判、クチコミも掲載されているため、利用者の生の声が聞ける点も心強いサイトです。

更にサイト上では、大規模修繕に関する部位別のおおよその金額例やリフォーム事例の紹介や、リフォームを成功させるためのノウハウに関する記事が掲載されているため、エレベーター修繕に限らず実例を見たりノウハウを学んで大規模修繕のイメージを掴みたいという場合にも活用出来ます

おすすめ一括見積もりサイト2:「town life リフォーム

town life リフォーム』は、インターネットサイトにおけるリフォーム部門の「利用満足度」・「使いやすさ」・「サイト利用者安心度」でランキング1位を獲得している人気サイトです。(※株式会社リンクアンドパートナーズ調べ)

このサイトでは、独自の一定評価基準をクリアした全国300社以上の業者が登録されており、タウンライフリフォーム上で各リフォーム会社の詳細・事例・商品を見ることができ、各リフォーム会社からの見積もり・提案を比べることが出来るため、各会社の強みの理解、依頼者のニーズに合った会社の発見に繋がり、納得してリフォームを進めることが出来ます。

住友不動産、住友林業のリフォーム、ミサワリフォーム等といった大手建設会社のリフォーム部門も多く登録されている等、登録基準をクリアした業者のみが登録されており、工事保証等もあるため安心して利用出来るおすすめサイトです。

4-2. 複数の見積もりを比較する(できれば外部の第三者専門家に相談する)

town life リフォーム』や『ホームプロ』を活用して複数の見積もりを取った後は、それらの見積もりの内容や金額を比較し、内容に無駄がないかや見積もりの単価等から金額差を把握して、適切な内容でなるべく安い業者はどれかや、保証の有無やその内容等を詳細に確認しましょう

例えば、同じ工事の依頼でも使用部材のグレード等によって金額は大きく異なるものであるため、業者毎の提案内容のコンセプトの違いを的確に把握することが大切です。

しかしながら、各業者の提案内容が異なるために正しい判断が出来なかったり、見積もりや保証内容の検討についても専門知識が必要なために結局判断がつかないという事態に陥ることが多いため、できればマンションの修繕全般に関するコンサルタント等の外部の第三者専門家に相談し、見積もり内容の比較の仕方や押さえるべきポイントに関するアドバイスを受けることをおすすめします。

また、第三者専門家に相談することで、公平中立の立場から依頼者に最適な修繕の内容の判断や見積もりの精査をしてくれるだけでなく、管理会社や施工業者との交渉の仕方や注意点に関してもアドバイスが貰え、更に業者選定で終わらず修繕工事の完了及び次期計画に至るまでの専門的コンサルティングを行なって貰えます

多少の相談料はかかりますが、不適切な修繕による数百万〜数千万単位の損失を回避出来ることを考えると、決して高くない必要経費と言えるでしょう。

4-3. 各業者と金額・内容を交渉し管理組合経由で最良の業者を選定する

各社の見積もり内容比較検討した後は、それぞれの業者と工事内容や金額に関する擦り合わせや交渉を行い、その中で最もニーズに合った最良の業者を「必ず管理組合経由で」選定しましょう

複数見積もりを取っても、管理会社に見積もり内容の精査や各業者との交渉を任せてしまうと、適切な交渉がなされず結局管理会社が提携している先の業者を推してくるといった場合も少なくないことや、管理会社経由で取った見積もり内容が適正かどうかの判断材料を得るという意味でも、管理組合経由で業者を選定しておく必要があるのです。

そのため、手間はかかりますが見積もりの精査や各業者との交渉においても管理会社任せにはせず、必ず管理組合経由で納得した最良の業者選定をしておくことが重要です。

4-4. 管理会社経由の業者とも金額・内容を交渉し最終的な最良業者を決定する

管理組合経由で最良の業者を選定した後は、管理会社経由で見積もりを取得した業者とも金額や施工内容に関する交渉を行い、その上で「管理組合経由の最良業者」と「管理会社経由の最良業者」を比較検討し、最終的な最良業者を選定しましょう。

管理会社は、利益追求のために不適切な大規模修繕の提案をしてくる場合もありますが、公平中立の立場から適切な施工会社の選定を行なっている場合には、管理会社という専門家による業者選びを通じて修繕を行うことが出来るというメリットがあるため、管理組合経由で選定した施工業者と管理会社経由で選定した業者とを比較する必要があるのです。

条件を合わせて両者を比較する際に、再度業者と交渉が必要となる場合もありますが、その時に適切な判断や決断が出来ないという場合には再度外部の第三者専門家に相談することも有効でしょう。

このように、マンション修繕における最重要項目である業者選定においては多くの注意点がありますが、上記の4ステップを踏みしっかりとポイントを押さえることで、最良の業者に出会える可能性が飛躍的に向上するでしょう。

5. まとめ

いかがでしたでしょうか?

マンションの機械式駐車場修繕は、居住者の便利で快適な生活を守るということだけでなく利用者の安全性確保や大切な資産である車を保護することにも繋がり、結果としてマンションの資産価値を維持・向上させるために欠くことの出来ないものとなっていますが、修繕に関する各種判断や信頼出来る業者選びは専門知識や経験がなければ非常に難しい問題となります。

しかし、本ページでご紹介したように、注意点を押さえて的確な状況判断や最良の業者選定を行うことで、機械式駐車場の故障や誤作動から人や車を守ることができ、マンション自体の資産価値の低下も防止することが出来ます。

そのためにも、管理組合員や理事の人はまず『town life リフォーム』や『ホームプロ』といった一括見積もりサイトを利用して、複数の見積もりを収集し、その上で外部の第三者専門家のコンサルティングを受けることをおすすめします。

弊社では、一級建築士・不動産鑑定士をはじめとする多数の大規模修繕に関する専門家とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、第三者専門家への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

機械式駐車場の修繕までにまだ時間の猶予があるという場合には、両サイトで取得した見積もりの比較を行う等して相場感を掴み、サイト内で紹介されている実例等から将来的な機械式駐車場の修繕及び大規模修繕全般に関する知識や予算に関する教養を身につけておくのもおすすめです。

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