マンションの配管修繕の必要性や注意点とは?基礎知識から賢い業者選定まで全解説

マンションは配管修繕が必要と聞くけど、その必要性や具体的な内容が分からないと思っていませんか?

配管修繕は大規模修繕工事の一種であり、建物同様に定期的なメンテナンスや適切な修繕を行わなければ水漏れによる建物の劣化や設備関係の不具合等の二次被害を引き起こす可能性があるためマンション運営においては必ず必要な工事です。

また、配管修繕工事に当たっては、適切な修繕計画立案や施工業者選定を行わないと、無駄な工事や費用対効果の悪い工事を行ってしまい、場合によっては数百万円〜数千万円単位で損をしてしまいかねないため注意が必要です。

そのため、適切な配管修繕の方法や注意点をしっかりと押さえた上で、費用対効果の高い修繕を実施し、マンション自体の資産価値の維持・向上を図ることが大切です

このページでは、マンションの配管修繕についての専門知識がない人でも基礎知識から賢い業者選定についてまで詳しく理解出来るように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、マンションの配管修繕についての詳細な理解が得られ、適切な配管修繕工事を行うことが出来るようになるでしょう。

1. マンションの「配管修繕」の3つの基礎知識

マンションの管理・運営において欠かせない大規模修繕とは、マンションの建物としての資産価値を維持することを目的として行う定期的な修繕を言い、躯体・設備・仕上げ部分等のマンションの各部位に関して、それぞれ居住の快適性や利便性の回復・向上、建物の環境や美観の回復、バリアフリー化というように様々な目的で行われ、管理組合主導で長期修繕計画に基づいて進めていくものを言います。

そして、大規模修繕の一種で居住者が快適で安全な生活を送るために必要なのが、各種配管の修繕です。

この章では、大規模修繕の対象となる配管の種類や、修繕や交換の内容等について網羅的に分かりやすく解説していきたいと思います。

1-1. 修繕対象となる配管は大きく分けて3種類ある

修繕対象となる配管は大きく分けて3種類

  • 給水管(給湯管含む)
  • 排水管
  • ガス管

修繕対象となる「配管」は上記の3種類あり、それぞれマンションの建築時期に応じて配管の材質等が異なるため、配管の種類毎に修繕内容や費用が大きく違って来ます。

従って、自身のマンションの配管の種類や状況に注意して、長期修繕計画を立てることが大切です。

1. 給水管(給湯管含む)

マンションの給水管や給湯管は、最近の物件であれば共用部分は塩ビ管で専有部分は「さや管」と言われる樹脂製の錆びない配管が主流となってきていますが、目安として 2000年以前に建築されたマンションだと給水管は鋼管、給湯管は銅管がよく使われており、これら金属製の配管は錆びによる赤水被害やピンホールからの漏水が発生することが多いものです。

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/937363?title=配管工事

上記の写真のグレーの配管が塩ビ管、青が給水管、赤が給湯管で、青と赤の配管を「さや管」と言い、一番の特徴は「取り付け・取り外しが自由」なためにメンテナンスが簡単で、「錆びない」ため赤水等の被害が解消されるという優れものです。

また、従来給湯管として使われていた銅管は、鋼管や樹脂管に比べて熱に強いために重宝されましたが、鋼管同様に針の穴のようなピンホールから漏水が発生することや加工の手間により今では少なくなっていますが、使用されている場合には漏水等のチェックを定期的に行う必要があります。

給水管は、錆びによる穴の補修だけでなく内側を樹脂で加工し延命させる修繕方法もあるため、交換までの周期を伸ばす目的でこれを活用するのも良いでしょう。

このように、建築時期に応じて配管の材質が違うため、メンテナンスの注意点や時期・費用が異なるので、まずは配管の種類と状況を把握することから始め、配管の種類を考慮した適切な修繕計画を立てることが必要です。

2. 排水管

排水管は、基本的には給水管と同様に近年は塩ビ管が主流で、古い物件ではやはり鋼管が使われています。

塩ビ管も銅管も、汚れやゴミによる詰まりが発生することがあるため、流れにくい等症状が出た場合にはまず高圧洗浄を行う等の措置を行うと良いでしょう。

また、給水管同様に錆びによる穴の補修だけでなく、内側を樹脂で加工する延命措置もありますが、配管の肉厚によっては施工出来ない場合があることに注意が必要です。

費用に関しても、樹脂加工は交換より割安ではあるものの大きくは変わらないため、考え方によっては交換してしまった方が良い場合もあることを認識しておきましょう。

3. ガス管

ガス管でまず修繕対象として注意が必要なのが、現在は使用禁止となった「白ガス管」です。

白ガス管とは鋼管に亜鉛メッキをした旧式のガス管で、1996年に使用が禁止されるまでは特に屋外の埋設用の配管として主流でしたが、この白ガス管は土中に埋設すると次第に亜鉛メッキが溶け出し、15年〜20年程度で鋼管の腐食によるガス漏れを起こす危険性があります。

事実、1994年に東京都で白ガス管のガス漏れによる爆発・死傷事故が相次いだことから、ガス事業法の「技術基準」が改正され、1996年から埋設部への新規使用が禁止されています。

1996年の使用禁止以前に埋設施工された白ガス管は、約20年で取り替えが推奨されているため、該当するマンションの方は要注意です。

出典:http://www.q-san.co.jp/noogatagas/toshigas

白ガス管は場所に合わせて、ポリエチレン管、ポリエチレン皮膜管、塩ビ皮膜管等の丈夫で長持ちする配管に早急に交換することが必要です。

一方、PS(パイプスペース)内や住戸内のガス管は、交換周期が約30年〜40年と長く、また修繕においても小さな規模を行うよりもかえって専有部分を全面交換した方が手間がかからず割安な場合があるため、専門業者によく確認して修繕か交換かを判断すると良いでしょう。

1-2. 配管毎に修繕や交換の目安時期が異なる

配管毎の交換周期の目安

1. 給排水管

  • 給排水管は約30年で交換(途中延命加工した場合約40年で交換)
  • 給排水管の継手等の接合部は約30年で交換
  • 水道メーター周辺設備は約15年で交換

2. ガス管

  • 屋内ガス管は約30〜40年で交換
  • 屋外ガス管(白ガス管)約15年〜20年で交換

  (白ガス管は現在新規使用が禁止されている)

  • ガス管の継手等の接合部は約20年で交換
  • ガスメーター周辺設備は約7〜10年で交換

※各配管の延命工事を行なっていれば交換時期が伸長するものもある

上記のように、配管毎に交換の周期が異なり、それぞれ交換前に行う修繕の内容も用途に応じて異なってきます。

前述の通り、給排水管は内側の樹脂加工や高圧洗浄を行うことで延命化させることが出来ますが、樹脂加工は費用も高額となるため使い所をよく考えて使うことに注意が必要です。

また、配管自体の修繕やメンテナンスだけでなく、水道・ガスメーター周りの設備の交換や修繕も必要になることを把握しておきましょう

ただし、これらの修繕や交換の内容を理解しても、実際に修繕を行うべき状況なのか等の判断が必要となるため、できれば管理会社以外の中立な外部の専門家に一度相談し、適切な配管修繕に関するコンサルティングを受けることをおすすめします。

1-3. 配管修繕の目安となる「不具合の兆候」がある

こんな症状が出たら修繕が必要

1. 給排水管

  • 赤水・青水が出る
  • 高圧洗浄後に漏水した
  • 水の出が悪い
  • 排水時にゴポゴポ音がする等

2. ガス管

  • ガス臭がする
  • 最新の給湯器機の調子が悪い等

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1629386?title=汚れた下水管1

この写真は錆びた給水管の写真ですが、マンションの配管修繕を行う際には、事前に上記のような症状や写真のような状況になっていないかなどを劣化診断等を利用して確認すると良いでしょう。

修繕が必要な配管にはこういった不具合特有の症状が出ますが、症状が出た場合には既に漏水やガス漏れ等が起こっていることが多いため、早急な対応が必要です。

給排水管の不具合は比較的分かりやすく、ガス管の不具合は分かりにくいものですが、最近では給湯器機(ガス機器)の性能が向上しており、築年数が古くガス管の口径が小さい場合には最新の給湯機器の性能を十分に引き出せないこともあるため、定期メンテナンス時にガス管の口径のチェックを一緒に依頼すると良いかもしれません。

このような不具合が起きる前に適切なメンテナンスを行うためにも、築後15年近くなって来たら一度配管の劣化診断を行って、配管の実際の状況を確認することをおすすめします。

これらの配管は、居住者の日常生活に欠かせないインフラであるため、専門業者による劣化診断はマンションを運営していく中で定期的に必要となることを認識しておきましょう。

2. マンションの配管修繕の2つの必要性と3つのメリット

マンションの給排水管やガス管といった各種の配管は、マンション居住者の日常生活を支える重要な設備であり、メンテナンスや修繕を怠ると日常生活に支障が出るだけでなく、漏水による建物の劣化や設備の故障、ガス漏れによる爆発の危険性等、各種配管の修繕の必要性は非常に大きいものと言えます。

2-1. マンションの配管修繕の2つの必要性

マンションの配管修繕の2つの必要性

  1. 各種配管の「性能の維持・回復」のため
  2. 居住者の「生活や安全確保」のため

マンションの配管修繕の必要性に関する上記の2つの理由について、以下でそれぞれ解説していきたいと思います。

1. 各種配管の「性能の維持・回復」のため

各種配管修繕の必要性としてまず挙げられるのが、新築時の性能の維持・回復です。

マンションの各種配管は経年と共に劣化していくものであり、放っておくと、例えば赤水・青水の発生やガス漏れ等の不具合を生じるため、新築時の性能や安全性を維持・回復させて豊かな暮らしを持続させるために修繕やメンテナンスが必要になります。

ただし、各種配管は時代の流れとともに材質や性能が変わっていくため、単純な配管修繕や交換であっても従来のものを入れ直すのではなく、予算を考慮しつつ「改良」を意識してくことが大切です。

2. 居住者の「生活や安全確保」のため

給排水管やガス管は、日常生活を送る上で欠かせないインフラであり、適宜修繕やメンテナンスを行っていなければ錆びによる健康被害や漏水、ガス漏れ等が発生し、場合によっては断水が起きたり火災の発生といった事態も引き起こしかねません。

このように、各種の配管は日常生活に欠くことの出来ないものであると同時に、問題が発生した際に事故に発展する場合もあるため、水道業者やガス業者が定期点検を行いインフラの確保を行っているように、配管自体のメンテナンスや修繕を行うことで居住者の生活や安全性が確保出来るのです。

2-2. マンションの配管修繕の3つのメリット

マンションの配管修繕の3つのメリット

  1. 結果的に修繕費用が抑えられる
  2. 二次被害を防止出来る
  3. 売却時に高く売れるようになる

マンションの各種配管の修繕を行うことによるメリットは様々ありますが、大きく3つのメリットに分けることが出来ます。

以下では、それぞれのメリットについて解説していきたいと思います。

1. 結果的に修繕費用が抑えられる

建物や住宅設備は、メンテナンスを行わずにいると一度に多額の費用が発生してしまう等、定期的なメンテナンスは建物や設備の長命化にとって非常に重要な要素となっています。

車にも車検があるように、マンションに関する各種配管も定期的な保守点検や修繕を行っておくことで、本来補修で済むはずが給排水管の全面交換になるといった事態を回避出来るだけでなく、その他の修繕に費用が回らないといった事態を回避することも出来るようになります。

このように、配管に限らず建物や設備は長命化を意識して適切な保守点検を行うことで更新周期が伸びる等、結果的に修繕費用を大幅に軽減出来るというメリットがあります。

配管の修繕等の大規模修繕は修繕積立金を使うものであり、いかに効率良く適切な修繕を行うかが重要となるため、管理会社だけでなく、場合によっては各種専門業者やマンション修繕に関するコンサルティング会社等の専門家を上手に活用して、適切な修繕を行うことが必要です。

2. 二次被害を防止出来る

マンション内で漏水が起きた場合、下階の専有部分が水浸しになったり、マンション全体に関わる電気設備関係が故障してしまったりという二次被害が起きることがあります。

また、ガス漏れが起きた場合には爆発の恐れや健康被害が起きる等、仮に専有部分の1室で起きた問題でも、マンション全体に関わる問題となることがありますが、各種配管のメンテナンスや適切な修繕工事を行うことによって、これらの二次被害を防止することが出来るというメリットがあります。

マンションの配管は、専有部分だけでなく共用部分や敷地内の地中等あらゆる箇所に存在するため、一部の故障が大きな影響を及ぼすことを理解して、適切なメンテナンスを心掛けましょう。

3. 売却時に高く売れるようになる

定期的なメンテナンスや適切な修繕を行っている場合、売却時に改めて大掛かりな修繕を行う必要が無いため、修繕が必要な物件に比べて高く売れる可能性が大きくなります

一般的に、マンションの売買を行う際には建物や設備の修繕の必要性を考慮して売却価格が査定されるため、修繕の要否やその程度に応じて売却価格が下がってしまうか、又は事前に修繕を行ってからでないと売却出来ない等、配管修繕等の大規模修繕を行っておかなければスムーズに高い価格で売却出来る可能性が低くなってしまいます。

また、売却時に修繕を行う場合には急ぐあまりに不適切な業者選定をしてしまったり、見積もりや工事内容の精査をしないまま費用対効果の悪い工事をしてしまう等デメリットが大きいため、あらかじめ将来を見越して適切な修繕工事を行なっておくことが大切です。

3. マンションの配管修繕のための管理組合の役割とは?

配管修繕は、マンションの「大規模修繕」の一部として行うものであるため、配管修繕における管理組合の役割を学ぶに当たっては、配管修繕を含む「大規模修繕」についてを学ぶ必要があります。

従って、この章では「大規模修繕」に関する管理組合の役割を紹介していきます。

マンションの大規模修繕のための管理組合の役割

  1. 総会等の開催
  2. 大規模修繕に関する専門委員会の発足
  3. 長期修繕計画の作成又は変更
  4. 修繕積立金の運用等の会計処理
  5. 修繕等の履歴情報の管理
  6. 専有部分及び共用部分等の変更

→快適で良好な住環境作り及び資産価値の維持・向上が目的

マンションは、区分所有に関する法律により管理組合の設立が義務付けられ、区分所有者は必ずマンションの管理組合に入ることになり、区分所有者である限り管理組合を抜けることは出来ないものです。

管理組合の役割は、マンションの住環境や資産価値向上のための管理規約の作成や、大規模修繕のための長期修繕計画の策定等を行うことですが、組合員にマンション管理に関する知識やノウハウが無いことが多いために、上記の図のように一括管理として管理会社に委託している場合がほとんどです。

しかし、管理会社への委託により建物や設備の保守点検や清掃等の手間は削減される一方で、管理会社は、自社で大規模修繕を行っていたり、グループ会社や提携先が大規模修繕を行っているケースも多く、公平中立な立場からの大規模修繕の提案ではなく、利益目的での無駄な修繕の提案も少なくないために適切な修繕が行われず、逆に大きな損失が発生してしまうことが多いのが実態です。

このような事態を回避するために、管理組合が主導となって長期修繕計画を策定し適切な業者選定を行い、修繕履歴等の管理を行って次期修繕工事に備えるといった活動が必要なのです。

とはいえ、適切なマンション運営や大規模修繕に関しては、専門的な知識や経験を必要とするものであるため、組合員にマンション管理士等の有識者がいない場合には、状況に応じて外部のコンサルタントに修繕計画や内容について相談することも検討すべきでしょう。

4. マンションの配管修繕で絶対に外してはいけない6つの注意点

マンションの配管修繕で絶対に外してはいけない6つの注意点

  1. 修繕計画の妥当性を見直す
  2. 修繕積立金が不足していないか確認する
  3. 管理会社任せにしてはいけない
  4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない
  5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する
  6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

マンションの配管修繕を行う際には、長期修繕計画の策定から実際の修繕内容や見積もりに至るまで、上記のような「絶対に外してはいけない押さえるべきポイント」があります

これらのポイントの内容を理解した上で、管理会社任せにせずに効率的かつ効果的な配管修繕を行いましょう。

4-1. 修繕計画の妥当性を見直す

配管修繕及びその他大規模修繕においては、長期修繕計画の策定が不可欠となりますが、長期修繕計画は修繕積立金の算定基準にもなり、大規模修繕を実施するために、無理のない修繕費用の積立計画を立てることも非常に重要となります。

また、マンション分譲時にデベロッパーが長期修繕計画を策定しますが、その際の修繕積立金の金額には将来的な大規模修繕の内容が適切に反映されていなかったり、早期分譲のために金額を敢えて低めに設定してるといった場合が多いため、デベロッパーが作成した長期修繕計画を鵜呑みにせず必ずその妥当性の確認を行うことにも注意しましょう。

近年は、建物の各種部材や設備の長命化及び施工技術の発達により、修繕費用や修繕周期が日々変わってくるため、3年~5年程度で長期修繕計画の見直しを行うと良いでしょう。

また、大規模修繕を行った後には予定していた工事の実現度合い等を考慮して、適宜長期修繕計画書の修正を行うことが大切です。

4-2. 修繕積立金が不足していないか確認する

長期修繕計画の内容の精査同様に、予定している修繕工事が実施出来る程度に修繕積立金が積み立てられているかの確認を行うことが必要です。

修繕積立金が不足している場合、予定している修繕工事が先送りになってしまったり、災害等で大規模修繕が急遽必要な場合に対応出来ず、やむなく一時金として各世帯何十万円も回収しなければいけなくなるといった事態が発生しかねません。

従って、常に将来の修繕計画内容と現在の修繕積立金の額を照らし合わせ、将来的に不足が生じることが予測される場合には、事前にその旨をマンション居住者に通達し、修繕積立金の値上げを行なう等の対策を行うようにしましょう

4-3. 管理会社任せにしてはいけない

前述の通り、マンションの管理・運営は専門知識や経験を必要とするだけでなく、大きな手間や時間を要するものであることから、管理会社に一括して業務委託がなされる場合がほとんどです。

しかしながら、配管修繕等の大規模修繕に関する管理会社の対応は必ずしも適切ではなく、自社や関連会社の利益追求のために不必要な修繕が行われたり、費用対効果の悪い修繕が行われる等、見積もりや修繕内容に関する精査が行われず、無駄な工事や大きな損失が発生していることが非常に多いのが業界の実態です。

従って、配管修繕等の大規模修繕に関しては、必ず管理組合主導で長期修繕計画の策定及び修繕積立金の管理を行うだけでなく、後述のように複数の見積もりを取ってその内容を精査し最良の業者を選定するといった活動が必要になります。

その際にも、内容の精査や各種の判断に関して専門知識が必要になるため、判断等に自信が無いという場合には、外部のコンサルタントに相談することも非常に有効です。

相談料として、数十万円単位で費用がかかってしまう場合もありますが、不適切な配管修繕で数百万〜数千万円単位で大損をすることが多い昨今の業界の実態を考えると、安心して修繕が出来るのであれば決して高い費用とは言えないでしょう。

4-4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない

配管修繕に関する見積もりを取る際には、管理会社任せにせず必ず管理組合でも自主的に見積もりを取るようにしましょう

前述のように管理会社自身や関連会社が建設部門や建設会社を抱えている場合、利益追求のために不適切な工事内容や金額となっている場合があり、仮に公平中立な立場から適切な見積もりを取っていたとしても管理会社が取った見積もりだけでは、内容や金額に関する比較対象が無いため、その妥当性が確認出来ません

また、工事方法に関しても、管理会社を通じて設計監理と工事を一括で発注する「設計・施工方式」と、設計監理と工事を別業者で実施する「設計・監理方式」がありますが、金額の適正さや工事体制のチェック等が出来ることから「設計・監理方式」の方が望ましいことも認識しておきましょう。

このように、見積もりは当然のこと、工事会社の選定等においても管理会社に全て任せるのではなく、管理組合が自主的にチェックをすることを常に心掛ける必要があります。

4-5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する

複数の業者に修繕工事の見積もりを依頼した場合、提案内容がバラバラで結局見積もり内容の比較が出来ないという場合がありますが、このような場合には無駄な修繕項目が含まれていることがあるため要注意です。

各業者の修繕内容の妥当性を判断し、合理的な見積もり比較を行うためにも事前に修繕内容をしっかりと把握して見積もりの精査をすることが大切です。

そうすることで、無駄な修繕が省かれた必要箇所だけの見積もりができ、費用や時間を無駄にすることなく効果の高い配管修繕が実現します。

4-6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

前述の通り、配管修繕においては各種の注意点やポイントを押さえることが重要ですが、素人のみで構成されている管理組合の場合には、実際の長期修繕計画の策定や、そもそもの建物の各部の配管修繕の必要性の判断、見積もり内容の具体的精査、管理会社との交渉等、様々な局面での判断は非常に難しい問題となります。

見積もりを例にとると、大きなマンションであれば10%見積もりが変わるだけで数千万〜億単位で金額が異なることとなるため、細部まで見積もりの内容を精査する必要がありますが、実際にその内容の妥当性が判断出来なければ精査する意味はありません。

従って、管理組合員に有識者がいない場合には外部コンサルタントに相談して、各種判断や運営・進行のアドバイスやフォローを受けることをおすすめします。

ここで多少の相談料がかかったとしても、上記の通り各種判断が出来ずに大損してしまうというリスクを大幅に軽減出来るのであれば、配管修繕を含む大規模修繕に関するコンサルタントに相談するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

5. マンションの配管修繕にかかる費用と時間の相場とは?

ここまで、マンションの配管修繕の概要やメリット及び注意点等を紹介してきましたが、実際に配管修繕にどれだけの費用や時間がかかるかの目安を掴んでおくことで、具体的な修繕計画や費用の見通しが立てられるため、以下の内容を読んで、おおよその費用や時間の相場感を把握しておきましょう。

5-1. 配管修繕にかかる費用の目安

配管修繕にかかる費用の目安

▪️高層10階建・60戸のマンションの1〜30年目までの配管修繕の想定費用

  • 給水設備工事(配管・機器類更新):32万円/戸
  • 排水設備工事(配管関係更新):47万円/戸
  • ガス設備(配管更新):11万円/戸

配管関係の修繕工事費合計90万円/戸  [全世帯(60戸)で合計5400万円]

(※マンションの規模や配管の材質等により上記費用は変動します)

上記の表は、「一般社団法人 マンションリフォーム技術協会」によるマンションの配管修繕にかかる費用のモデルケースです。

これは、10階建で60戸のマンションのモデルケースであり、配管が亜鉛メッキ鋼管等の金属系か近年多く使われている樹脂系の材質か等でも費用は大きく異なりますが、上記のシミュレーションでは30年間で約5400万円という大きな費用がかかることが分かります

そのため、配管修繕を含む大規模修繕に関しては長期修繕計画の策定の段階から、慎重かつ賢明な判断が必要となり、これだけの大金を任される管理組合には多大な責任が伴います。

だからこそ、管理会社へ任せきりにはせずに大規模修繕の計画の立案や実際の見積もりの精査等は、必ず管理組合主導で行うべきものと言えるのです。

5-2. 配管修繕にかかる時間の目安

配管修繕にかかる時間の目安

  1. 給排水管更新:戸当たり5〜7日
  2. ガス管更新:戸当たり3日前後

(※マンションの規模や、配管工事の内容によって大きく異なることに注意)

マンションの戸当たりの配管修繕に要する時間の目安はおおよそ上記の通りです。

共用部や敷地内外に繋がる配管の工事は、マンションの規模や配管の状況で大きく異なるため一概には言えませんが、戸当たりの工事に要する時間の一例として参考にしておくと良いでしょう。

また、場合によっては交換よりも修繕の方が余計に時間がかかることがある等、状況に応じて費用や時間は様々であるため、事前に専門業者に詳細な調査を依頼して全容を把握した上で、時間に余裕を持って修繕計画を練ることが大切です。

6. 損せず配管修繕を行うための賢い業者選定の4ステップ

マンションの配管修繕を成功させるためには、適切な内容及び金額で工事をしてくれる施工業者を選定することが妥協出来ない最重要項目と言えますが、最良の施工業者の選び方等にも専門知識が必要となるため、一般の人にとっては最良業者の選定も頭を悩ませる問題となります。

しかし、上記のような最良業者を選定するための方法に則り注意点をしっかり守れば、素人のみの管理組合であっても、最良の業者選定が出来るようになるため、この流れに沿って優良な業者選定をし、損無く費用対効果の高い修繕を行いましょう

6-1. 一括見積もりサイトで複数の業者の見積もりを取る

配管修繕を行うに当たっては、前述の「6つの注意点」でご紹介した通り管理会社経由の見積もりだけで判断することは絶対にやめましょう

管理会社経由の見積もりだけでは、比較対象が無いというだけでなく、利益追求のために保証期間中であるにも関わらず修繕工事を行おうとする場合がある等、管理会社に丸投げしてしまうと大損をしてしまうことがあるため要注意です。

このような事態を回避し、適切な配管修繕を行うためには、まず一括見積もりサイト等を活用して複数の業者の見積もりを取る所から始めましょう

管理組合員で業者に詳しい人がいる場合には、直接業者にアプローチすることも考えられますが、複数の業者見積もりを取るには多くの手間や時間がかかるものであるため、同時に複数業者の見積もりが瞬時に取れる一括見積もりサイトが非常に便利です。

おすすめ一括見積もりサイト1:「ホームプロ

ホームプロ』は、リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本が出資している10年連続で利用者数No.1のリフォームサイトで、この通り出資会社が有名な大手企業であるため、とりあえず大手の方が安心して依頼出来るという方におすすめのサイトと言えるでしょう。

ホームプロは、依頼者のマンション所在地や依頼内容等に応じて最大8社のリフォーム会社を紹介してくれる大手サイトで、施主によるリフォーム会社の評判、クチコミも掲載されているため、利用者の生の声が聞ける点も心強いサイトです。

更にサイト上では、大規模修繕に関する部位別のおおよその金額例やリフォーム事例の紹介や、リフォームを成功させるためのノウハウに関する記事が掲載されているため、エレベーター修繕に限らず実例を見たりノウハウを学んで大規模修繕のイメージを掴みたいという場合にも活用出来ます

おすすめ一括見積もりサイト2:「town life リフォーム

town life リフォーム』は、インターネットサイトにおけるリフォーム部門の「利用満足度」・「使いやすさ」・「サイト利用者安心度」でランキング1位を獲得している人気サイトです。(※株式会社リンクアンドパートナーズ調べ)

このサイトでは、独自の一定評価基準をクリアした全国300社以上の業者が登録されており、タウンライフリフォーム上で各リフォーム会社の詳細・事例・商品を見ることができ、各リフォーム会社からの見積もり・提案を比べることが出来るため、各会社の強みの理解、依頼者のニーズに合った会社の発見に繋がり、納得してリフォームを進めることが出来ます。

住友不動産、住友林業のリフォーム、ミサワリフォーム等といった大手建設会社のリフォーム部門も多く登録されている等、登録基準をクリアした業者のみが登録されており、工事保証等もあるため安心して利用出来るおすすめサイトです。

6-2. 複数の見積もりを比較する(できれば外部の第三者専門家に相談する)

town life リフォーム』や『ホームプロ』を活用して複数の見積もりを取った後は、それらの見積もりの内容や金額を比較し、内容に無駄がないかや見積もりの単価等から金額差を把握して、適切な内容でなるべく安い業者はどれかや、保証の有無やその内容等を詳細に確認しましょう

例えば、同じ工事の依頼でも足場費用や配置する警備員の数の相違、使用部材のグレード等によって金額は大きく異なるものであるため、業者毎の提案内容のコンセプトの違いを的確に把握することが大切です。

しかしながら、各業者の提案内容が異なるために正しい判断が出来なかったり、見積もりや保証内容の検討についても専門知識が必要なために結局判断がつかないという事態に陥ることが多いため、できればマンションの修繕全般に関するコンサルタント等の外部の第三者専門家に相談し、見積もり内容の比較の仕方や押さえるべきポイントに関するアドバイスを受けることをおすすめします。

また、第三者専門家に相談することで、公平中立の立場から依頼者に最適な配管修繕の内容の判断や見積もりの精査をしてくれるだけでなく、管理会社や施工業者との交渉の仕方や注意点に関してもアドバイスが貰え、更に業者選定で終わらず配管修繕の完了及び次期計画に至るまでの専門的コンサルティングを行なって貰えます

多少の相談料はかかりますが、不適切な配管修繕による数百万単位の損失を回避出来ることを考えると、決して高くない必要経費と言えるでしょう。

6-3. 各業者と金額・内容を交渉し管理組合経由で最良の業者を選定する

各社の見積もり内容比較検討した後は、それぞれの業者と工事内容や金額に関する擦り合わせや交渉を行い、その中で最もニーズに合った最良の業者を「必ず管理組合経由で」選定しましょう

複数見積もりを取っても、管理会社に見積もり内容の精査や各業者との交渉を任せてしまうと、適切な交渉がなされず結局管理会社が提携している先の業者を推してくるといった場合も少なくないことや、管理会社経由で取った見積もり内容が適正かどうかの判断材料を得るという意味でも、管理組合経由で業者を選定しておく必要があるのです。

そのため、手間はかかりますが見積もりの精査や各業者との交渉においても管理会社任せにはせず、必ず管理組合経由で納得した最良の業者選定をしておくことが重要です。

6-4. 管理会社経由の業者とも金額・内容を交渉し最終的な最良業者を決定する

管理組合経由で最良の業者を選定した後は、管理会社経由で見積もりを取得した業者とも金額や施工内容に関する交渉を行い、その上で「管理組合経由の最良業者」と「管理会社経由の最良業者」を比較検討し、最終的な最良業者を選定しましょう。

管理会社は、利益追求のために不適切な大規模修繕の提案をしてくる場合もありますが、公平中立の立場から適切な施工会社の選定を行なっている場合には、管理会社という専門家による業者選びを通じて修繕を行うことが出来るというメリットがあるため、管理組合経由で選定した施工業者と管理会社経由で選定した業者とを比較する必要があるのです。

条件を合わせて両者を比較する際に、再度業者と交渉が必要となる場合もありますが、その時に適切な判断や決断が出来ないという場合には再度外部の第三者専門家に相談することも有効でしょう。

このように、配管修繕における最重要項目である業者選定においては多くの注意点がありますが、上記の4ステップを踏みしっかりとポイントを押さえることで、最良の業者に出会える可能性が飛躍的に向上するでしょう。

7. まとめ

いかがでしたでしょうか?

マンションの各配管は、居住者の日々の生活を支えるインフラであり、定期的なメンテナンスや適切な修繕が行われなければ日常生活にも多大な支障をきたし、更にはマンション自体の資産価値の低下を招くものでもあるため的確な修繕が必要ですが、各種配管に関する状況判断や信頼出来る業者選び等は専門知識や経験がなければ非常に難しい問題となります。

しかし、本ページでご紹介したように、注意点を押さえて的確な状況判断や最良の業者選定を行うことで、居住者の日常生活の保護や配管の長命化を実現し、マンション自体の資産価値低下を防止することが出来ます。

そのためにも、管理組合員や理事の人はまず『town life リフォーム』や『ホームプロ』といった一括見積もりサイトを利用して、複数の見積もりを収集し、その上で外部の第三者専門家のコンサルティングを受けることをおすすめします。

弊社では、不動産鑑定士をはじめとする多数の大規模修繕に関する専門家とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、第三者専門家への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

配管修繕までにまだ時間の猶予があるという場合には、両サイトで取得した見積もりの比較を行う等して相場感を掴み、サイト内で紹介されている実例等から将来的な配管修繕及び大規模修繕全般に関する知識や予算に関する教養を身につけておくのもおすすめです。

<このページでご紹介したサービス>

  • town life リフォーム』:複数見積もりが取れる使いやすさNo.1の無料一括見積もりサイト
  • ホームプロ』:有名大手企業が出資する利用者数No.1の無料一括見積もりサイト

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