マンションの防水工事の必要性や注意点とは?基礎知識から賢い業者選定方法まで全解説

マンションは防水工事が必要と聞くけど、防水工事の必要箇所や具体的な注意点にはどのようなものがあるのか気になっていませんか?

マンションは、雨漏りによる建物の劣化や設備の不具合等を防ぐために大規模修繕の一環として防水工事が必要ですが、適切な修繕計画の策定や施工業者の選定をしなければ費用対効果の悪い工事となってしまい、場合によっては数百万円〜数千万円単位の大損をしかねません。

しかしながら、適切な防水工事の方法や注意点を押さえることで、費用対効果の高い防水工事を実施出来、マンション自体の資産価値を維持・向上させることも出来るようになります。

このページでは、マンションの防水工事についての専門知識がない人でも基礎知識から賢い業者選定についてまで詳しく理解出来るように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、マンションの防水工事についての詳細な理解が得られ、適切な防水工事を行うことが出来るようになるでしょう。

1. マンションの防水工事の3つの基礎知識

マンションの管理・運営において欠かせない大規模修繕とは、マンションの建物としての資産価値を維持することを目的として行う定期的な修繕を言い、躯体・設備・仕上げ部分等のマンションの各部位に関して、それぞれ居住の快適性や利便性の回復・向上、建物の環境や美観の回復、バリアフリー化というように様々な目的で行われ、管理組合主導で長期修繕計画に基づいて進めていくものを言います。

そして、大規模修繕の一種で雨や雪等から建物や設備を守るために必要なのが、マンションの防水工事です。

マンションの防水工事は、一般的に10年目〜15年目に行われることが多くなっていますが、耐用年数はあくまで目安として、実際の雨漏りポイントの劣化状況を踏まえて防水工事を行うことが大切です。

この章では、大規模修繕の対象となる防水工事の基礎知識を網羅的に分かりやすく解説していきたいと思います。

1-1. 防水工事が必要な7箇所の雨漏りポイントがある

雨漏りに注意すべき7箇所

  1. ドレン管(排水管)周り(屋上・バルコニー・外廊下)
  2. 防水シートや塗膜の劣化部分
  3. パラペットやバルコニーの傘木
  4. 屋上のパラペットの立ち上がりや繋ぎ目
  5. 外壁や屋根のクラック部分
  6. 外壁や屋根のシーリングの劣化部分
  7. 外廊下のモルタルや塩ビシートの劣化部分

マンションで、雨漏りが発生しやすく防水工事が必要となる部分は主に上記の7箇所あり、それぞれ防水工事の方法や注意点が異なるため、各所に適した工事を行う必要があります。

まずは、それぞれの雨漏りの理由等を把握し、自身のマンションの構造や実際の状況に注意して、適切な長期修繕計画を立てましょう。

1. ドレン管周り(屋上・バルコニー・外廊下)

出典:https://bousui-connect.com/content/leaky/leaky-roofdrain/

ドレン管は、陸屋根のマンションの屋上やバルコニー、外廊下等に取り付けられる排水口のことで、雨樋の役目も兼ねた、雨水の排水設備です。

ドレン管には、風に乗ってきた落ち葉や砂等が管内に侵入することを防ぐために、ストレーナー(ドレンキャップ)と呼ばれる格子状又は網状のカバーが取りつけられていますが、定期的な清掃を行わないと上記の写真のように葉っぱや砂等が詰まり、雨水が溜まってしまいます。

ドレン管は、ストレーナー部分が上記のように金属製のものが一般的であり、写真のように雨水が溜まってしまうことでストレーナーの錆びの進行が早まってしまい、ドレン管と建物内の配管を繋ぐ接合部分が腐食することで以下の写真のように雨漏りが発生してしまうことがあります。

出典:https://bousui-connect.com/content/leaky/leaky-roofdrain/

ここまで建物の腐食が進行した場合、ドレン管周辺の防水工事だけでは済まず構造躯体の腐食のチェックや補修工事、その他機械設備の被害状況の確認や修繕の発生等、甚大な被害が発生してしまうことになります。

このようなドレン管周りの雨漏りを回避するためにも、ストレーナーに溜まったゴミの定期的な清掃及びドレン管周りの防水シートの劣化状況等を適宜確認し、ドレン管がしっかりと排水機能を果たせるようにドレン管の各接合部分や防水シートの補修をすることが大切です。

2. 防水シートや塗膜の劣化部分

出典:https://www.paint-tom.com/blog/blog-paint/blog-16815/

防水シートやウレタン塗膜による防水加工を行なっている場合、上記の写真のようにシートや塗膜が劣化して内部に雨水が侵入するという事態が発生します。

防水シートや塗膜等は、防水機能を持つ「防水層」と言い、この防水層の上に紫外線や雨風による損傷を防ぐためにトップコートという塗装を行いますが、トップコート塗装が経年劣化して剥がれていくと、防水層が紫外線や雨風の影響を直に受けてしまうため、劣化の進行が早まってしまいます。

そして、劣化した防水層は本来の防水機能を失い、気付かないうちに雨漏りを発生させて建物自体の劣化を急速に早めてしまいます。

そのため、上記のような防水層の劣化を防ぎ雨漏りを防止するためにも、まずトップコートの色あせ等が無いかを定期的に確認し、防水層が損傷を受けないようにメンテナンスを行うことが大切です。

出典:https://reitice-reform.com/blog/20170603-450/

また、防水シートや塗膜の修繕の目安として、上記の写真のようにシート等が浮き上がったり、大きく膨れる場合がありますが、このような場合には早急に専門業者による防水工事を行うべきでしょう。

このような、修繕の兆候を見逃さないためにも、理事会や修繕の専門委員会のメンバーは特に注意して定期的な巡回を行う等の活動が必要となります。

出典:https://www.hutecc.jp/works/building/k_tyopanel.html

屋上に写真のような太陽光パネルを設置している場合にも、パネルの架台部分から防水シートや塗膜が劣化して亀裂が入る可能性が高いため、前述同様に注意が必要となります。

3. パラペットやバルコニーの傘木の劣化

出典:http://www.amagasaki-yane-ubk.com/blog/page/52/

パラペットとは、屋上の縁の立ち上がり部分(手摺壁)を言い、その頂部には写真の鉄部のような「傘木」が設けられています。

傘木は、バルコニーの手摺壁の頂部にも取り付けられるものですが、金属製やセメント製のものがあり、建物の内部を雨水等から守るために取り付けられています。

しかしながら、傘木を取り付ける釘部分や傘木自体の劣化によって、建物内部に雨水が侵入して建物の躯体が腐食してしまうことがあります。

そのため、防水シート等の補修だけでなく、傘木の定期的な修繕を行なって雨漏りによる建物の腐食を防止するための工事が必要となります。

4. 屋上のパラペット立ち上がりや繋ぎ目

出典:https://amaidekopon.blog.fc2.com/blog-category-9.html

屋上やマンションエントランスの屋根部分には、上記の写真のようなパラペット部分がありますが、写真のようにパラペットの立ち上がり部分にクラックが入ったり、パラペットと陸屋根の繋ぎ目部分の防水シート等が剥がれて雨漏りが発生することがあります。

前述の傘木同様に、パラペット周りからの雨漏りは非常に多くなっているため、屋根の防水機能の点検時には同時にパラペット周りの点検も行うようにしましょう

また、パラペットの仕上げは上記の写真のように吹き付け塗装の場合だけでなく、マンション毎に仕上げの方法も異なるため、仕上げ方法に適した修繕や防水処理を行いましょう。

5. 外壁や屋根のクラック部分

出典:https://www.gaiheki-ranger.com/crack/

屋根のコンクリート材や、外壁材等に上記の写真のようにクラック(亀裂)が入っていたり、一部が破損している場合には、そこから雨漏りが発生している可能性が高いため、早急な防水工事が必要となります。

コンクリートの経年劣化によるクラックだけでなく、地震等の自然災害によるクラックや一部破損等も多いため、強い地震の後等には建物各所の巡回等を行うと良いでしょう。

また、屋根のクラック部分やシーリングの劣化部分には以下の写真のように雑草や藻の繁殖が見受けられることがありますが、このような場合には植物の根が防水層を突き破って建物の防水機能が低下させ、雨漏りが発生している可能性があるため注意が必要です。

出典:http://cs-work.jp

むやみに雑草を引き抜くと、防水層の損傷を広げてしまうことがあるため、まずは防水工事の専門業者に相談すると良いでしょう。

6. 外壁や屋根のシーリングの劣化部分

出典:https://www.meiwa-renewal.jp

前述の通り、外壁材や屋根自体のクラックはもちろんのことですが、それらの繋ぎ目であるシーリング部分の防水工事も重点ポイントとなります。

シーリング材は、シリコーン・変成シリコーン・ポリウレタン・アクリル等の樹脂を主成分とするものですが、経年劣化だけでなく紫外線や雨水等による劣化の進行もあるため、外壁材や屋根の防水シート等と同様に定期的なメンテナンスが必要です。

上記の写真では、塗膜層(防水層)が浮き上がりそれに伴ってシーリング部分も亀裂が入った状態で、これを放置すると建物内部に雨水が侵入して甚大な被害をもたらすことになるため、屋上や外壁を含む建物全体のシーリングのメンテナンスも忘れずに行いましょう。

7. 外廊下のモルタルや塩ビシートの劣化部分

出典:http://misataka2012.justhpbs.jp

マンションの共用廊下で外廊下タイプの場合には、廊下の床材のモルタルや塩ビシートの劣化にも注意する必要があります。

外廊下(開放廊下)の場合、廊下部分にも雨水が入り込んでくるため上記の写真のような床材の劣化は直接雨漏りの原因となってしまいます。

また、廊下にも雨水の排水のために屋上同様にドレン管が設置されていますが、前述の屋上のドレン管と同じく、詰りによるドレン管周辺の腐食の進行を抑制するためにも定期的な清掃が必要となります。

後述しますが、廊下部分は居住者が通路として使用することから、頻繁な防水工事や長期間の防水工事が困難なため、定期的な保守点検及び被害が大きくなる前の防水工事を心掛けることが大切です。

1-2. 防水工事には代表的な4つの防水材料がある

代表的な4つの防水材料

  1. アスファルト防水
  2. ウレタン防水
  3. シート防水(塩ビシート・ゴムシート)
  4. FRP防水

※共用廊下の防水工事は塩ビ防滑シートが多い

マンションの屋上・バルコニー・廊下等の防水工事に使用される材料には、上記の代表的な4種類があり、それぞれ特徴があるため自身のマンションの状況に適した防水材料及び工法による防水工事を行うことが大切です。

本章で、それぞれのメリット・デメリットを把握して、適切な防水工事を行いましょう。

1. アスファルト防水

出典:https://amamori-bousui.com

アスファルト防水とは、古くから採用されている信頼性の高い防水材料で、液状の溶解アスファルトと、防水性の高いアスファルトシートを積層し、厚みのある防水層を作り防水機能を高めたものです。

アスファルト防水は、水密性・耐久性共に高く、施工の不具合が出にくいと言われており、施工方法としては熱工法・トーチ工法・常温工法(冷工法)等の種類があります。

仕上げでは、防水層の上をコンクリートで保護するコンクリート仕上げと、砂の付いたシートで仕上げる露出仕上げ等があるため、用途に応じてこれらをを使い分けることで屋上緑化を施したりと、多彩な仕上げが可能となっています。

ただし、熱工法はアスファルト溶融時に臭いと煙が発生するというデメリットがある一方、臭い等が少ないトーチ工法は精度の高い技術が必要となるため施工不良が発生する可能性が高い等、工法によってメリット・デメリットが異なるため、修繕計画の予算も含めて専門業者と綿密な打ち合わせを行い、防水工事を行うと良いでしょう。

2. ウレタン防水

出典:https://anabuki-m.jp/information/construction/21403/

ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を下地に塗り込み、塗布した材料が化学反応して固まることにより、弾力性のあるゴム状の防水膜を形成する防水材です。

写真のように、液状の樹脂を現場で塗る工法であるため繋ぎ目が無い完全な防水膜を形成することが出来るというメリットやコストが安いというメリットがあります。

また、シート防水やFRP防水等他の防水材料との組み合わせ可能なため、防水性能の強化や地域の気候に適した防水処理を行うことが出来る等、様々なバリエーションがあるのが特徴です。

デメリットとしては、ウレタンは紫外線に弱く定期的なトップコートの塗り替えが必要なために手間がかかることや、乾燥に日数を要するため共用廊下の防水処理としてはあまり適さないことが挙げられます。

更に、改修時に廃材が出ないためコスト面だけでなく環境面でも有利な防水材料と言えるでしょう。

速乾性のものもありますが、やはり乾燥には日数がかかるものであるため、工期等も含めて施工箇所を十分検討する必要があります。

3. シート防水(塩ビシート・ゴムシート)

出典:https://respec-office.com/works-rubber/

シート防水とは、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを接着剤等で下地に貼り付ける塩ビシート防水と、シート状に成形した合成ゴム系の防水シートを、接着剤などで下地に貼り付けるゴムシート防水とがあります。

塩ビシート防水は、シートを接着剤で貼るだけなので施工性に優れており、紫外線や熱に対しても優れた耐久性を持っていることや、工期も短く低コストでデザイン性に優れている点も特徴で、塩ビシート自体の耐久性が高いため一般的な保護塗装が不要になり維持管理費も節約することが出来ます

ただし、曲げたりすると切れやすいため、施工の際には注意が必要です。

ゴムシート防水は、ゴムのため伸縮性が高く耐候性にも優れますが、シート同士の接着は接着剤と粘着テープで行うため剥がれやすかったり、厚みが薄いので鳥害によって損傷しやすいシートのため注意が必要です。

しかし、一方でコストが安く手軽に短工期で済むため、どちらかというと応急処置として最適な防水シートと言えます。

また、ゴムシートは軽量なのも大きな特徴であるため建物に負担が少なく、トップコートを塗れば軽歩行も可能となります。

このように、シート防水も様々な特徴があるため予算や自身のマンションの状況及び修繕箇所に合わせて検討すると良いでしょう。

4. FRP防水

出典:http://www.nr-mix.co.jp/mesh/blog/_frp.html

FRP防水は、強度が大きく耐久性に優れたFRP(繊維強化プラスチック)を防水分野に応用した工法で、軽量かつ強靭で耐水性、耐食性、耐候性に優れた防水材料です。

FRP防水は、液状の不飽和ポリエステル樹脂とガラスマットなどの補強材を組み合わせ一体にした塗膜防水工法で、防水層は継ぎ目のない綺麗な仕上がりとなるだけでなく、軽量強靭で重歩行や車両走行にも耐えられるという特徴があります。

また、硬化するまでが速いため一日〜二日で施工作業が完了するのもメリットと言えるでしょう。

デメリットとしては、FRP防水はプラスチック繊維のために紫外線に弱く、古くなると劣化してひび割れてしまうことが最大の欠点のため定期的にトップコートを塗り替える必要があることと、ゴムのように伸縮しないため地震等で建物が揺れた場合のひび割れに注意が必要です。

施工中の注意点としては、プラスチック繊維の硬化の際に悪臭が発生するため、事前に臭気対策や説明会での居住者への注意喚起が必要になるでしょう。

※共用廊下は塩ビ防滑シートが多い

出典:https://www.marion-inc.jp/service/floor.html

共用廊下の防水工事では、上記の写真のような塩ビ防滑シート工法が主流となっています。

以前は、モルタル仕上げの共用廊下・階段が多く採用されていましたが、手入れのしやすさやデザイン性・機能性の観点から塩ビ防滑シートが使われるようになっています。

共用廊下や階段は、日常生活の中で居住者が必ず利用する共用部分であるため、屋根やベランダで使われるウレタン塗膜防水のように、トップコート塗布も含めて3回塗装を行い乾燥にも時間のかかる防止材料は採用出来ません。

最近は、速乾性のウレタン塗装もありますが、古い塗膜の除去が必要で粉塵が発生したり、溶剤系のスプレーを使用するために強い溶剤臭があるというデメリットがあるので、やはり塩ビ防滑シートを使用する方が居住者にとっても安心でしょう。

1-3. 防水工事には大きく分けて代表的な2つの施工方法がある

防水工事の代表的な2つの施工方法

  1. 撤去工法
  2. かぶせ工法(再生工法・機械的固定工法)

前述の防水材料の施工方法は、大きく分けて2種類、細かく分けると3種類あります。

それぞれ特徴があるため、以下の表で概要を掴み、自身のマンションに適した工法を選択しましょう。

撤去工法かぶせ工法
(再生工法)
かぶせ工法
(機械的固定工法)
内容文字通り既存の防水層を撤去して新たに防水層を作る工法最低限の既存防水層の撤去を行い、新規防水層をかぶせる工法既存防水層を撤去せずに上から新規防水層を被せて下地に固定する工法
コスト

×

撤去及び廃材処分費用がかかり高い

撤去が少ない分撤去工法より安価

撤去がなく下地処理が不要なため安価

工期

×

撤去期間が長くなる程工期は伸びる

撤去が少ない分撤去工法より工期は短い

撤去がない分工期は短い

新規防水への対応

既存防水層を撤去するため様々な工法の選択が可能

×

既存と新規の防水材料の相性を考慮する必要がある

下地に問題がある場合を除き、既存防水層との相性を考慮せず工法選択が可能

騒音問題

既存防水層の撤去時に騒音が発生する

撤去工法より騒音は小さい

×

新規防水層の固定時に大きな騒音が発生する

まとめ既存防水層の劣化状況に応じて撤去工法を採用して新規防水層を作り、次回改修時かぶせ工法を行うことでコスト削減になる場合がある既存防水層を利用しつつ更に上から新規防水層を作るため、耐久性が高く現在の防水工事では主流の工法安価で工期が短いというメリットはあるが、次回以降の防水工事では撤去工法の検討が必要となる

上記の表の通り、各工法それぞれにメリット・デメリット及び既存の防水層との相性の問題等があるため、自身のマンションの状況や予算を考慮しつつ、次期以降の防水工事を見据えた修繕計画を立てるようにしましょう。

また、ここまで紹介した防水工事の特徴や内容を十分に理解して、自身のマンションの状況に合う最適な工事を行うことが望まれますが、実際の修繕度合いや適切な工法の判断等は専門知識が無ければ非常に難しいため、できれば管理会社以外の中立な外部の専門家に一度相談し、適切な外壁修繕に関するコンサルティングを受けることをおすすめします

2. マンションの防水工事の2つの必要性と3つのメリット

マンションの防水工事や塗装は、雨漏りや紫外線等による建物の劣化や設備の故障、構造躯体の腐食の進行による耐震性の低下等を防止するものであり、マンションの運営において欠くことの出来ないものとなっています。

以下では、マンションの防水工事の具体的な必要性やメリットについて解説していきます。

2-1. マンションの防水工事の2つの必要性

マンションの防水工事の2つの必要性

  1. 建物の「防水機能の維持・回復」のため
  2. 建物や設備を保護し資産価値の維持・向上を図るため

マンションの防水工事の必要性は上記の2つの理由にまとめることが出来ます。

居住者全員の大切な資産であるマンションを保護するためにも、防水工事の目的や必要性を理解することが大切です。

1. 建物の「防水機能の維持・回復」のため

防水工事の必要性としてまず挙げられるのが、建物が持つ防水機能の維持・回復です。

マンションの防水機能は、経年だけでなく日々の雨水や紫外線によって劣化していくものであり、メンテナンスせずに放っておくと塗装等が薄くなり、防水層に直接紫外線や雨水が当たって急速な劣化を招き、最終的には雨漏りによる構造躯体の腐食を発生させることまであります。

このような事態を回避し、マンションが持つべき防水機能を維持・回復させて豊かな暮らしを持続させるために修繕やメンテナンスが必要になります。

ただし、防水層やトップコート等の塗装の技術や性能は時代の流れと共に変わっていくため、単純な防水工事であっても従来の物を活用するのではなく、予算を考慮しつつ「改良」を意識した修繕を行うことが大切です。

2. 建物や設備を保護し資産価値の維持・向上を図るため

マンションの防水機能は、建物や設備全体を守る重要な役目を果たしているため、屋上の防水層の劣化や外壁のクラック等を修繕しなければ雨漏りや紫外線による建物の急速な劣化を招き、構造躯体の劣化及び電気設備等の故障といった事態も引き起こしかねません。

建物や設備の資産価値の維持・向上にとって、一番の難敵は「雨漏り」と言っても過言ではなく、雨漏り等の不具合のある物件は構造躯体やその他設備への影響が懸念され、売却価格も低下する等明らかな資産価値の低下を招きます

従って、居住者の大切な資産を守る意味でも防水機能に関する定期的なメンテナンスに加え、防水層を保護するトップコートのこまめな塗装等、資産価値の維持・向上を意識した防水工事を行うようにしましょう。

2-2. マンションの防水工事の3つのメリット

マンションの防水工事の3つのメリット

  1. 結果的に修繕費用が抑えられる
  2. 二次被害を防止出来る
  3. 売却時に高く売れるようになる

マンションの防水工事を行うことによるメリットは様々ありますが、大きく3つのメリットに分けることが出来ます。

1. 結果的に修繕費用が抑えられる

建物や住宅設備は、メンテナンスを行わずにいると一度に多額の費用が発生してしまう等、定期的なメンテナンスは建物や設備の長命化にとって非常に重要な要素となっています。

車にも車検があるように、マンションの防水設備についても定期的な保守点検や修繕を行っておくことで、本来補修で済むはずが防水設備の全面交換になるといった事態を回避出来るだけでなく、その他の修繕に費用が回らないといった事態を回避することも出来るようになります。

このように、防水設備に限らず建物や設備は、長命化を意識して適切な保守点検を行うことで更新周期が伸びる等、結果的に修繕費用を大幅に軽減出来るというメリットがあります。

防水工事等の大規模修繕は修繕積立金を使うものであり、いかに効率良く適切な修繕を行うかが重要となるため、管理会社だけでなく、場合によっては各種専門業者やマンション修繕に関するコンサルティング会社等の専門家を上手に活用して、適切な修繕工事を行うことが必要です。

2. 二次被害を防止出来る

防水設備が経年劣化によってひび割れたり、紫外線やその他突発的な外傷により雨漏りが発生した場合、建物内の構造躯体が腐食して耐震性が低下したり、電気設備が故障してしまったりという二次被害が起きることがあります。

また、建物の雨漏り被害は、明らかなクラック等がない限り原因箇所の特定が困難な場合も多く、気付かないうちに躯体や外壁コンクリートの腐食が進んで取り返しのつかない事態に発展する場合も少なくありませんが、日頃から防水設備のメンテナンスや適切な修繕工事を行うことによって、これらの二次被害を防止することが出来るというメリットがあります。

マンションの防水設備は、雨から建物を保護するための重要箇所であることを十分に理解して、適切なメンテナンスを心掛けましょう。

3. 売却時に高く売れるようになる

定期的なメンテナンスや適切な修繕を行っている場合、売却時に改めて大掛かりな修繕を行う必要が無いため、修繕が必要な物件に比べて高く売れる可能性が大きくなります

一般的に、マンションの売買を行う際には建物や設備の修繕の必要性を考慮して売却価格が査定されるため、修繕の要否やその程度に応じて売却価格が下がってしまうか、又は事前に修繕を行ってからでないと売却出来ない等、防水工事等の大規模修繕を行っておかなければスムーズに高い価格で売却出来る可能性が低くなってしまいます。

また、売却時に修繕を行う場合には急ぐあまりに不適切な業者選定をしてしまったり、見積もりや工事内容の精査をしないまま費用対効果の悪い工事をしてしまう等デメリットが大きいため、あらかじめ将来を見越して適切な修繕工事を行なっておくことが大切です。

3. マンションの防水工事のための管理組合の役割とは?

防水工事は、マンションの「大規模修繕」の一部として行うものであるため、防水工事における管理組合の役割を学ぶに当たっては、防水工事を含む「大規模修繕」についてを学ぶ必要があります。

従って、この章では「大規模修繕」に関する管理組合の役割を紹介していきます。

マンションの大規模修繕のための管理組合の役割

  1. 総会等の開催
  2. 大規模修繕に関する専門委員会の発足
  3. 長期修繕計画の作成又は変更
  4. 修繕積立金の運用等の会計処理
  5. 修繕等の履歴情報の管理
  6. 専有部分及び共用部分等の変更

→快適で良好な住環境作り及び資産価値の維持・向上が目的

マンションは、区分所有に関する法律により管理組合の設立が義務付けられ、区分所有者は必ずマンションの管理組合に入ることになり、区分所有者である限り管理組合を抜けることは出来ないものです。

管理組合の役割は、マンションの住環境や資産価値向上のための管理規約の作成や、大規模修繕のための長期修繕計画の策定等を行うことですが、組合員にマンション管理に関する知識やノウハウが無いことが多いために、上記の図のように一括管理として管理会社に委託している場合がほとんどです。

しかし、管理会社への委託により建物や設備の保守点検や清掃等の手間は削減される一方で、管理会社は、自社で大規模修繕を行っていたり、グループ会社や提携先が大規模修繕を行っているケースも多く、公平中立な立場からの大規模修繕の提案ではなく、利益目的での無駄な修繕の提案も少なくないために適切な修繕が行われず、逆に大きな損失が発生してしまうことが多いのが実態です。

このような事態を回避するために、管理組合が主導となって長期修繕計画を策定し適切な業者選定を行い、修繕履歴等の管理を行って次期修繕工事に備えるといった活動が必要なのです。

とはいえ、適切なマンション運営や大規模修繕に関しては、専門的な知識や経験を必要とするものであるため、組合員にマンション管理士等の有識者がいない場合には、状況に応じて外部のコンサルタントに修繕計画や内容について相談することも検討すべきでしょう。

4. マンションの防水工事で絶対に外してはいけない6つの注意点

マンションの防水工事で絶対に外してはいけない6つの注意点

  1. 修繕計画の妥当性を見直す
  2. 修繕積立金が不足していないか確認する
  3. 管理会社任せにしてはいけない
  4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない
  5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する
  6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

マンションの防水工事を行う際には、長期修繕計画の策定から実際の修繕内容や見積もりに至るまで、上記のような「絶対に外してはいけない押さえるべきポイント」があります

これらのポイントの内容を理解した上で、管理会社任せにせずに効率的かつ効果的な修繕工事を行いましょう。

4-1. 修繕計画の妥当性を見直す

防水工事及びその他大規模修繕においては、長期修繕計画の策定が不可欠となりますが、長期修繕計画は修繕積立金の算定基準にもなり、大規模修繕を実施するために、無理のない修繕費用の積立計画を立てることも非常に重要となります。

また、マンション分譲時にデベロッパーが長期修繕計画を策定しますが、その際の修繕積立金の金額には将来的な大規模修繕の内容が適切に反映されていなかったり、早期分譲のために金額を敢えて低めに設定してるといった場合が多いため、デベロッパーが作成した長期修繕計画を鵜呑みにせず必ずその妥当性の確認を行うことにも注意しましょう。

近年は、建物の各種部材や設備の長命化及び施工技術の発達により、修繕費用や修繕周期が日々変わってくるため、3年~5年程度で長期修繕計画の見直しを行うと良いでしょう。

また、大規模修繕を行った後には予定していた工事の実現度合い等を考慮して、適宜長期修繕計画書の修正を行うことが大切です。

4-2. 修繕積立金が不足していないか確認する

長期修繕計画の内容の精査同様に、予定している修繕工事が実施出来る程度に修繕積立金が積み立てられているかの確認を行うことが必要です。

修繕積立金が不足している場合、予定している修繕工事が先送りになってしまったり、災害等で大規模修繕が急遽必要な場合に対応出来ず、やむなく一時金として各世帯何十万円も回収しなければいけなくなるといった事態が発生しかねません。

従って、常に将来の修繕計画内容と現在の修繕積立金の額を照らし合わせ、将来的に不足が生じることが予測される場合には、事前にその旨をマンション居住者に通達し、修繕積立金の値上げを行なう等の対策を行うようにしましょう

4-3. 管理会社任せにしてはいけない

前述の通り、マンションの管理・運営は専門知識や経験を必要とするだけでなく、大きな手間や時間を要するものであることから、管理会社に一括して業務委託がなされる場合がほとんどです。

しかしながら、防水工事等の大規模修繕に関する管理会社の対応は必ずしも適切ではなく、自社や関連会社の利益追求のために不必要な修繕が行われたり、費用対効果の悪い修繕が行われる等、見積もりや修繕内容に関する精査が行われず、無駄な工事や大きな損失が発生していることが非常に多いのが業界の実態です。

従って、防水工事等の大規模修繕に関しては、必ず管理組合主導で長期修繕計画の策定及び修繕積立金の管理を行うだけでなく、後述のように複数の見積もりを取ってその内容を精査し最良の業者を選定するといった活動が必要になります。

その際にも、内容の精査や各種の判断に関して専門知識が必要になるため、判断等に自信が無いという場合には、外部のコンサルタントに相談することも非常に有効です。

相談料として、数十万円単位で費用がかかってしまう場合もありますが、不適切な修繕で数百万〜数千万円単位で大損をすることが多い昨今の業界の実態を考えると、安心して修繕が出来るのであれば決して高い費用とは言えないでしょう。

4-4. 管理会社経由の業者見積もりだけで判断してはいけない

防水工事に関する見積もりを取る際には、管理会社任せにせず必ず管理組合でも自主的に見積もりを取るようにしましょう

前述のように管理会社自身や関連会社が建設部門や建設会社を抱えている場合、利益追求のために不適切な工事内容や金額となっている場合があり、仮に公平中立な立場から適切な見積もりを取っていたとしても管理会社が取った見積もりだけでは、内容や金額に関する比較対象が無いため、その妥当性が確認出来ません

また、工事方法に関しても、管理会社を通じて設計監理と工事を一括で発注する「設計・施工方式」と、設計監理と工事を別業者で実施する「設計・監理方式」がありますが、金額の適正さや工事体制のチェック等が出来ることから「設計・監理方式」の方が望ましいことも認識しておきましょう。

このように、見積もりは当然のこと、工事会社の選定等においても管理会社に全て任せるのではなく、管理組合が自主的にチェックをすることを常に心掛ける必要があります。

4-5. 修繕内容に無駄はないか必ず確認する

複数の業者に修繕工事の見積もりを依頼した場合、提案内容がバラバラで結局見積もり内容の比較が出来ないという場合がありますが、このような場合には無駄な修繕項目が含まれていることがあるため要注意です。

各業者の修繕内容の妥当性を判断し、合理的な見積もり比較を行うためにも事前に修繕内容をしっかりと把握して見積もりの精査をすることが大切です。

そうすることで、無駄な修繕が省かれた必要箇所だけの見積もりができ、費用や時間を無駄にすることなく効果の高い修繕工事が実現します。

4-6. 管理組合員が素人のみの場合には外部の専門家に相談する

前述の通り、防水工事においては各種の注意点やポイントを押さえることが重要ですが、素人のみで構成されている管理組合の場合には、実際の長期修繕計画の策定や、そもそもの各防水設備の修繕の必要性の判断、見積もり内容の具体的精査、管理会社との交渉等、様々な局面での判断は非常に難しい問題となります。

見積もりを例にとると、大きなマンションであれば10%見積もりが変わるだけで数千万〜億単位で金額が異なることとなるため、細部まで見積もりの内容を精査する必要がありますが、実際にその内容の妥当性が判断出来なければ精査する意味はありません。

従って、管理組合員に有識者がいない場合には外部コンサルタントに相談して、各種判断や運営・進行のアドバイスやフォローを受けることをおすすめします。

ここで多少の相談料がかかったとしても、上記の通り各種判断が出来ずに大損してしまうというリスクを大幅に軽減出来るのであれば、防水工事を含む大規模修繕に関するコンサルタントに相談するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

5. マンションの防水工事にかかる費用と時間の相場とは?

ここまで、マンションの防水工事の概要やメリット及び注意点等を紹介してきましたが、実際に修繕にどれだけの費用や時間がかかるかの目安を掴んでおくことで、具体的な修繕計画や費用の見通しが立てられるため、以下の内容を読んで、おおよその費用や時間の相場感を把握しておきましょう。

以下は、「一般社団法人 マンションリフォーム技術協会」及び「一般社団法人 防水工事推進協会」による防水工事関連の費用の目安です。

あくまで一例であるため、マンションの状況等によって採用する資材や工法が異なることに留意しましょう。

5-1. 防水工事にかかる費用の目安

防水工事単体で見た費用の目安

材料費や施工費含めおおよそ8,000円〜12,000円/㎡

※「一般社団法人 防水工事推進協会」調べ

「一般社団法人 防水工事推進協会」による、防水工事単体で見た場合のおおよその単価は上記の通りとなりますが、建物の種類や使用資材や工法によって費用が異なることに注意が必要です。

また、マンションの防水工事を始めとする大規模修繕は、足場を組む関係上、コストや工期の面から以下のように様々な修繕工事を同時に行うことが多くあります。

防水工事を含む大規模修繕にかかる費用の目安

▪️高層10階建・60戸のマンションの1〜30年目までの防水工事を含む修繕の想定費用

足場を組む関係上、外壁修繕・屋根防水・鉄部塗装・金物類交換等を同時に行うことを想定すると…

上記の防水工事を含む修繕工事費の合計295万円/戸  [全世帯(60戸)で合計1億7700万円]

(※マンションの規模や防水設備の状況により上記費用は変動します)

上記の表は、「一般社団法人 マンションリフォーム技術協会」によるマンションの防水工事を含む大規模修繕にかかる費用のモデルケースです。

これは、10階建で60戸のマンションのモデルケースで、前述の通り足場を組む関係上、外壁修繕等を同時に行うことで費用を抑えることが出来ますが、それでも上記のシミュレーションでは30年間で合計1億7700万円という大きな費用がかかることが分かります

そのため、防水工事を含む大規模修繕に関しては長期修繕計画の策定の段階から、慎重かつ賢明な判断が必要となり、これだけの大金を任される管理組合には多大な責任が伴います。

だからこそ、管理会社へ任せきりにはせずに大規模修繕の計画の立案や実際の見積もりの精査等は、必ず管理組合主導で行うべきものと言えるのです。

5-2. 防水工事にかかる時間の目安

防水工事にかかる時間の目安

  1. 小規模マンション(1〜50戸):1ヶ月程度
  2. 中規模マンション(50〜100戸):1〜2ヶ月程度
  3. 大規模マンション(100戸以上):規模に応じて2ヶ月以上かかる場合が多い

※範囲の狭い屋上の防水工事のみの場合には工法によって数日で終わることもある

(※マンションの規模の分類は諸説あります。また、工事の内容によって期間が大きく異なることに注意)

マンションの防水工事は、屋上のみ行う場合やバルコニー等も含めて行う場合と様々で、時間の目安に関しても一概には言えませんが、前述の足場を組んで行う大規模修繕の場合はおおよそ上記の通りです。

マンションの規模や廊下・階段等の共用部分まで施工するかどうか等によっても期間は大きく異なるため、防水工事に要する時間の一例として参考にしておくと良いでしょう。

このようにマンションの状況に応じて費用や時間は様々であるため、事前に専門業者に詳細な調査を依頼して全容を把握した上で、時間に余裕を持って修繕計画を練ることが大切です。

※タワーマンション(一般的に20階を超え60m以上の高層マンション)の注意点

タワーマンションは、足場を組めないような30階以上の超高層マンションも存在するため、屋上からゴンドラ等で1フロア毎に修繕を行っていくことになりますが、防水工事だけでなく鉄部塗装や外壁修繕も行うため、おおよそ1フロアに1ヶ月かかるとも言われており、高層階部分が10階分あればそこだけで10ヶ月かかる計算になります。

もちろん、複数階を同時に施工出来る場合には短縮が出来ますが、基本的にタワーマンションの修繕工事は高層での作業となるため風が強く、強風の日は作業が出来ないこともあるために工期が長くなりやすいという傾向があります。

またコストに関しても高いイメージがありますが、一般的なマンションに比べて屋上の面積がそこまで大きくない場合も多いことから、戸数に対して防水工事の面積が小さい分、戸当たりの費用が安くなるため、外壁修繕や鉄部塗装の費用が嵩む代わりに屋上の防水工事が安価で済むことも多く、一概にタワーマンションの方がコストが高いとも言い切れません。

とはいえ、タワーマンションは大規模なものが多く修繕工事には多額の費用と時間を要するものであり、長期間に渡ってゴンドラや養生シートに覆われることとなるため、居住者との協議だけでなく専門家を交えてトラブルが起きないように修繕計画を立てることが重要です。

6. 損せず防水工事を行うための賢い業者選定の4ステップ

マンションの防水工事を成功させるためには、適切な内容及び金額で工事をしてくれる施工業者を選定することが妥協出来ない最重要項目と言えますが、最良の施工業者の選び方等にも専門知識が必要となるため、一般の人にとっては最良業者の選定も頭を悩ませる問題となります。

しかし、上記のような最良業者を選定するための方法に則り注意点をしっかり守れば、素人のみの管理組合であっても、最良の業者選定が出来るようになるため、この流れに沿って優良な業者選定をし、損無く費用対効果の高い修繕を行いましょう

6-1. 一括見積もりサイトで複数の業者の見積もりを取る

防水工事を行うに当たっては、前述の「6つの注意点」でご紹介した通り管理会社経由の見積もりだけで判断することは絶対にやめましょう

管理会社経由の見積もりだけでは、比較対象が無いというだけでなく、利益追求のために保証期間中であるにも関わらず修繕工事を行おうとする場合がある等、管理会社に丸投げしてしまうと大損をしてしまうことがあるため要注意です。

このような事態を回避し、適切な修繕を行うためには、まず一括見積もりサイト等を活用して複数の業者の見積もりを取る所から始めましょう

管理組合員で業者に詳しい人がいる場合には、直接業者にアプローチすることも考えられますが、複数の業者見積もりを取るには多くの手間や時間がかかるものであるため、同時に複数業者の見積もりが瞬時に取れる一括見積もりサイトが非常に便利です。

おすすめ一括見積もりサイト1:「ホームプロ

ホームプロ』は、リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本が出資している10年連続で利用者数No.1のリフォームサイトで、この通り出資会社が有名な大手企業であるため、とりあえず大手の方が安心して依頼出来るという方におすすめのサイトと言えるでしょう。

ホームプロは、依頼者のマンション所在地や依頼内容等に応じて最大8社のリフォーム会社を紹介してくれる大手サイトで、施主によるリフォーム会社の評判、クチコミも掲載されているため、利用者の生の声が聞ける点も心強いサイトです。

更にサイト上では、大規模修繕に関する部位別のおおよその金額例やリフォーム事例の紹介や、リフォームを成功させるためのノウハウに関する記事が掲載されているため、エレベーター修繕に限らず実例を見たりノウハウを学んで大規模修繕のイメージを掴みたいという場合にも活用出来ます

おすすめ一括見積もりサイト2:「town life リフォーム

town life リフォーム』は、インターネットサイトにおけるリフォーム部門の「利用満足度」・「使いやすさ」・「サイト利用者安心度」でランキング1位を獲得している人気サイトです。(※株式会社リンクアンドパートナーズ調べ)

このサイトでは、独自の一定評価基準をクリアした全国300社以上の業者が登録されており、タウンライフリフォーム上で各リフォーム会社の詳細・事例・商品を見ることができ、各リフォーム会社からの見積もり・提案を比べることが出来るため、各会社の強みの理解、依頼者のニーズに合った会社の発見に繋がり、納得してリフォームを進めることが出来ます。

住友不動産、住友林業のリフォーム、ミサワリフォーム等といった大手建設会社のリフォーム部門も多く登録されている等、登録基準をクリアした業者のみが登録されており、工事保証等もあるため安心して利用出来るおすすめサイトです。

6-2. 複数の見積もりを比較する(できれば外部の第三者専門家に相談する)

town life リフォーム』や『ホームプロ』を活用して複数の見積もりを取った後は、それらの見積もりの内容や金額を比較し、内容に無駄がないかや見積もりの単価等から金額差を把握して、適切な内容でなるべく安い業者はどれかや、保証の有無やその内容等を詳細に確認しましょう

例えば、同じ工事の依頼でも配置する警備員の数の相違や使用資材のグレード等によって金額は大きく異なるものであるため、業者毎の提案内容のコンセプトの違いを的確に把握することが大切です。

しかしながら、各業者の提案内容が異なるために正しい判断が出来なかったり、見積もりや保証内容の検討についても専門知識が必要なために結局判断がつかないという事態に陥ることが多いため、できればマンションの修繕全般に関するコンサルタント等の外部の第三者専門家に相談し、見積もり内容の比較の仕方や押さえるべきポイントに関するアドバイスを受けることをおすすめします。

また、第三者専門家に相談することで、公平中立の立場から依頼者に最適な修繕の内容の判断や見積もりの精査をしてくれるだけでなく、管理会社や施工業者との交渉の仕方や注意点に関してもアドバイスが貰え、更に業者選定で終わらず防水工事の完了及び次期計画に至るまでの専門的コンサルティングを行なって貰えます

多少の相談料はかかりますが、不適切な修繕による数百万〜数千万単位の損失を回避出来ることを考えると、決して高くない必要経費と言えるでしょう。

6-3. 各業者と金額・内容を交渉し管理組合経由で最良の業者を選定する

各社の見積もり内容比較検討した後は、それぞれの業者と工事内容や金額に関する擦り合わせや交渉を行い、その中で最もニーズに合った最良の業者を「必ず管理組合経由で」選定しましょう

複数見積もりを取っても、管理会社に見積もり内容の精査や各業者との交渉を任せてしまうと、適切な交渉がなされず結局管理会社が提携している先の業者を推してくるといった場合も少なくないことや、管理会社経由で取った見積もり内容が適正かどうかの判断材料を得るという意味でも、管理組合経由で業者を選定しておく必要があるのです。

そのため、手間はかかりますが見積もりの精査や各業者との交渉においても管理会社任せにはせず、必ず管理組合経由で納得した最良の業者選定をしておくことが重要です。

6-4. 管理会社経由の業者とも金額・内容を交渉し最終的な最良業者を決定する

管理組合経由で最良の業者を選定した後は、管理会社経由で見積もりを取得した業者とも金額や施工内容に関する交渉を行い、その上で「管理組合経由の最良業者」と「管理会社経由の最良業者」を比較検討し、最終的な最良業者を選定しましょう。

管理会社は、利益追求のために不適切な大規模修繕の提案をしてくる場合もありますが、公平中立の立場から適切な施工会社の選定を行なっている場合には、管理会社という専門家による業者選びを通じて修繕を行うことが出来るというメリットがあるため、管理組合経由で選定した施工業者と管理会社経由で選定した業者とを比較する必要があるのです。

条件を合わせて両者を比較する際に、再度業者と交渉が必要となる場合もありますが、その時に適切な判断や決断が出来ないという場合には再度外部の第三者専門家に相談することも有効でしょう。

このように、マンション修繕における最重要項目である業者選定においては多くの注意点がありますが、上記の4ステップを踏みしっかりとポイントを押さえることで、最良の業者に出会える可能性が飛躍的に向上するでしょう。

7. まとめ

いかがでしたでしょうか?

マンションの防水設備は、建物躯体等の構造自体を守るだけでなく、雨漏りから電気設備や建物内部の腐食の発生を防止しマンションの資産価値を維持・向上させるために必要なものです。

そのため、マンションの状況に対する的確な修繕が必要ですが、防水工事に関する状況判断や信頼出来る業者選びは専門知識や経験がなければ非常に難しい問題となります。

しかし、本ページでご紹介したように、注意点を押さえて的確な状況判断や最良の業者選定を行うことで、雨漏りによる建物の劣化や設備の不具合等の二次被害を回避でき、マンション自体の資産価値の低下も防止することが出来ます。

従って、管理組合員や理事の人はまず『town life リフォーム』や『ホームプロ』といった一括見積もりサイトを利用して、複数の見積もりを収集し、その上で外部の第三者専門家のコンサルティングを受けることをおすすめします。

弊社では、一級建築士・不動産鑑定士をはじめとする多数の大規模修繕に関する専門家とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、第三者専門家への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

防水工事までにまだ時間の猶予があるという場合には、両サイトで取得した見積もりの比較を行う等して相場感を掴み、サイト内で紹介されている実例等から将来的な防水工事及び大規模修繕全般に関する知識や予算に関する教養を身につけておくのもおすすめです。

<このページでご紹介したサービス>

  • town life リフォーム』:複数見積もりが取れる使いやすさNo.1の無料一括見積もりサイト
  • ホームプロ』:有名大手企業が出資する利用者数No.1の無料一括見積もりサイト

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