不動産鑑定士ってどんな資格?仕事内容や宅建士との7つの違いを徹底比較

不動産鑑定士は三大国家資格の一つと言われているけど、実際に何がすごいのかや宅建士との違い等について気になっていませんか?

不動産鑑定士とは、公的機関の不動産取引や、固定資産税等の税金計算の基礎となる公示価格を算出したり、大規模都市開発や街づくりにも携わっている不動産系最高峰の高度専門家です。

一方、宅建士は不動産の売買や賃貸における重要事項説明や契約書の記名押印等を行うために必要な資格をいいます。

不動産鑑定士と宅建士では、社会的影響力や法的責任の大きさ等が全く異なるため、単純に比較出来るものではありませんが、同じ不動産系国家資格であり、認知度の高い宅建士と対比することで、その違いがより分かりやすくなるため、本ページでは以下の流れに沿って両者の違いを解説していきたいと思います。

このページを読めば、不動産鑑定士についての理解が得られると共に、宅建士との違いだけでなく不動産に関するお悩みや問題の相談先が明確になり、早期解決が出来るようになるでしょう。

1. 不動産鑑定士とは?

弁護士が法律に最も詳しいプロ、医者が医療に最も詳しいプロであるように、不動産鑑定士は不動産に最も詳しいプロということが出来ます。

不動産の現実の取引価格は、不動産の適正な価格であるとは限りません。

何故なら、主に以下の3つの理由によるためです。

  1. 不動産は個別性が強く同じものは2つとないため
  2. 不動産の取引価格は取引当事者の個人的な事情に左右されるため
  3. 経済情勢等様々な要因に影響を受け常に価格は変化するため

→「現実の取引価格」≠「適正な価格

例えば、同一マンション内の階層・方位・間取りが同じ住戸の取引価格であればある程度の比較は可能で、そこから適正な価格を見出すことは可能ですが、実際は比較可能な案件ばかりではなく、また常に不動産の価格は経済情勢等の影響を受けて変化します。

このような中で「不動産の適正な価格や賃料の判定」が出来るのは高度な専門家である不動産鑑定士だけなのです。

また、不動産の価値はその不動産が「最有効使用」の状態にあるときに最大となるため、この最有効使用を実現することがとても重要になってきます。

例えば、東京丸の内の土地であれば、高層ビルとして活用することが最も不動産の収益性が発揮される使用方法であり、逆に一軒家を建てた場合、収益性という観点からしたら勿体無い使用方法(建付減価が発生している)と言えます。

不動産鑑定士は、この「最有効使用」の判定や実現に関するプロフェッショナルでもあるのです。

以下では、そんな不動産鑑定士の社会的な役割について具体的に解説したいと思います。

1-1. 不動産鑑定士の役割

不動産鑑定士の主な役割は、上記のように不動産の適正な価格や賃料に公的・法的お墨付きを与えることと、不動産の最有効使用に関するコンサルティングを行うことです。

不動産鑑定士は鑑定評価と最有効使用に関するコンサルティングによって、以下のように不動産の様々な問題の解決を行なっています。

I:不動産の相続について

  • 相続する不動産の相続人での公平な分割
  • 不動産と現金の相続割合の妥当性の評価

II:中古住宅の売買について

  • 売買価格の妥当性の評価
  • 損をしない中古住宅の購入や売却についての相談

Ⅲ:借地権者や賃借人とのトラブル解決

  • 借地権者との賃料や一時金(更新料・条件変更承諾料等)の金額についてのトラブルの解決
  • 契約内容についてのトラブルの解決

Ⅳ:不動産有効活用や不動産投資について

  • 固定資産税や相続税の対策としての土地の有効活用の提案
  • 不動産投資の始め方や投資価値のある不動産の判別

Ⅴ:法人の不動産開発コンサルティング

  • 大規模分譲マンションの開発のコンサルティング
  • 商業施設の開発のコンサルティング
  • 物流倉庫の開発のコンサルティング

このように不動産鑑定士によるコンサルティングの幅は広く、不動産全般の相談窓口と言えます。

不動産鑑定士不動産鑑定評価についてより詳しく知りたいという方はこちらをご参照ください。

2. 不動産鑑定士と宅建士の7つの違い

不動産鑑定士と宅建士の7つの違い

  1. 仕事内容の違い
  2. 社会的影響力の大きさの違い
  3. 資格の難易度の違い
  4. 希少価値の違い
  5. ステータスの違い
  6. 収入面の違い
  7. 将来性の違い

不動産鑑定士と宅建士はどちらも不動産系の国家資格として、独占業務が与えられる等、不動産業界において重要な役割を担っている資格です。

両者の違いは様々ですが、主に上記の7つの違いに分けることが出来ます。

2-1. 仕事内容の違い

不動産鑑定士と宅建士の仕事内容は全く異なり、基本的に宅建士の業務は不動産の売買や賃貸に関するものが中心となっており、不動産鑑定士は鑑定評価と不動産全般の問題解決の総合コンサルティングを行なっています

宅建士の資格も有している不動産鑑定士も多いため、そのようなダブルライセンスの不動産鑑定士は上記全ての業務を行うことが出来ます。

不動産鑑定士の仕事

不動産鑑定士のみに認められている「不動産鑑定評価」は、以下のように4つの主体からの業務を請負い、私達の生活に大きな影響を与えています。

  1. 国・都道府県・裁判所等の公的機関からの鑑定評価の依頼
  2. 企業からの鑑定評価やコンサルティングの依頼
  3. 金融機関からの鑑定評価の依頼
  4. 個人からの鑑定評価やコンサルティングの依頼

公的機関からの依頼としては、公的機関が不動産取引を行う際や一般の不動産取引の規準となる「公示価格」の評価があります。

「公示価格」は、相続税評価額や固定資産税評価額の基礎にもなる社会的に重要な不動産の価格の指標です。

企業の不動産活用のコンサルティングとは、例えば東京、新宿等の大規模な都市開発や、分譲マンションの開発に際してのコンサルティング等、商業施設の開発等の「街づくり」に多く携わっています

金融機関からの依頼としては、不動産証券化の際の証券化される不動産の鑑定評価や、融資の際に担保となる不動産の評価等を行なっています。

個人的な依頼としては、親族間での遺産分割や財産分与等を公平に行うための鑑定評価や、土地活用やリノベーション相談個人投資家へのアドバイザリー業務等、幅広い業務を行なっています。

このように不動産鑑定士の仕事は社会に大きな影響を与えるものが多く、不動産鑑定士は不動産に関する高度な専門知識や幅広い法律に精通する不動産全般についての専門家ということが出来ます。

宅建士の仕事

宅建士の仕事は、主に不動産の売買や賃貸における仲介業務です。

不動産の売買や賃貸の際に必要となる重要事項説明や契約書の作成時の記名押印等、不動産取引において必要となる業務となっており、不動産業者(宅建業)を開業するには、宅建士の資格が必要になります。

また物件管理や売買や賃貸に関する相談業務も行なっている等、宅建士は買や賃貸の仲介についての実務家と言うことが出来るでしょう。

2-2. 社会的影響力の大きさの違い

社会的影響力の大きさはつまり、業務を通じてどのような社会的責任を負っており、それがどれだけの大きな責任かということに置き換えられます。

上記のイメージ図のように、不動産鑑定士と宅建士は社会に与える影響力の大きさや責任の大きさが全く異なります。

両者の社会的責任とは?

不動産鑑定士の社会的責任

  • 公的証明力のある不動産の適正な価格・賃料を評価すること
  • 日本全体における不動産価格の均衡を保つ基礎を作ること

宅建士の社会的責任

  • 不動産取引における消費者保護

両者の社会的責任は上記の内容になりますが、これらについて説明していきたいと思います。

不動産鑑定士の社会的責任

不動産の鑑定評価は、「不動産鑑定評価基準」という「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき制定された、不動産の適正な価格や賃料を判定するための判断根拠となる基準をもとに行われます

不動産鑑定士は、「不動産鑑定評価基準」及び「不動産の鑑定評価に関する法律」を熟知した不動産に関する高度な専門家であるからこそ、これら基準や法律に則って算出された「鑑定評価額」には公的証明力が与えられ、不動産鑑定士には法的責任が伴うのです。

そして鑑定評価額は、国や都道府県が取引の規準としたり、固定資産税等の税金計算の根拠にもされ、更には不動産の価格や賃料に関する裁判でも採用される等、不動産の唯一の適正価格とされています。

不動産鑑定士による鑑定評価活動は、日本全体の不動産価格が均衡の取れた状態を保ち、適正な価格が形成されていくための重要な役割を担っているのです。

宅建士の社会的責任

宅建士の社会的責任は、不動産取引を行う消費者の保護です。

一般的に不動産取引といえば売買や賃貸ですが、それらの不動産取引が安全に行われるよう宅地建物取引業者(不動産業者)には宅建士を置くことが義務付けられており、取引の際の重要事項説明や契約書の作成業務等の責任を宅建士が負い、取引当事者間の安全な取引のサポートをしています

このように、不動産取引という局面においては宅建士も重要な責任を担っていると言えるでしょう。

2-3. 資格の難易度の違い

宅建士 不動産鑑定士
一次試験 マークシート方式
(50問)
マークシート方式
(100問)
二次試験 無し 論文式
(3日間で6科目)
勉強時間 約400時間 約2500〜3000時間以上
合格率 約15% 約3%
実務修習 無し 1年又は2年
三次試験(終了考査) 無し
(一次試験のみ)
有り
(口頭試問及び論文を含む筆記試験)

 

上記の通り、不動産系資格で最も知名度の高い「宅建士」はマークシート式(50問)の試験のみであり、標準的な勉強時間は約400時間程度で、合格率は約15%となっています。

一方、高度専門家である不動産鑑定士になるには以下のような険しい道のりを越える必要があります。

  1. 一次試験:マークシート方式(100問)
  2. 二次試験:3日間にわたる論文式試験
  3. 実務修習:1年又は2年コース
  4. 終了考査(三次試験):口頭試問及び筆記試験(短答式+論文式)

いわゆる不動産鑑定士試験と言われる二次試験合格までで必要な勉強時間は約2500〜3000時間以上と言われており、最終合格率はわずか3%程で、合格率を比べるだけでもその難易度が極めて高いことがわかります

さらに、難関の二次試験合格後に1年〜2年の実務修習をこなし、最終的な終了考査に合格しなければ不動産鑑定士にはなれません。

このように宅建士と不動産鑑定士は試験制度の違いや難易度に始まり、それぞれに認められる業務内容や専門性の幅についても明確に異なるものとなっています。

2-4. 希少価値の違い

希少価値の違い

  • 不動産鑑定士登録者数:約8000人

一次試験受験者数約1500人

二次試験受験者数約800人

  • 宅建士登録者数:約105万人

受験者数毎年約20万人

不動産鑑定士と宅建士の希少価値の違いは、単純に登録者数を比較するだけで一目瞭然です。

数だけで見ても不動産鑑定士の登録者数は宅建士に比べ1%にも満たない状況です。

ただし登録者数の違いだけでなく、与えられる業務の内容や社会的責任の大きさも希少価値の違いと言われる所以と言えるでしょう。

前述のように不動産鑑定士の社会的責任は大きく、高度な知識や的確な判断力がなければ成立しない業務になります。

そのため資格試験も三次試験まであり、しかも論文や口頭諮問、的確な判断力を養う実務修習が設けられています。

そして、国や都道府県から日本全国の不動産取引や税金計算の指標となる公示価格の評価や、様々な街づくりプロジェクト、REIT等の不動産の証券化における鑑定評価等、日本の経済で重要な役割を担っているにもかかわらず、これだけの少数でそれら全てを行なっていること等も、希少価値の高い資格と言われる理由と言えるでしょう。

2-5. ステータスの違い

社会的ステータスの例

不動産鑑定士
→不動産系最高峰かつ三大国家資格

宅建士
→不動産取引における実務家

宅建士は、不動産取引を行う実務家としてのイメージが強く、不動産鑑定士は「不動産系資格の最高峰」や「三大国家資格」というイメージを持っている方が多いようです。

世の中にある様々な資格の中で「三大国家資格」と言われる所以は様々ありますが、大きく分けて以下の3点にまとめることが出来ます。

不動産鑑定士が三大国家資格の一つとされる理由

①難関国家資格である

②与えられる権限が大きい

③社会的影響力が大きい

前述のように難関国家資格であるため狭き門をくぐり抜けた少数精鋭の資格であること、そして不動産鑑定士は社会的責任の大きな士業であり、これは大きな権限が与えられていることであると同時に社会的影響力が多大であるということです。

そのため様々なビジネスシーンでの活躍が期待されており、仕事上高度な知識を有する他の士業との関わりや、不動産市場だけでなく金融市場の中枢等での活動も多く、三大国家資格と言われる不動産鑑定士の社会的ステータスは高いと言えるでしょう。

2-6. 収入面の違い

収入面の違い

不動産鑑定士
→平均年収約780万円(政府統計)

宅建士
→平均年収約350万円〜500万円(政府統計がないため求人広告調査)

不動産鑑定士の資格取得者は、不動産鑑定業者への就職が多いものの不動産鑑定評価やコンサルティング能力を活かして、信託銀行や証券会社等の金融機関、不動産デベロッパー、不動産投資顧問系の企業で勤務する不動産鑑定士も多くいます。

不動産鑑定士の平均年収は、政府の統計によると約780万円と言われていますが、不動産証券化に関わる仕事(信託銀行、証券会社等)や不動産開発のビッグプロジェクトに関わる仕事等(大手デベロッパー等)、不動産投資顧問系の企業では1000万を超える待遇も多く存在します。

不動産鑑定士の場合、単純な鑑定業務だけでなく、コンサルティング能力を活かすことでかなりの高収入が見込めるようです。

一方、宅建士の資格取得者は宅地建物取引業者(不動産業者)へ就職することが多くなっています。

宅建士の平均年収については、政府統計が無いため求人広告の調査になりますが、約350万円〜500万円が多く、営業成績に応じてインセンティブがつく場合には多少の年収アップが見込めるようです。

このように社会的責任の大きさや業務の幅の違いは、実際の収入面にも大きく関わってくるようです。

2-7. 将来性の違い

不動産鑑定士
明るい点 不動産投資市場(不動産証券化市場)の拡大による需要増
暗い点 単純な鑑定評価のAI化
宅建士
明るい点 中古不動産市場の拡大による需要増
暗い点 重要事項説明や契約書作成業務のAI化

 

上記は客観的な一意見になりますが、両者それぞれ明るい点として需要増が見込めると言えます。

逆に、暗い点としてはAIの普及に伴い「専門性の有無」が将来性の違いを分けるかもしれません。

不動産鑑定士の将来性について

不動産鑑定士は、不動産証券化が活発化している中で、不動産鑑定評価や証券化案件のコンサルティング等将来性が期待されています。

具体例を挙げると不動産の証券化には、不動産鑑定士による投資対象となる不動産の鑑定評価が義務付けられていますが、日本の不動産証券化市場はこれからさらに拡大すると言われており、不動産鑑定士の鑑定評価やコンサルティングの需要はますます増加すると言われています。

世界的にも、世界の投資家の運用資金が日本の不動産市場に流入しており更なる活性化が見込まれていたり、個人の動産評価や農業法人関連の業務への進出等、不動産鑑定士の活躍の場がどんどん増えていくものと見込まれています。

ただし一概には言えませんが、単純な鑑定評価業務がAI化される可能性もあると言えるかもしれません。

宅建士の将来性について

従来から日本では、新築の建物が主流であり、中古不動産市場は欧米ほど活発ではありませんでした。

しかし現在日本では、欧米のように中古不動産をリフォームやリノベーションして再び活用したり、ハウスメーカーが推進している中古住宅の長寿命化や流通の推進を行う「スムストック」制度等、中古住宅市場活性化の様々な取り組みが行われているため、宅建士の活躍の場が広がる見込みがあると言えるでしょう。

宅建士の場合も不動産鑑定士と同様に、独占業務である重要事項説明や契約書の作成時の記名押印等は、AIの発達により無人化される可能性があると言えます。

3. 不動産鑑定士はここがすごい!

不動産鑑定士が、不動産に関する高度な専門家と言われる理由は様々ですが、例を挙げると以下の3つが挙げられます。

3-1. 様々な街づくりに携わっている

出典:https://www.roppongihills.com/about/

六本木ヒルズ等のような大都市に存する有数の大規模商業ビルの成功の背景には、不動産鑑定士による鑑定評価やコンサルティングがあり、その結果として不動産の持つ価値が最大限に引き出され、沢山の人々が利用する便利で快適な商業ビルが誕生しています。

同様に分譲マンションや大規模工場等の、私達の生活を支える様々な不動産の開発や「街づくり」の成功の背景には、多くのケースで不動産鑑定士が関わっており、鑑定評価やコンサルティングが存在があります。

また、このようなビッグプロジェクトだけでなく、公平な遺産分割や損をしない不動産売買のお手伝い、土地活用等の個人の問題に至るまで不動産鑑定士は幅広いコンサルティングを行っています。

3-2. 不動産の価格に公的証明力を与えられる

不動産鑑定士は前述の通り、「不動産の鑑定評価に関する法律」により鑑定評価業務を認められた唯一の存在であり、鑑定評価額には「公的証明力」が与えられます。

「公的証明力」のある不動産の価格や賃料は、公平性や客観性が必要な場面で活用されています

その代表例が前述した「公示価格」や「都道府県基準地価格」、土地収用法における不動産の評価、公的機関の不動産取引における鑑定評価の活用です。

公示価格や都道府県基準地価格は一般の不動産取引や公的機関が不動産売買を行う際にも規準とされる価格です。

また不動産の価格や賃料に関する裁判の際にも、不動産の適正な価格として鑑定評価額の提示を求められる等、公的証明力を必要とする様々な場面で不動産鑑定士が活躍しています。

3-3. 高度な専門性と守備範囲の広さ

不動産鑑定士は、不動産に関する高度な知識と不動産関係法令に精通する専門家です。

そのため不動産鑑定評価だけでなく、不動産の総合的コンサルティングも得意としています。

不動産鑑定評価に関しては唯一の専門家として、国や裁判所等の公的機関からの依頼、企業、個人からと幅広く対応しており、コンサルティング業務の内容においても不動産全般の悩みや問題に対応する守備範囲の広さを兼ね備えています。

コンサルティングの内容例

  1. 不動産の相続・分割関連のコンサルティング
  2. 不動産売買・賃貸に関するコンサルティング
  3. 借地権者や賃借人とのトラブルに関するコンサルティング
  4. 不動産有効活用や不動産投資関連コンサルティング
  5. 法人の不動産開発コンサルティング

ここに挙げたのはほんの一例ですが、個人・法人問わず不動産に関係するものであれば不動産鑑定士が解決の近道を示してくれるでしょう。

4. 不動産の問題はどちらに相談すべきか?

不動産に関する悩みや問題が発生した場合には、上記のように相談内容別に宅建士と不動産鑑定士を使い分けると良いでしょう。

ただし、不動産鑑定士が宅建士の資格も有している場合も多く、その場合には不動産の売買や賃貸に関しても不動産鑑定士に相談することで、売買や賃貸だけでなくそこに付随する問題に関してもアドバイスをもらうことが出来ます。

4-1. 不動産鑑定士への相談

不動産鑑定士への価格・賃料に関する相談例

  1. 不動産の遺産分割問題
  2. 不動産に関する相続税評価額の圧縮
  3. 借地の更新・整理に関わる問題
  4. 投資用不動産の投資価値判断
  5. 不動産の長期的な資産価値維持や向上

不動産鑑定士への最有効使用に関する相談例

  1. 遊休土地の活用
  2. 空き家の活用
  3. 老朽化不動産の建替・修繕
  4. 投資用不動産の収益性向上
  5. 企業価値向上のための不動産の最適な活用

極端な言い方ですが不動産鑑定士は、宅建士が行う不動産売買・賃貸の仲介以外の全ての相談窓口と理解しておくとわかりやすいでしょう。

具体的には、上記のように不動産の価格や賃料に関する相談と、不動産の最有効使用に関する問題に分けることが出来ます。

また、不動産鑑定士の資格と宅建士の資格を有している「ダブルライセンス」の不動産鑑定士が多く存在します

このような場合には、問題解決の過程で不動産の売買や賃貸を行うことになった等の時にも、非常にスムーズに解決出来るだけでなく、不動産業者にも相談する手間も省ける等のメリットがあります。

4-2. 宅建士への相談

宅建士への主な相談としては、不動産を売買したい時や賃貸借したい場合です。

経験豊富な宅建士であれば、不動産の売買価格や賃料の相場、オススメの賃貸物件等、市場のトレンドを含めて様々なアドバイスをしてくれます。

ただし、不動産の売却相談にあたり宅建士が算出してくれる「査定価格」は、不動産鑑定評価額とは異なるものであり、あくまで売出し価格を決める際の参考としての価格であることに注意しましょう。

相場に見合った売出し価格を設定するためにも、複数の不動産業者に「査定」を依頼すると良いでしょう。

5. まとめ

いかがでしたでしょうか。

不動産鑑定士の資格の概要や仕事内容、宅建士との様々な違いについて詳細にご理解頂けたのではないかと思います。

不動産鑑定士と宅建士はそれぞれ不動産系の国家資格ですが、そもそも与えられている独占業務の内容や、社会的責任の内容・大きさが異なります。

従って、可能となる業務の幅、対応できる相談内容の幅等も必然的に異なるものとなっています。

このように同じ不動産系の資格と言っても全く異なるものであり、両者の違いを理解することで、様々な不動産の問題にぶつかった時に適切な対応をすることができるでしょう。

不動産の取得・保有中・処分等の不動産の活用の「いろは」等、不動産に関する問題やお悩みについては、まず不動産全般の専門家である不動産鑑定士に相談してみることをオススメします。

弊社では、多数の不動産鑑定士とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、不動産鑑定士への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

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