三大国家資格・不動産系資格の最高峰と言われる「不動産鑑定士」とは?

不動産系の資格といえば、宅建士、建築士、マンション管理士、土地家屋調査士等が聞き覚えのある資格かと思いますが、三大国家資格の一つであり不動産系資格の最高峰である「不動産鑑定士」という資格をご存知でしょうか?

三大国家資格とは、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士を言い、その中で不動産鑑定士は、価格や賃料といった不動産の「経済価値」や不動産の「最有効使用」に関するプロフェッショナルであり、高度な専門知識を活かして不動産に関する様々な問題を解決している専門家です。

本ページでは、不動産に関する高度な専門知識を有し、不動産業界や金融業界の中枢で重要な役割を果たしている「不動産鑑定士」について以下の流れに沿ってご紹介していきます。

本ページを読めば、不動産鑑定士がより身近に感じられるようになるでしょう。

1. 不動産鑑定士の役割とは?

不動産に関して最も高度な専門性を有する不動産鑑定士に期待される役割は多岐に渡りますが、最も簡単にまとめると、主に以下の2つが挙げられます。

  1. 不動産の適正な経済価値を判定し公的に通用するお墨付きを与えること
  2. 不動産の効用を最大限に発揮するためのコンサルティングを行うこと

それぞれ順を追って解説していきます。

1-1. 不動産鑑定士の役割①|不動産の適正な経済価値を判定し公的に通用するお墨付きを与えること

「不動産の適正な経済価値の判定」とは、不動産鑑定士によって不動産の価値が適正に「金額」で表示されることを言い、また「公的に通用するお墨付きを与える」とは、不動産鑑定士による「金額」表示が法的根拠のある公的に認められる価格となることを言います。

この価格を「鑑定評価額」と言います。

不動産鑑定士にのみ算出できる鑑定評価額は、不動産の価値に関する公的なお墨付きを与えられた価格ということが出来、鑑定士の役割の基礎となります。

不動産鑑定士が行う不動産鑑定評価の一例

不動産鑑定士の仕事は多岐に渡りますが、一例を挙げると、鑑定評価を通じて以下のようなものが主な仕事内容になります。

不動産鑑定評価の一例

  1. 不動産取引の規準となる「公示価格」の評価
  2. 固定資産税の基準となる「固定資産税基準値価格」の評価
  3. J-REIT等の証券化不動産の投資家向け情報開示のための時価評価
  4. 金融機関の融資の際の不動産の「担保評価」
  5. 不動産に関する訴訟等の際に適正な価格等を証拠資料として裁判所に提出する際の評価
  6. 税金計算上の根拠として税務署に不動産の価格を申告する際の評価

鑑定評価額は、不動産取引において多く目にする「査定価格」とは異なるものとなります。

査定価格は、不動産業者が売却価格を決める際に「意見」として提示するものであり、算定方法も不動産業者ごとにまちまちです。

そのため鑑定評価額には公的証明力や法的責任が伴うのに対し、査定価格に関しては法的根拠や法的責任は無く、取引の関係当事者間でのみ通用する価格であり、法的なお墨付きを与えられた価格ということは出来ません。

※不動産鑑定評価についてより詳しく知りたいという方はこちらをご参照ください。

不動産鑑定評価とは?査定との違いやメリット・デメリット全解説

1-2. 不動産鑑定士の役割②|不動産の効用を最大限に発揮するためのコンサルティングを行うこと

不動産鑑定士が行う鑑定評価では、適正な経済価値の判定の前提として、その不動産に関わる「市場の分析」を行い、不動産の価値や効用を最大限に発揮する「最有効使用の判定」等を行います。

不動産鑑定士はその分析スキル等を活かして、不動産オーナーに向けた最有効活用のアドバイスやコンサルティング等の支援を行います。

ビッグプロジェクトのコンサルティング例

出典:https://www.roppongihills.com/about/

六本木ヒルズ等のような大都市に存する有数の大規模商業ビルの成功の背景には、不動産鑑定士による鑑定評価やコンサルティングがあり、その結果として不動産の持つ価値が最大限に引き出され、沢山の人々が利用する便利で快適な商業ビルが誕生するのです。

同様に分譲マンションや大規模工場等の、私達の生活を支える様々な不動産の開発や「街づくり」の成功の背景にも、多くのケースで不動産鑑定士が関わっており、鑑定評価やコンサルティング等の存在があります。

個人的な悩み等に関するコンサルティング例

I:不動産の相続について

  • 相続する不動産を相続人で等価で分割したい
  • 不動産と現金の相続割合の妥当性を確認したい

II:中古住宅の売買について

  • 売買価格の妥当性の評価
  • 損をしない中古住宅の購入や売却についての相談

Ⅲ:借地権者や賃借人とのトラブル解決

  • 借地権者との賃料や一時金(更新料・条件変更承諾料等)の金額についてのトラブル
  • 契約内容についてのトラブル

Ⅳ:不動産有効活用や不動産投資について

  • 固定資産税や相続税の対策として土地の活用をしたい
  • 不動産投資に興味があるが何から始めればいいのか分からない

このように不動産鑑定士によるコンサルティングの幅は広く、不動産全般の相談窓口と言えます。

2. なぜ不動産鑑定士は三大国家資格の一つとされているのか?

不動産鑑定士という資格は、弁護士、公認会計士に並び、三大国家資格の一角を担う資格と言われています。

世の中にある様々な資格の中で「三大国家資格」と言われる所以は様々ありますが、大きく分けて以下の3点にまとめることが出来ます。

三大国家資格とされる理由

①難関国家資格である

②与えられる権限が大きい

③社会的影響力が大きい

以下、それぞれ簡単に解説していきます。

2-1. 理由①|難関国家資格である

不動産鑑定士試験は大きく分けて4つの段階があります。

  1. 一次試験:マークシート方式
  2. 二次試験:3日間にわたる論文式試験
  3. 実務修習:1年又は2年コース
  4. 終了考査(三次試験):口頭試問及び筆記試験(短答式+論文式)

上記の試験を全てクリアしなければ資格登録をすることが出来ません。

必要な勉強時間も二次試験合格までで約2500〜3000時間以上と言われており、不動産系の資格で最も有名な「宅建士」でさえ、勉強時間は約400時間程度で合格率は約15%となっているのに対し、不動産鑑定士試験の最終合格率はわずか3%程で、合格率を比べるだけでもその難易度が極めて高いことがわかります。

さらに、難関の二次試験合格後に1年〜2年の実務修習をこなし、最終的な終了考査に合格しなければ不動産鑑定士にはなれません。

2-2. 理由②|与えられる権限が大きい

不動産鑑定士は、「鑑定評価」という独占業務を行うことが出来、鑑定評価は上記のように法的根拠を有し公的な証明になるという社会的責任の非常に大きな業務です。

そのため高度な専門知識を必要とし、不動産や関係法令に精通する者のみが可能とするものであることから、その試験内容も専門性と難易度が非常に高く、三大国家資格と言われる理由の一つとなっています。

3-3. 社会的影響力が大きい

例えば、鑑定評価によって固定資産税等が変動したり、投資家保護のために証券化される不動産には鑑定評価が義務付けられていたり、企業会計における時価評価の際の鑑定評価、裁判での証拠資料としての鑑定評価額の採用、土地収用における補償金の算定のための鑑定評価額の採用等、公的なお墨付きを持つ鑑定評価額は社会的影響力が非常に大きいものなのです。

上記のような理由から、不動産鑑定士は、弁護士、公認会計士と共に、「三大国家資格」として社会的に認知されています。

3. 不動産鑑定士は何を解決してくれるの?<経済価値に関する問題編>

不動産鑑定士が解決してくれる問題としては主に以下のようなものが挙げられます。

<経済価値(価格・賃料)に関する問題>

  1. 不動産の遺産分割問題
  2. 不動産に関する相続税評価額の圧縮
  3. 借地の更新・整理に関わる問題
  4. 投資用不動産の投資価値判断
  5. 不動産の長期的な資産価値維持や向上

3-1. 不動産の遺産分割問題

相続財産に不動産が含まれると、相続人間で揉めることなく公平な遺産分割をするには、その不動産の時価を把握する必要があります。

その場合に、不動産鑑定士は鑑定評価を通して、金融資産と不動産の相続に関する適正な相続分の判定等の問題の解決をしてもらえます。

3-2. 不動産に関する相続税額の圧縮

相続税は相続税評価額によって決定されますが、税務署は画一的に評価を行うため、実勢価格よりも不相応に高くなってしまうこともあります。

そのような場合に、不動産鑑定士は税理士と連携しながら相続税評価額を適正な価格まで圧縮し、結果として相続税軽減の手伝いをしてもらえます。

3-3. 借地の更新・整理に関わる問題

借地人と土地所有者の間には、賃料トラブル、土地の返還に関するトラブル、更新や一時金等の様々なトラブルが発生することがあります。

不動産鑑定士に相談すれば、鑑定評価を通じて割安・割高となっている借地の賃料改定の手伝いや、更新料等の一時金の適正な金額の評価、旧法借地権や現行借地権それぞれに基づく土地の返還に関する問題解決等、借地に関するトラブル全般の解決に向けた支援が受けられます。

3-4. 投資用不動産の投資価値判断

どの不動産に投資すべきか?、不動産投資の際はまず何をすべきなのか?、現在の不動産投資が適切なのか?等、不動産投資には様々な疑問や不安があるかと思います。

このような場合も、不動産鑑定士は不動産投資に係る市場の分析や、不動産の鑑定評価を通じて、投資価値のある不動産の選定を行い、適切な物件購入や証券化された不動産に対しての投資等についてのアドバイスやサポートをしてもらえます。

3-5. 不動産の長期的な資産価値維持や向上

保有する不動産の価値を長期的に維持又はより向上させるためにはどうしたら良いかや、修繕の内容や必要性の判断等、既に保有している不動産の管理運営についても多くの悩みがあるかと思います。

これらの問題も不動産鑑定士に相談することで、不動産の価値を維持又は向上させるための設備の更新や追加等の具体的内容の判断や、適切な修繕計画の策定等、長期的に管理運営のサポートをしてもらえます。

4. 不動産鑑定士は何を解決してくれるの?<最有効使用に関する問題編>

<最有効使用に関する問題>

  1. 遊休土地の活用
  2. 空き家の活用
  3. 老朽化不動産の建替・修繕
  4. 投資用不動産の収益性向上
  5. 企業価値向上のための不動産の最適な活用

4-1. 遊休土地の活用

お持ちの遊休不動産の最適な使用方法は何か?ご所有の不動産を取り巻く市場の分析を始め、最も効率的な活用の具体的内容等についての悩みの解決をしてもらえます。

4-2. 空き家の活用

実家が空き家になっている、転勤が多く自宅が空き家状態になっている等、ご所有の空き家に関しての様々な問題に関して、相談者の生活スタイルや対象となる空き家に係る市場や環境を加味して、最適な活用の提案をしてもらえます。

4-3. 老朽化不動産の建替・修繕

お持ちの老朽化不動産の建替や修繕のタイミング、建替の場合の最適な内容、修繕の必要性の判断や具体的な修繕内容等の悩みについて、ご所有の不動産の価値を最大限に引き出す具体的内容や方法について提案してもらえます。

4-4. 投資用不動産の収益性向上

投資用不動産は収益が命です。そこで、空室が目立つ、近隣の不動産と差別化したい等の収益性向上に関する問題について、市場分析やご所有の不動産の内容を踏まえて、空室回避の方法や、差別化のための適切なリノベーション・コンバージョン等の提案やサポートをしてもらえます。

4-5. 企業価値向上のための不動産の最適な活用

企業の価値を向上させるべく、ご所有の不動産の価値や収益性を向上させる最適な活用方法の提案や、不動産の買い換えによる資産価値向上等のサポートもしてもらえます。

 

このように不動産鑑定士は不動産の経済価値の判定やその前提となる様々な分析・検討を通して、売却・用途の変更・建物を取り壊して最有効使用のものに建替等の判断や、アフターフォローについて等、不動産に関わるあらゆる問題解決を支援してくれる存在です。

5. 宅建士と不動産鑑定士の違いとは?

一般に、不動産系の資格で最も有名な資格は「宅建士」で、宅建士と不動産鑑定士を混同してしまっている人も多いですが、両者は全く異なる資格です。

宅建士は、不動産の売買や賃貸の際の重要事項の説明や契約書の作成のために必要となる資格を言います。

宅建士は不動産の売買や賃貸の仲介の場面で必要な知識に関して特化した専門家と言うことが出来ますが、不動産全般に関して高度な専門知識を有する不動産鑑定士とは大きく異なります。

宅地建物取引士(宅建士)

→売買や賃貸の仲介についての実務家
(不動産売買や賃貸の際の重要事項説明や契約書作成業務を行う)

 

不動産鑑定士

→不動産全般についての高度専門家
(不動産に関する高度な専門知識や不動産を取り巻く幅広い法律に精通する)

宅建士と不動産鑑定士は試験制度の違いや難易度に始まり、それぞれに認められる業務内容や専門性の幅についても明確に異なるものとなっています。

6. 不動産鑑定士へ相談するメリットとは?

不動産に関わる問題を不動産鑑定士に相談するメリットは様々あり、本ページではごく一部のご紹介になりますが、不動産全般に関して高度な専門性を有する不動産鑑定士だからこそ、目の前の悩みだけでなく潜在的な問題についても解決してもらえることが多くあります。

  1. 不動産鑑定士にのみ認められている「鑑定評価」
  2. 不動産に一番詳しい専門家
  3. 潜在的な問題や関連する問題も見つけてくれる
  4. 精神的安心や経済面でもメリットを得られる

6-1. 不動産鑑定士にのみ認められている「鑑定評価」

不動産の「鑑定評価」は不動産鑑定士の独占業務であり、鑑定評価額は不動産の価値に関する公的なお墨付きを与えられた価格です。

そのため、例えば遺産分割に関して家族内での争いが起きている時や、借地人や借家人との賃料トラブルが発生している時、不動産の売買価格が適正かどうかを客観的かつ公平に判定して欲しい場合等、不動産鑑定士による鑑定評価によって解決出来る問題が実は多く存在します。これらの問題は、不動産鑑定士の独占業務から享受できる大きなメリットといえます。

6-2. 不動産に一番詳しい専門家

不動産鑑定士は不動産に最も詳しい専門家であるからこそ、前述のような遺産分割に関する揉め事の解決や、遊休不動産や空き家の処分や活用に関する悩み、投資用不動産の選定のアドバイス、空室の多い賃貸用不動産の収益性向上についてのアドバイス、不動産の資産としての価値を向上させるような維持・修繕の具体的アドバイス等、不動産全般の悩みに対しての的確なコンサルティングにより問題解決のサポートをしてもらえます。

6-3. 潜在的な問題や関連する問題も見つけてくれる

例えば、公平な遺産分割をしたいというニーズから派生する潜在的な問題として、分割後の適正な活用方法が何かや、そもそも不動産を分割するのではなく売却して金銭を分割した方がメリットがある等の関連問題や潜在的問題に気付かせてくれるだけでなく、それらについての解決のサポートまでしてもらえます。

6-4. 精神的安定や経済面でもメリットを得られる

不動産は人生で一番高い買い物であり、そのような不動産は維持するだけでも税金の支払いや修繕等の多額のコストがかかり、問題の発生も多く簡単に解決出来ない事案が多いものです。

そのような不動産の悩みや問題に関して、最高峰の知識と専門性を有する不動産鑑定士に相談することで、無駄なコストの削減についてや、損をしない売買・賃貸についてのアドバイス、事前のトラブル回避等により、不動産に関して精神的安心と経済的にも大きなメリットを享受出来できるでしょう。

 

以上は、ほんの一例に過ぎませんが、人生最高額な資産でありながら、この世に同じものは二つと存在しない個別性の極めて高い不動産だからこそ、不動産について最も高度な専門性を有する不動産鑑定士に相談するメリットは大きいと言えるでしょう。

7. まとめ

いかがでしたでしょうか?

不動産についての悩みや問題解決には、専門知識や豊富な経験が必要となります。また、目前の問題を解決したとしても関連する他の問題が発生したりと、不動産を所有する中で多くの悩みや問題が発生することも多くあります。

本ページでご紹介してきた通り、不動産に関する様々な問題については、不動産に最も詳しい高度な専門家である不動産鑑定士に相談することが最良の解決への近道となると言えます。

不動産に関する悩みや問題がある場合は、小さなことでもまず不動産鑑定士に相談してみるとよいでしょう。

弊社では、多数の不動産鑑定士とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、不動産鑑定士への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

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