不動産鑑定評価と査定はどう違う?8つの違いと使い分けの3つのポイント

「不動産鑑定評価」や「査定」という言葉を耳にしたことがあるけど、そもそもどう違うのか、具体的な内容やどのような場面で利用するものなのか気になっていませんか?

不動産鑑定評価とは、不動産に関する高度な専門知識を持った不動産鑑定士が行う、不動産の適正な経済価値(価格や賃料)についての評価です。

そして、不動産鑑定士が判定した価格や賃料の鑑定評価額は、専門家による客観的な適正価額として、公的にも通用する価額として扱われることから、様々な場面で不動産鑑定評価が活用されています。

一方、不動産の査定とは、不動産業者が売買価格を決定するために参考意見である査定価格の提示のために行うものであり、両者は算出する主体も、その内容も大きく異なります。

このページでは、不動産についての専門知識がない人でも不動産鑑定評価と査定の違いや、両者を上手に使い分けるポイントについて詳しく理解できるように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、不動産鑑定評価と査定についての詳細な理解が得られ、自身のニーズに合わせてそれぞれを有効に活用できるようになるでしょう。

1. 不動産鑑定士が行う「不動産鑑定評価」とは?

不動産に関する高度な知識と不動産に関連する法令に幅広く精通する不動産鑑定士が、「不動産の鑑定評価に関する法律」に則り、不動産の適正な経済価値(価格・賃料)を判定することを「不動産鑑定評価」と言います。

不動産鑑定評価によって判定された価格や賃料を「鑑定評価額」と言い、鑑定評価額は「公的に通用するお墨付きを与えられた不動産の価格(賃料)」と言い換えることが出来ます。

「公的に通用するお墨付き」とは、裁判所や税務署等の公的機関でも通用する不動産の価格や賃料であること指します。

不動産鑑定評価は高度な専門性を有する不動産鑑定士にのみ認められた独占業務です。

2. 不動産業者が行う「査定」とは?

「不動産鑑定評価」が不動産鑑定士によって不動産の適正な経済価値(価格・賃料)の評価であるのに対し、宅地建物取引業者による「査定」は不動産の売却価格を決定する際の、言わば宅建業者による「参考意見」と言うことが出来ます。

「査定」は「不動産の鑑定評価に関する法律」に則ったものではなく、査定方法も業者ごとにまちまちでばらつきが大きいものになります。

従って「査定」によって算出される「査定価格」は、裁判所や税務署に提出が出来るような公的に通用するお墨付きは無く、宅建業者は査定価格に対して法的責任も負いません

このように「不動産鑑定評価」と「査定」は根本的に異なるものであることから、目的に応じて上手に使い分けることが必要になります。

3. 「不動産鑑定評価」と「査定」との決定的な8つの違い

「不動産鑑定評価」と「査定」との決定的な8つの違い

  1. 価格を算出する主体の違い
  2. 必要とする資格の違い
  3. 価格の評価方法の違い
  4. 活用する場面の違い
  5. 公的に通用するか否かの違い
  6. 法的責任の有無の違い
  7. 費用の違い
  8. 時間の違い

「不動産鑑定評価」と不動産業者による「査定」は、主に上記のような決定的な8つの違いがあります。

それぞれの違いを理解して、自身のニーズに合うように効率的に使い分けることでお悩みや問題解決の最短解決に繋がるでしょう。

 3-1.  算出する主体の違い

「査定価格」と「鑑定評価額」はそもそも算出を行う主体が違います。

上記の通り、「査定」は宅建士を置く宅地建物取引業者(不動産業者)が行うものであり、単純に不動産価格のおおよその相場観を掴みたいだけの場合に活用すべきものと言えるでしょう。不動産鑑定評価のように法律に則って価格を算出するのではなく、不動産業者毎に独自の方法で価格を算出するため、公的証明力のある価格ではなく、算出した不動産業者に法的責任も発生しません

一方、「鑑定評価額」は不動産鑑定士が「不動産の鑑定評価に関する法律」に則って算出されるものであり、鑑定評価額は不動産の適正な価格を表すものとして公的証明力が付与され、国や都道府県等が取引の際に規準としたり、裁判所や税務署等の公的機関でも採用される価格となっています。

そのため、算出した不動産鑑定士には社会的責任があり、法的責任も発生するのです。

3-2. 必要とする資格の違い

必要とする資格の違い

  • 「査定」→誰でもできる。(宅地建物取引業には宅建士の資格が必要なため、通常は宅建士が行うことが多い)
  • 「不動産鑑定評価」→不動産鑑定士の資格が必要

「査定」と「不動産鑑定評価」では、前述のように算出主体の違いだけでなく、不動産鑑定評価は「不動産の鑑定評価に関する法律」により不動産鑑定士のみが行うことが出来ます。

「査定」と「不動産鑑定評価」の違いを理解するには、算出する主体となる「宅建士」と「不動産鑑定士」の違いを理解するとわかりやすいでしょう。

宅建士は、不動産の売買や賃貸の仲介の場面で必要な知識に関して特化した実務家と言うことが出来ますが、不動産全般に関して高度な専門知識を有する不動産鑑定士とは大きく異なります。

宅地建物取引士(宅建士)

→売買や賃貸の仲介についての実務家
(不動産売買や賃貸の際の重要事項説明や契約書作成業務を行う)

 

不動産鑑定士

→不動産全般についての高度専門家
(不動産に関する高度な専門知識や不動産を取り巻く幅広い法律に精通する)

不動産系資格である上記2資格の違いは、そもそもの資格取得に必要な勉強時間の違いによっても理解することができます。

不動産系資格で最も知名度の高い「宅建士」はマークシート式(50問)の試験のみであり、標準的な勉強時間は約400時間程度で、合格率は約15%となっています。

一方、高度専門家である不動産鑑定士になるには以下のような険しい道のりを越える必要があります。

  1. 一次試験:マークシート方式(100問)
  2. 二次試験:3日間にわたる論文式試験
  3. 実務修習:1年又は2年コース
  4. 終了考査(三次試験):口頭試問及び筆記試験(短答式+論文式)

いわゆる不動産鑑定士試験と言われる二次試験合格までで必要な勉強時間は約2500〜3000時間以上と言われており、最終合格率はわずか3%程で、合格率を比べるだけでもその難易度が極めて高いことがわかります。

さらに、難関の二次試験合格後に1年〜2年の実務修習をこなし、最終的な終了考査に合格しなければ不動産鑑定士にはなれません。

このように宅建士と不動産鑑定士は試験制度の違いや難易度に始まり、それぞれに認められる業務内容や専門性の幅についても明確に異なるものとなっているため、宅建士を置く不動産業者による査定価格は、公的お墨付きや法的責任のある「鑑定評価額」とは異なり、仲介業者の「意見」と言えるのです。

3-3. 価格の評価方法の違い

価格の評価方法の違い

  • 「査定」→画一的な基準が無く業者によって方法は様々
  • 「不動産鑑定評価」→「不動産の鑑定評価に関する法律」及び「不動産鑑定評価基準」に則り主に3つの手法により算出

「査定」は決められた価格算出の方法は無く、宅建業者ごとに様々であり査定価格に大きなばらつきが出てしまう場合があります。

一方「不動産鑑定評価」は不動産価格の特性である以下の「三面性」を考慮の上、主に3つの手法を活用して算出するため、不動産鑑定業者ごとに価格に大きなばらつきが出ることは非常に少なくなります。

不動産価格(賃料)の三面性

  1. 「費用性」:再調達した場合に土地の造成や建物の建設等にどれだけの費用がかかるか
  2. 「市場性」:対象となる不動産が市場でどれだけの価値で取引されているか
  3. 「収益性」:対象となる不動産がどれだけの収益を生み出すものであるか

不動産鑑定評価では、主に上記の3つの観点から不動産の経済価値の評価が行われます。

この価格の三面性とは、一般に人が何かモノを購入しようとする時に、そのモノの価値判断の過程で考慮する三つの要素であると言われています。

例えば、不動産の価格を求める鑑定評価では、これらの三面性をそれぞれ適切に反映する以下のような手法を適用して、専門家である不動産鑑定士が適正な鑑定評価額を判定します。

不動産の価格を求める三手法

  • 費用性 → 積算法
  • 市場性 → 取引事例比較法
  • 収益性 → 収益還元法

不動産鑑定評価ではこれらの手法を活用し不動産価格を3つの側面から求めるため、不動産の適正な価値を評価出来ると共に業者ごとに価格のばらつきが少なくなるのです。

3-4. 活用する場面の違い

活用する場面の違い

  • 「査定」→単純に不動産のおおよその相場観を掴みたいだけの場合に活用すべき
  • 「不動産鑑定評価」→不動産の価格や賃料に関するトラブルの際や適正な価値が知りたい場合に活用すべき

「査定」と「不動産鑑定評価」は、目的に応じて活用する場面が違います。

不動産の売出し価格の決定にあたっての事前調査等、単純に不動産のおおよその相場観を掴みたいだけの場合には、宅建業者による「査定」を活用すべきです。

なぜなら、後述するように「不動産鑑定評価」には費用が掛かりますが、「査定」の場合には基本的に宅建業者が無料で行なっているため、一括査定等で複数の宅建業者から査定を取ることにより、おおよその相場観であれば無料で掴めるからです。

ただし査定価格があまりにも相場とかけ離れていると思われる場合や、なかなか買手が見つからないという場合には、不動産の適正価値と売出し価格が見合っていない場合もあるため、そのような場合には不動産鑑定評価を活用するのも良いでしょう。

他方、公的証明力が必要な不動産トラブルの際や適正な価値が知りたい場合等では、査定では問題解決が出来ないため、不動産鑑定評価を活用する必要があります。

3-5. 公的に通用するか否かの違い

公的に通用するか否かの違い

  • 「査定価格」→公的証明力なし
  • 「不動産鑑定評価額」→公的証明力あり

宅建業者の「査定」によって算出される「査定価格」は、公的に通用する価格ではないため、裁判所や税務署といった公的機関に提出することは出来ず、調停や裁判等に発展した「価格」に関するトラブルの解決を行うことは出来ません。

一方、不動産鑑定業者による「鑑定評価額」は、前述の通り公的なお墨付きを与えられた価格であるため公的機関への提出はもちろん、親族間での遺産分割や財産分与に関する争い等のような、不動産価格に公平性や客観性が必要な場面で有効なものになります。

3-6. 算出主体の法的責任の有無の違い

算出主体の法的責任の有無の違い

  • 「査定」→宅建業者(宅建士)に法的責任なし
  • 「不動産鑑定評価」→不動産鑑定業者(不動産鑑定士)に法的責任あり

前述の通り「査定」は決められた法律に則って価格を算出するものではなく、宅建業者によって異なるものです。

従って公的効力がないものであると同時に算出主体である宅建業者(宅建士)には査定価格に対しての法的責任は発生しません

一方、「不動産鑑定評価」は「不動産の鑑定評価に関する法律」に則って行われるものであり、不動産鑑定評価によって算出される鑑定評価額は一般の不動産取引の規準とされたり、裁判での証拠資料や相続税・固定資産税といった税金の計算上の基礎ともなる大変重要なものです。

そのため鑑定評価額の算出は法律に則り適正に行わなければならず、不動産鑑定業者(不動産鑑定士)にはその社会的な責任の大きさゆえに、法的責任が発生します

従って、当然不当な鑑定評価を行うことは出来ず、必ず適正な手順を踏み根拠を明らかにして価格を算出そなければならないため、鑑定評価額は信頼性のある専門家による価格として公的機関でも採用されています。

3-7. 費用の違い

費用の違い

  • 「査定」→基本的に無料
  • 「不動産鑑定評価」→有料

報酬を受け取って不動産の価格の判定を行うことは「不動産鑑定評価」にあたり、不動産鑑定士の独占業務であるため、「査定」において宅建業者が報酬を受け取ることは「不動産の鑑定評価に関する法律」に抵触します。従って、宅建業者による「査定」は基本的に無料となっています。

「不動産鑑定評価」は、不動産に関する高度な専門家による適正な価格・賃料の評価であり、前述のように公的な証明力と法的な責任が発生することから、「査定」とは異なって費用がかかります。

費用は不動産の種類や規模、依頼の内容によって変わるため一概には言えませんが、おおよそ以下のような金額になります。

不動産鑑定評価に要する費用は案件の内容にもよりますが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている不動産鑑定報酬基準に基づくとおおよそ上記の金額になります。

実際に不動産鑑定評価が必要なのかや具体的な費用が知りたい等の場合には、まず無料相談の申し込みをすると良いでしょう。

また「簡易鑑定評価」、「意見書」等を活用することで費用を大幅に安く抑えることもできます。

無料相談では自身のニーズに合わせて必要な書類はどれか等を不動産鑑定士が判断してくれるので、有効に活用することで費用の効率化が図れます。

※参考:不動産鑑定評価にかかる費用についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
不動産鑑定士に鑑定評価を頼むと幾らかかる?目安費用から安く抑える方法まで全解説

3-8. 期間の違い

期間の違い

  • 「査定」→数日〜1週間程度(インターネット査定の場合瞬時)
  • 「不動産鑑定評価」→2週間程度〜

「査定」は一般的に対象となる不動産自体の状況の確認や周辺環境の確認を行った上で、類似の不動産の実際の取引価格等を考慮して価格が算出されます。

早い業者だと数日で算出してくれる場合もありますが、おおよそ1週間程度かかる業者が多いようです。

「不動産鑑定評価」は、対象となる不動産に関するヒアリング、現地確認、関係法令等の詳細な調査、市場の分析、鑑定評価額の算出、法的根拠のあるものであることを表示する「鑑定評価書」の作成等、一定の手順が必要となります。

このように「不動産の鑑定評価に関する法律」及び「不動産鑑定評価基準」に則り不動産鑑定士が様々な調査や分析を行うため、相応の時間が必要となります。

不動産の種類や依頼内容によって要する時間はまちまちですが、おおよその目安として約2週間程度の期間を見ておくと良いでしょう。

鑑定業者によっては「鑑定評価額」を中間報告として教えてくれる場合もあるので、急ぎの場合には事前に中間報告を受けたい旨を伝えて置くと良いかもしれません。

また、ニーズによっては「簡易鑑定評価」や「意見書」を活用することで「不動産鑑定評価」よりも短期間で書類の交付を受けられます

4. 両者を上手に使い分ける3つのポイント

4-1. 「公的なお墨付き」を必要とする場面か否か

算出される価格に対して「公的なお墨付き」を必要とするか否かで、「査定」を利用すべきか「不動産鑑定評価」を利用すべきかが変わります。

例えば裁判等で裁判所へ不動産の適正な価格を提出しなければならない場合等のように公的機関に不動産の価格を提示する場合には不動産鑑定評価額でなければ採用してもらえません。

このように「公的なお墨付き」のある価格を必要とする場面では不動産鑑定評価を活用すべきです。

4-2. 「公平性」を必要とする場面か否か

相続で公平な遺産分割がしたい、離婚で公平な財産分与がしたい等の場合のように、不動産の価格に「公平性」が必要となる場面があります。

例えば不動産を含む相続財産を分割する際、不動産を相続税評価額に基づいて遺産分割をするケースが多くありますが、これでは公平な遺産分割をすることは出来ません。

なぜなら相続税評価額は時価の約8割程度の評価となるため、例えば相続人2人で現金1億円と相続税評価額1億円の不動産をそれぞれ相続した場合、不動産を相続した人は現金で言うと約1億2500万円を相続したことになってしまい公平な遺産分割とはなりません。

このように不動産の価格に「公平性」が必要となる場合には不動産鑑定評価を活用すべきと言えます。

4-3. 単純に不動産の「売出し価格を決めたい」だけの場面か否か

所有する不動産の売却に際して単純に「売出し価格を決めたい」という場面では、複数の宅建業者による「査定」を活用しておおよその相場観を把握した上で売出し価格を設定すると良いでしょう。

不動産の売出し価格は売主が決めることが出来るため、価格を決めるための事前調査として複数の宅建業者に「査定」を依頼して相場観を掴んだ上で、売出し価格を決定することで買手が見つかるであろうと考えられる価格の範囲内で最も高い売り出し価格の設定が可能となります。

ただし査定価格があまりにも相場とかけ離れていると思われる場合や、なかなか買手が見つからないという場合には、不動産の適正価値と売出し価格が見合っていない場合もあるため、そのような場合には不動産鑑定評価を活用すべきです。

また不動産を「損せず買いたい」場合には、不動産鑑定評価を活用することで不動産の適正な価格が把握出来るため、割高での取引を回避することが出来る等、損をしないための購入戦略を立てられるため、安易に売り出し価格を鵜呑みにしないよう注意すべきです。

不動産の売り出し価格は、売り手の高く売りたいという希望が反映されて割高になっている場合が多くあるため、不動産鑑定評価を活用して適正な価格を把握することで、割高な物件かどうか判断することが出来ます。

5. それぞれに必要な書類と依頼の際の注意点

宅地建物業者による「査定」と不動産鑑定業者による「不動産鑑定評価」は、それぞれ価格の算出目的が異なるため、必要書類も異なる部分があり、依頼に際しての注意点も異なります。

それぞれに必要な書類と依頼の際の注意点を以下で確認して、目的別に両者を有効に活用すると良いでしょう。

5-1. 「査定」に必要な書類

「査定」の主な必要書類一覧

  • 全部事項証明書(登記簿謄本。法務局で取得可能)
  • 公図(法務局で取得可能)
  • 地積測量図(法務局で取得可能)
  • 建物図面(査定対象に建物がある場合)
  • 登記済権利書又は登記識別情報
  • 身分証明書

不動産の「査定」においては上記の書類が主に必要になります。

しかし不動産業者によって必要書類の内容も異なるため、事前に問い合わせて確認しておくことでスムーズな依頼ができるでしょう。

また以下の7つの書類を必要に応じて提出することで、スムーズな売却に繋がったり、より正確な査定価格の算出に繋がる場合があります。

「査定」の際にあれば提出しておきたい7つの書類

上記の書類に加えさらに

  • 固定資産評価証明書又は固定資産税納税通知書
  • 管理規約・修繕履歴・修繕計画等(マンションの場合)
  • 建築確認済証・検査済証(建物遵法性の確認)
  • リフォームやリノベーションの契約書等(行っている場合)
  • 住宅性能評価書(住宅の場合)
  • 耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書(古い物件の場合)
  • ローン残高証明書又はローン返済予定表

これらの書類があれば提出することで、不動産業者だけでなく買手が安心して取引に臨めたり、リフォーム等で物件の価値が上がっている場合には「リフォーム済み物件」としての査定してもらえるため、より正確に相場観を掴むことが出来るようになります。

ただしインターネットの「一括査定サイト」等では書類の提出は不要で、物件の立地や規模、不動産の種類等の大まかな情報のみで査定してもらうことが出来ます。

しかし入力情報が大まかなだけあって、査定価格の精度もかなりアバウトなものになることに注意が必要です。

インターネットの一括サイトは、本格的に売却に関する行動を起こす前の下調べの状況等で活用するのに向いているかもしれません。

5-2. 「査定」依頼の際の注意点

「査定」を依頼する際の注意点

  1. 複数の宅建業者に「査定」を依頼すること
  2. 各業者に提出する書類は統一すること

宅地建物取引業者による不動産の「査定」は、「不動産鑑定評価」のように法律に則って決められた適正な方法で価格を算出するものではありません。

従って宅地建物取引業者ごとに価格算出の基準や方法がまちまちです。

そのため業者によって査定価格が大きく異なる場合が多いことに注意が必要です。

また「査定」を依頼する際は、複数の業者に同一書類を提出して依頼をしましょう。

5-3. 「不動産鑑定評価」に必要な書類

不動産鑑定評価には主に以下の書類が必要になります。

これらは自身で取得できない場合には、不動産鑑定業者に取得を依頼することもできます。

不動産鑑定評価の主な必要書類一覧

  • 固定資産評価証明書又は固定資産税納税通知書
  • 全部事項証明書(登記簿謄本。法務局で取得可能)
  • 住宅地図
  • 公図(法務局で取得可能)
  • 地積測量図(法務局で取得可能)
  • 建物図面・各階平面図(評価対象に建物がある場合)
  • 道路・下水道台帳(市役所・区役所等で取得可能)
  • 管理規約・修繕履歴・修繕計画等(マンションの場合)
  • 建築確認済証・検査済証(建物遵法性の確認)
  • 賃貸借契約書(賃貸物件の評価の場合)
  • 財務諸表(事業用不動産の場合)
  • リフォームやリノベーションの契約書等(行っている場合)
  • 住宅性能評価書(住宅で取得している物件の場合)
  • 耐震診断報告書(古い物件で調査済みの場合)
  • アスベスト使用調査報告書(古い物件で調査済みの場合)

上記が不動産鑑定評価において主に必要となる書類の一覧ですが、対象とする不動産が自己利用の住宅か賃貸かや、一戸建てかマンションか等でも若干必要書類が変わってくるため、不動産鑑定士に詳細を確認すると良いでしょう。

鑑定評価額に大きな影響を与える可能性のある書類に注意

  • リフォームやリノベーションの契約書等(行っている場合)
  • 住宅性能評価書(住宅で取得している物件の場合)
  • 耐震診断報告書(古い物件で調査済みの場合)
  • アスベスト使用調査報告書(古い物件で調査済みの場合)

上記の一覧表の中でこれらの書類は、鑑定評価額に大きな影響を与える可能性があるため注意が必要です。

例えば、内外装のリフォームやリノベーションはその不動産の価値を上昇させますし、「住宅性能評価」は第三者機関による客観的な住宅の性能に関する評価であるため、これらの書類の提出で鑑定評価額をより高く算出してもらえる場合があります。

また耐震診断やアスベスト等に関する書類は、遵法性の確認や、必要であれば耐震補強・有害物質除去等の対策の要否を判断するために非常に有効な書類になり、鑑定評価額に大きな影響を与える場合があります。

不動産鑑定士は提出された資料に基づいて調査を行うため、資料の収集が困難な場合や、対象が賃貸中で入居者がいるため建物内部の調査が困難な場合等は、鑑定評価書交付までの期間が延長する場合があります。

5-4. 「不動産鑑定評価」依頼の際の注意点

「不動産鑑定評価」を依頼する際の注意点

  1. まずは無料相談で正確な報酬額を把握する
  2. 依頼内容に応じて「簡易鑑定書」や「意見書」で代用可能か判断してもらう

不動産鑑定業者はTEL・メール等で問い合わせを受け付けているので、まずは無料相談の申し込みをすると良いでしょう。

不動産鑑定士が交付してくれる書類は、「不動産鑑定評価書」の他に「簡易鑑定書」や「意見書」といったものがあります。

依頼目的や用途によってこれらを使い分けることで、時間と費用の効率化が図れます。

無料相談では、「不動産鑑定評価」、「簡易鑑定評価」、「意見書」等ニーズに合わせた交付資料の種類の相談や、実際の報酬額の無料見積もり、必要書類の確認等を不動産鑑定士が行なってくれます。

不動産鑑定評価は査定と違い、不動産鑑定評価基準に則って評価されるため鑑定評価額に大きな差は出ませんが、依頼内容によって報酬額が異なるためまずは無料相談を利用することをオススメします。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか?

「査定」と「不動産鑑定評価」は、明確な違いやそれぞれの有効な利用のタイミング等が分かりづらいものです。

本ページでご紹介してきた通り、それぞれ価格を求める目的や用途が異なるため、8つの違いと使い分けの3つのポイントを理解した上で活用することが最良の解決への近道となると言えます。

査定を受けてみたけど本当にこのままの価格で売却してしまって良いかどうかや、そもそも売却することが正しいのか、又は不動産の購入に際して損をしたくない等不動産の処分や購入に関する悩みは多いかと思いますが、不動産は大きな資産であるからこそ処分や購入に際しては慎重に検討し適切に判断することが肝心です。

このような不動産に関する悩みや問題がある場合は、小さなことでもまず不動産全般に関する高度な専門家である不動産鑑定士に相談してみるとよいでしょう。

弊社では、多数の不動産鑑定士とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、不動産鑑定士への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

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