不動産相続の遺産分割問題は鑑定評価で円満解決!4つの理由と活用すべき6パターン

不動産相続の遺産分割に際して不動産鑑定評価が活用されていると聞くけど、実際に自分にとって必要なのか、費用はどれぐらいかかるものなのか等気になっていませんか?

遺産分割において相続人間で話がまとまらない場合、調停や裁判へ発展することも多く、多額の費用と時間、更には非常に大きな心理的負担が長期に渡ってかかることにもなりかねません。

このような場合に上手く不動産鑑定評価を活用することで、不動産の相続における遺産分割問題を解決したり、事前に問題発生を回避することが出来るようになります

このページでは、遺産分割における不動産鑑定評価の有効性や具体的なメリット、費用等について詳しく理解出来るように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、不動産鑑定評価についての詳細な理解が得られ、遺産分割問題の早期解決が出来るようになるでしょう。

1. 不動産相続の遺産分割で鑑定評価が活用される4つの理由

不動産の相続における遺産分割問題では、様々な場面で不動産鑑定評価が活用されており遺産分割問題の事前回避や早期解決が図られていますが、それらの具体的内容に入る前に、そもそも不動産鑑定評価がどのようなものかを確認することで、活用方法等についてより理解を深めることが出来ます。

そもそも不動産鑑定評価とは?

→不動産鑑定士が客観的かつ公平性の観点から、公的証明力を持った不動産の適正な価格や賃料を判定すること

不動産鑑定評価によって判定される価格を「鑑定評価額」と言い、鑑定評価額は不動産の専門家である不動産鑑定士が、客観的な立場から不動産を評価した「適正な価格(賃料)」であり、裁判所等でも採用される「公的証明力が付与された唯一の価格」です。

鑑定評価額の判定においては、対象となる不動産の最適な活用方法(最有効使用)の判定も必ず行われ、その最有効使用を前提に適正な不動産の価値が算定されるため、不動産鑑定評価を行えば「不動産の適正価値」のみならず「最適な活用方法」についても専門家による判断が得られます

そのため、不動産の遺産分割問題の事前回避や解決に当たっても、主に上記の4つの理由から不動産鑑定評価が活用されています。

※不動産鑑定評価についてより詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

不動産鑑定評価とは?査定との違いやメリット・デメリット全解説

以下、それぞれの理由について詳しく解説していきます。

1-1. 公平な分割が出来るようになるため

不動産の遺産分割において問題が発生する大きなポイントが「公平性」の欠如です。

金融資産のように、時価を把握しやすく簡単に分割が可能な資産の場合には、公平性の点で大きな問題へと発展することは多くありませんが、不動産のように公平な分割が簡単ではなく、適正な価格の把握が一般人には困難な資産が含まれる場合には、相続人間で話がまとまらずに調停や裁判等、大きな問題へ発展するケースが多く存在します。

例えば3人の相続人のうち、1人が被相続人から当時の時価で3000万円の不動産の生前贈与を受けていた場合、公平な遺産分割を行うには、その不動産の相続発生時点における時価を求めなければならず、更にその他の相続不動産の時価及び金融資産の額の全てを加味して協議を行う必要があります。

このような場合に生前贈与された当時3000万円相当の不動産の適正な時価や、その他相続不動産の適正な時価を把握するために不動産鑑定評価が活用され、金融資産も含めた上で、生前贈与を受けた相続人とその他2人の相続人の分配割合に差を付けて公平性を保つ等、揉めることなくスムーズな遺産分割を行うことが出来るようになります。

上記の例のように、分割協議を行う上で適正な「判断基準となる価格」があることで、単純に公平な不動産の分割を行う場合は言うまでもなく、生前贈与や相続時精算課税制度等を使っている場合であっても各相続人の相続割合を公平に決めることが出来るため、不動産鑑定評価は遺産分割問題の事前回避や早期解決のために有効活用されているのです。

1-2. トラブルを事前回避出来るため

不動産の遺産分割においては様々なトラブルに発展するケースが多くありますが、前述のように不動産鑑定評価を活用して公平な遺産分割の判断基準となる価格を把握することで、結果的にトラブルを事前に回避出来るようにもなります。

不動産の遺産分割におけるトラブルの例として、3人の相続人で「戸建住宅」と毎月100万円の収益を生む「賃貸マンション」を分割しようとした場合に、家族内の状況にもよりますが、通常は収益を生む賃貸マンションを相続したいがために3人で争いが起きることが予想されます

これら予想されるトラブルに関して不動産鑑定評価を活用することで、「戸建住宅」と「賃貸マンション」の適正な価格を把握することが出来るため、鑑定評価額を分割協議における基準として、賃貸マンションの相続人がその他相続人に現金等を代償として支払う代償分割の方法等について具体的に話し合いが出来るようになります。

また代償分割で不動産や現金を支払う余裕がない場合には、全ての相続不動産を売却して3人で公平に分割する方法(換価分割)を取るための話し合いが出来るようになる等、相続人同士が冷静に話し合い、トラブルへの発展を回避するための安心材料としても活用されています。

遺産分割等でトラブルに発展した場合、関係の修復は容易でないケースが多く、金銭面や時間だけでなく精神面でも大きな負担がかかるため、それらを事前に回避してくれる不動産鑑定評価が多く活用されています。

1-3. 調停や裁判での証拠資料となるため

相続人間ではどうしても話し合いがまとまらず調停や裁判にまで発展するケースも多くありますが、裁判所が公平な判決を下すための証拠資料としても不動産鑑定評価による鑑定評価額が採用されています

裁判所等で採用される不動産の価格は、不動産の適正な価格として法律により公的証明力を与えられている「鑑定評価額」のみであり、不動産業者による査定価格や相続税評価額等は採用されません。

このように鑑定評価額は、不動産の相続に関する遺産分割において、問題の事前回避や公平な遺産分割のためだけでなく、調停や裁判等の大きなトラブルに発展した際にも裁判所で活用されるものであるため、相続人間での話し合いにおける大きな安心材料として広く活用されているのです。

1-4. 分割後の不動産の有効な活用方法が明確になるため

円満に協議を行い不動産を公平に分割するためには、分割後の不動産の活用方法や相続不動産の潜在価値を把握した上で協議を行うことが必要となります。

例えば賃貸マンションを相続した場合、短期間で空室が増えローンの返済が滞るといった問題が発生する場合がありますが、これは相続対象となる不動産に係る市場の情報や、賃貸経営に関する知識が足りないために起きる問題であり、こういった場面で不動産鑑定評価を活用することで、その不動産が属する市場における需要の状況や適正な用途の判定等をして貰えます。

その結果、継続してマンションとして使用するのではなく用途を事務所へ変更して活用する方がメリットが大きいといった判定や、用途変更よりも売却して別の不動産を購入した方が結果的に収入が多くなる等の判断が可能となるのです。

また有効活用ではなく、地価の動向に影響を与える経済情勢や金融市場の動向を鑑みた上で、不動産の需要増が見込まれる売却に適したタイミング等のアドバイスもして貰えるため、分割協議の時点で売却を行わず、高く売れる時期まで売却を見送る等の判断が出来るようになり、結果として相続人全員のメリットが大きくなる協議を行うことが出来るようになります

更に複数の不動産が相続対象となる場合には、単体の不動産の相続に比べ有効活用による全体の収入が多くなる等メリットも大きい反面、不適切な売却や活用をしてしまった際の損失も大きくなる等、慎重な判断が求められることから、不動産鑑定評価を活用するメリットが大きくなる等、不動産に関する遺産分割では、相続前後に関わらず多くの場面で不動産鑑定評価が活用されているのです。

2. 不動産相続の遺産分割で鑑定評価を活用すべき6つのパターン

不動産相続の遺産分割で鑑定評価を活用すべき6つのパターン

  1. 相続前に不動産の遺産分割協議の仕方を知りたい時
  2. 公平に土地を分筆したい時
  3. 第三者への適正な売却価格を知りたい時
  4. 共同相続人間での売買における適正な価格を知りたい時
  5. 既に発生している遺産分割争いを解決したい時
  6. 相続した不動産の有効な活用方法を知りたい時

不動産の相続における遺産分割問題で不動産鑑定評価が活用される理由について解説してきましたが、この章では不動産相続で不動産鑑定評価を活用すべき典型的な6パターンについて解説していきたいと思います。

ここで紹介する6パターン以外にも、不動産の遺産分割における問題は様々想定されるため、将来の遺産分割に関して気になる点がある場合には不動産鑑定士に相談してみると良いでしょう。

2-1. 相続前に不動産の遺産分割協議の仕方を知りたい時

不動産に関する遺産分割問題は、事前準備や、前提となる不動産や相続に関する知識が足りないために、前述のように調停や裁判等の大きな問題に発展するケースが多く存在しますが、このような典型的な問題を事前回避するには、遺産分割に関する必要知識や、揉めないための協議の仕方を把握しておくことが重要です。

例えば上記の図のように、相続予定の不動産の適正な価格が把握出来ていないために、公平な遺産分割の方法が分からず、このままでは分割協議で揉めてしまうといった典型的なケースがあります。

このケースは、不動産が金融資産のように簡単に時価を把握出来ないために発生する問題であるため、不動産鑑定評価を活用して相続対象の不動産の適正な価格を把握することで、全ての不動産を売却して金銭を分割する換価分割や、後述のような特定の相続人が不動産を相続して、その他の相続人に不動産や金銭を支払う代償分割といった遺産分割の方法を相続前から検討出来ることで、揉めることなく公平な分割協議を行うことが出来るようになります。

不動産の売却においても、不動産鑑定評価によって当該不動産の需要者層の判定をして貰えるため、例えば投資家が好む収益不動産の場合には、複数の投資家とパイプを持つ業者に仲介の依頼をする等、具体的な売却戦略を練ることで、高い売却価格かつ早期の売却が可能となります。

また対象不動産の立地、市場、周辺環境等を詳細に調査した結果、売却せずに飲食店をメインテナントとした賃貸店舗として活用することが最適である等の判定もして貰えるため、分割協議における選択肢や分割方法が増えるといったメリットもあります。

結果として、収益の公平な分配方法や、売却する不動産と活用する不動産の仕分け等、遺産分割協議前に様々な知識や情報を収集することが出来るため、不動産鑑定評価を活用して公平な遺産分割に関する知識や情報を相続発生前から事前に確認しておくべきと言えます。

2-2. 公平に土地を分筆したい時

相続した土地を公平に分筆する際、具体的にどのように分筆すれば対象の土地の価値を均等に分けられるのか、接道条件や面積で利用制限が発生しないように綺麗に分筆するにはどうすべきか等、公平な分筆には専門的な知識が必要となります。

例えば、上図のように、5人の相続人で二方路の土地を分割する際には、全面道路の幅員も異なり、建物の建築に必須の接道条件を満たそうとすると、旗竿敷地が出来てしまう可能性がある等、土地の利用条件も含め価値が均等になるような分筆を行うことは非常に難しい問題となります。

このような場合に不動産鑑定評価を活用することで、相続人の関係性も踏まえた上で、分割せず1棟建てにして区分所有した方が全員にメリットがある場合や、相続人のうち2人を1セットでカウント出来る場合には5分割ではなく4分割にして活用した方が結果的に全員にメリットが出るような活用方法の判定等、合理的な分割方法を検討することが出来るようになります。

上記の例以外にも、不動産は複雑な状況である場合が多いため、不動産鑑定評価を上手に活用して相続人全員が損なく公平な分割が出来るような協議を行うことが重要です。

2-3. 第三者への適正な売却価格を知りたい時

遺産の整理等において、相続対象の不動産を第三者へ売却し、売却益を相続人で均等に分ける場合等にも不動産鑑定評価を活用することで大きなメリットを享受することが出来ます。

不動産相続における遺産分割では、相続税の申告期限までに急いで不動産を売却するために買取業者に早期売却してしまうことが多くありますが、買取業者は転売目的で不動産を仕入れようとするため割安な査定価格を提示してくることが多く、不動産の適正な価値に見合った売却にならないという事案が多く発生します。

このような事態を回避するには、まず不動産鑑定評価を活用して不動産の適正な価格や典型的な需要者層を判定して貰った上で、典型的な需要者層と接点が強い不動産業者や金融機関等を介して、早期かつ高値で売却するための戦略を練ることが出来るため、相続税の申告期限が迫る中での割安な売却といった事態を回避出来る可能性が高くなります。

また建築法令の改正により、現在は8階建しか建てられないエリアに存在する10階建の建物(既存不適格建物)が相続不動産である場合には、現行法令で建築するよりも大きな収益を生み出している場合が多いため、売却を見送って現状の高い収益力を生かした方がメリットが大きい等の判断も不動産鑑定評価を活用することにより出来るようになる等、第三者への売却を検討する際にも不動産鑑定評価を活用するメリットは非常に大きいと言えます。

2-4. 共同相続人間で代償分割をする時

遺言がない場合は遺産分割協議を経て不動産を相続することになりますが、遺産分割協議が完了するまでの間は、法定相続人が相続対象となる不動産を共同で相続し、共有することになります。

その際に上記のように、共同相続人の一人が法定相続分以上の相続を受けた代償に、他の不動産や現金を共同相続人に支払うという代償分割の方法をとる場合があります。

代償分割の対象となる甲不動産と乙不動産の適正な価格が分からなければ、公平な代償分割を行うことが出来ないため、ここで不動産鑑定評価を活用して、共同相続人Aが相続する甲不動産や代償として引き渡す乙不動産の適正な価格を把握した上で分割協議を行うことが大切です。

不動産鑑定評価を活用することによって、甲乙不動産の適正な価格が把握出来るため、乙不動産と共に支払う現金の額も決定される等、公平な代償分割を行うことが出来るようになるのです。

このように不動産鑑定評価を活用することは、単純にトラブルを回避したり解決出来るという意味だけでなく、遺産分割の幅を広げるためにも重要な役割を果たしています。

2-5. 既に発生している遺産分割争いを解決したい時

不動産の相続における遺産分割に関して相続人間で話がまとまらず、すでに相続人間の関係がこじれて揉めている場合や、調停や裁判等に発展しているケースがあります。

前述の通り、不動産の遺産分割は様々なケースで揉めることがありますが、調停や裁判に発展する前の段階であれば「簡易鑑定評価」や「意見書」を活用することで、相続対象となる不動産の適正な価格が把握出来たり、状況に応じた不動産の適正な遺産分割に関する専門家からの意見を貰えるため、それらを基に再度協議を行うことで公平な分割協議が可能となります。

また調停や裁判に発展しているケースでも、裁判所は公的証明力を持つ鑑定評価額を基に公平な判決を下してくれるため、不動産の遺産分割協議に関する問題の解決では、不動産鑑定評価が大きなポイントとなると言えます。

直面している状況に合わせてこれらの書類を使い分けることで、費用や時間を無駄にすることなく問題の解決を行うことが出来るため、状況に合った書類を不動産鑑定士に判定してもらい、トラブルの事前回避や早期解決のために簡易鑑定評価や不動産鑑定評価を上手に活用すべきです。

2-6. 相続した不動産の有効な活用方法を知りたい時

無事に不動産の相続における遺産分割が終了した場合でも、相続した不動産の最適な活用方法が分からないといった悩みが発生することが多くあります。

不動産の活用と一言で言っても、賃貸マンションや賃貸事務所等といった賃貸用不動産としての活用や、自身の資産状況や金融情勢によっては一時的に駐車場として保有すべきである場合等、活用方法や活用のタイミング、将来的な売却の可能性等、何が最適なのかの判断は非常に難しいものです。

このような場合に不動産鑑定評価を活用することで、最適な活用方法の判定に加え、賃貸用不動産のベストな入居テナントの業種判定や、適正な賃料の評価、投資すべき建築費の判定、資産状況や金融情勢を踏まえた建築の時期や資金調達に関するアドバイス等、専門知識を活かした幅広いコンサルをして貰えるため、不動産の価値を最大限に発揮した活用が出来るようになります。

不動産鑑定評価は、不動産相続の遺産分割問題を解決出来るだけでなく、相続後における各相続人が抱える悩みや問題に関しても解決出来るため、分割協議時点だけでなく、長期的な目線で不動産鑑定士によるアドバイスを受けることが、長きに渡る不動産安定経営の大きなポイントと言えます。

3. 不動産鑑定評価にかかる費用はいくら?

不動産鑑定評価に要する費用は案件の内容にもよりますが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている不動産鑑定報酬基準に基づくとおおよそ上記の金額になります。

鑑定評価報酬は、対象となる不動産の種類と鑑定評価額を基に、各案件ごとの内容を加味して決定されますが、以下の3つのポイントにまとめることが出来ます。

3-1. 公的機関が目安とする「不動産鑑定報酬基準」

不動産鑑定評価の報酬額には、法律で定められた金額はありません。

そのため不動産鑑定業者ごとに金額はまちまちですが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている「不動産鑑定報酬基準」というものがあります。

「不動産鑑定報酬基準(クリックで拡大)

多くの不動産鑑定業者がこの報酬基準を基に、後述する案件ごとの内容を加味して報酬額を決定しています。

上記の通り、不動産鑑定評価を活用した場合数十万円の費用がかかるため、少し高く感じるかもしれません。

しかし、あくまで不動産鑑定報酬基準で考えた場合ですが、鑑定評価額5000万円未満なら評価額の約1%程度、鑑定評価額5000万円〜1億円でも評価額の約1%〜約0.8%と、報酬額の割合は非常に低く、相続における遺産分割問題は長期的に多くの負担がかかるものであるため、これで問題の早期解決が出来るのであれば決して高い費用とは言えないかもしれません

3-2. 不動産鑑定評価の依頼内容によって変わる

不動産鑑定評価の報酬額は上記の費用の目安の表からも分かる通り、対象が土地のみの場合、建物のみの場合、土地建物セットの場合、マンションの場合等、不動産の種類によって報酬額が変わります。

そして依頼内容や対象となる不動産の状況によっても報酬額が変動することを頭に入れておくと良いでしょう。

以下は主に報酬額が増加する事由の例になります。

相続における不動産の遺産分割に関わる報酬額の割増事由

  • 証拠資料として裁判所へ不動産価格の提出が必要な場合
  • 対象不動産が遠方の場合
  • 借地権や底地等複雑な不動産の評価の場合

これらは一部の例になりますが、不動産鑑定士による現地調査の手間の増大、不動産鑑定士の法的責任の増大、確認すべき権利関係が複雑な場合、必要資料の取得の難易度等の理由によって報酬額が増加します。

逆に、1年以内に同一不動産の鑑定評価を行なっていた場合、前回の資料が活用できることもあるため「再評価割引」として内容に応じた割引をしてもらえる場合もあります。

詳しくは、不動産鑑定士の無料相談を受けた際や問い合わせに併せて無料見積もりを取ると良いでしょう。

4. 不動産鑑定評価にはどのくらいの時間がかかる?

不動産鑑定評価は、依頼後にまず必要書類の収集を行い、不動産鑑定士による対象となる不動産に関するヒアリング、現地確認、関係法令等の詳細な調査、市場の分析、鑑定評価額の算出、法的根拠のあるものであることを表示する「鑑定評価書」の作成等、一定の手順が必要となります。

このように「不動産の鑑定評価に関する法律」及び「不動産鑑定評価基準」に則り不動産鑑定士が様々な調査や分析を行うため、相応の時間が必要となります。

不動産鑑定評価に要する時間は、不動産の種類や依頼内容によってまちまちですが、おおよその目安として約2週間程度の期間を見ておくと良いでしょう。

不動産鑑定業者によっては、約一週間程度で鑑定評価額を中間報告として事前に教えてくれる業者もいるため、急ぎで鑑定評価額だけでも必要である場合には、依頼時にその旨を伝えておくと良いでしょう。

また後述のように、調停や裁判に発展しておらず、内部資料として使うだけで鑑定評価書までは必要でないという場合には、より短い期間でできる「簡易鑑定」を行なっている業者もあるため、気になることがある場合はまず不動産鑑定業者の簡易鑑定を利用してみるのも良いかもしれません。

5. 「簡易鑑定評価」や「意見書」の活用で費用や時間は抑えられる!

不動産鑑定評価書は、高度な専門家である不動産鑑定士が直接現地に赴き調査を行い、対象となる不動産の状況や関係法令、不動産市場の分析等を行い「公的に通用する不動産の適正な価格・賃料」に関する調査内容や市場分析の内容をまとめた書類であるため、前述の通り裁判所等の公的機関に提出する際に有効な資料となります。

一方、自身や家族内で参考資料が欲しい場合のような、第三者へ提出する必要が無く公的効力を必要としない場合には、代わりに「簡易鑑定評価」や不動産鑑定士による「意見書」を活用することで費用を大幅に抑えることが出来ます。

5-1. 「簡易鑑定評価」

「簡易鑑定評価」とは、自身や家族内でのみ参考資料として活用する場合に有効な簡易版鑑定評価書を言います。

不動産鑑定評価書と同じく不動産鑑定士が現地に赴き調査を行いますが、不動産鑑定評価書の作成に比べ記載内容や価格や賃料の評価手法等が簡易的になっているものを言います。

「簡易鑑定評価」は裁判所等の第三者へ提出する資料としては証拠能力は低くなりますが、費用は鑑定評価書に比べ3〜4割程度割安であり、通常の鑑定評価書より短い期間で済むため、裁判等へ発展する以前の段階で、相続人間で不動産の適正な価格を把握した上で分割協議をする際に「簡易鑑定評価」は非常に有効となるでしょう。

5-2. 「意見書」

「意見書」は、現地調査等は行わず不動産鑑定士が机上で対象とする不動産の時価を算出するものです。

地域の価格水準や賃料水準が知りたい場合や、以前算出された鑑定評価額の価格を現在の価値に換算してもらう際に有効な資料になります。

こちらも裁判所等の第三者へ提出する資料としては証拠能力は低くなりますが、費用は数万円程度であり、通常の鑑定評価書より要する期間も短く、かつ費用を大きく抑えることが出来るため、売買等の際の意思決定の検討資料として「意見書」も非常に有効であると言えます。

調停や裁判で早急に書類が必要となる場合や、調停等まで発展せず家族内での話し合いにおいて公平性のある資料が欲しい場合等、自身のニーズに合わせて「不動産鑑定評価」、「簡易鑑定評価」、「意見書」を上手に使い分けることで、時間や費用の効率化を図ることが出来ます。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか?

不動産の相続における遺産分割問題は、相続人間で話がまとまらずに調停や裁判に発展するケースも多くあり、解決までには多額の費用や時間を要し、更には相続人間の関係悪化による家族の分裂等、経済面の負担だけでなく精神的にも大きな負担がかかるものです。

このような事態を回避又は早期解決するには、不動産鑑定評価を上手に活用し、相続対象である不動産の適正な価値を把握することが重要です。

不動産の相続における遺産分割問題に関しては、相続開始前後を問わず、まず専門家である不動産鑑定士に相談し、適切な対策についてや早期の問題解決に関する的確なアドバイスを受けることをオススメします。

弊社では、多数の不動産鑑定士とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、不動産鑑定士への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

 

 

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