土地売却で失敗しないための不動産鑑定評価活用術!メリットから費用まで全解説

土地の売却において不動産鑑定評価を活用すべきか気になっているけど、具体的な活用のメリット等が分からず依頼すべきか悩んでいませんか?

土地売却の際は、適正な売却価格の決定や売却のタイミングの判定等が難しいために、割安な価格で売却してしまったり、次の不動産の購入にまで影響が出るほど大きな損失が発生するケースもあります。

しかし不動産鑑定評価を活用することで、売却対象となる土地の適正な価格を把握出来るだけでなく、適切な売却タイミングや典型的な需要者を把握出来るため、効率的な売却計画が立てられ、損失を発生させることなく売却を行うことが出来るようになります

このページでは、不動産の売却や不動産鑑定評価についての専門知識がない人でも、上手な土地売却が出来るように以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、土地売却における不動産鑑定評価の活用方法についての詳細な理解が得られ、自身の悩みや問題の早期解決が可能となるでしょう。

1. 土地売却における不動産鑑定評価活用の5つのメリット

土地の売却は、単純な引越しや住み替えのような場面だけでなく、突然の転勤による早期売却や、相続による相続不動産としての土地売却等、一言で土地売却と言ってもその場面は様々です。

そして、土地に限らず不動産の売却は手間や時間を要するものであるため、出来るだけ早期に、かつ、なるべく高い価格で売却することが理想的ですが、あまりにも売り急ぐと割安な価格での売却となってしまったり、逆に高すぎる売却価格を設定してしまうと買手が付かず無駄に時間や手間を費やしてしまうことにもなりかねません。

このような場合に、不動産鑑定評価を活用することで不動産の適正な価値を「鑑定評価額」として把握出来るため、これを基準として、早期かつ買手が付くなるべく高い売却価格の設定等といった上手な売却戦略を立てられるようになります。

この章では、土地売却の様々な場面に共通する問題や悩みの解決に活用されている、「不動産鑑定評価」について5つの活用メリットを紹介していきます。

1-1. 最適な売却のタイミングが分かる

土地の売却に当たって、価格決定同様に重要となるのが売却のタイミングです。

地価は、経済状況や金融情勢等といったの景気の変化に伴い、日本全体及び地域単位で相場が常に変動を続けているものであり、さらにその土地の状況や地域環境に応じても価格が大きく変化するため、タイミングを見誤ってしまうと数百万〜数千万単位で損失が発生することもあります

地価の動向に注意するのはもちろんのこと、例えば、売却予定の不動産の近くに新駅が出来る場合や、大規模開発が予定されている場合のような地域環境の変化は、不動産の売却価格に大きな変化を与えるものであるため、その動向に注意して最適なタイミングで売却することが得策ですが、そのタイミングの判断が非常に難しい問題となります。

このような場合に、不動産鑑定評価を活用することで、後述のように典型的な需要者を判定してもらえるだけでなく、経済情勢や周辺地域の状況に関する詳細な調査から、最適な売却タイミングの判定をして貰うことが出来るというメリットがあります。

1-2. 典型的需要者が明確になり売却戦略が立てられる

土地は、立地・規模・周辺環境等によって、居住用・商業用・工業用というように用途が変わるため、それぞれ個人・法人・投資家等のように「典型的な需要者」が異なり投資家であれば不動産が生み出す「収益性」を重視して、個人であれば土地の造成費用等の「費用性」や類似の不動産と比較した「市場性(市場価値)」を重視して取引意思を決定するため、対象不動産の「典型的な需要者」を把握し、適切な売却戦略を立てることが重要です。

しかしながら、不動産業者の査定では、必ずしも売却対象不動産の典型的な需要者を的確に判定して貰えるとは限らず、典型的需要者をターゲットとした、早期かつ買手が付く範囲で最大限に高い価格での売却といった「売却戦略」を立てることが出来ず、時間や手間が増大するだけでなく、気付かないうちに大損をしてしまうということも多く発生します。

このような場合に、不動産鑑定評価を活用することで、経済状況や様々な不動産需要者の動向、売却対象の不動産の最適な活用方法等を総合的に考慮して「典型的な需要者」の判定をして貰えるため、典型的需要者に応じた仲介業者の選定や、需要者毎の有効なアプローチ方法の検討等といった「売却戦略」を立てることができ、なるべく高く早期の売却が実現出来るというメリットがあります。

1-3. 損をしない価格での売却が出来る

前述の通り土地の売却に当たっては、適切なタイミングの判定、典型的需要者の把握に加え、適切な売却価格の設定も重要なポイントとなりますが、適切な価格設定を行うには売却対象の土地の適正な価値を把握することが重要です。

一般的に土地の売却をする際には、複数の不動産業者に査定を依頼して相場観を把握した上で売却価格の設定を行いますが、「査定」は不動産業者間で統一された評価方法というものは無く、その方法は業者毎にまちまちであることや、不動産業者は依頼者の要望に早期に応えるべく敢えて買手が付きやすい低い査定価格を提示してくる場合がある等の理由から、「査定価格」は売却対象となる不動産の価値を適切に反映した価格とは言えません。

そのため、査定価格で売却を行うと知らないうちに損をしてしまうことが多々ありますが、売却価格設定の際に不動産鑑定評価を活用することで、売却対象となる不動産の価値を反映した適正な売却価格を算出して貰えるだけでなく、典型的な需要者を把握出来るため、前述の通り売却戦略が立てられ、損をしない価格での売却が出来るようになるというメリットがあります。

1-4. やむなく早期売却する場面でも足元を見られずに売却出来る

土地売却の場面として、転勤により早期売却が必要な場合や、相続によって相続税申告期限までに早期売却したい場合等、早く売却したいけど、でも損もしたくない、という場面があります。

十分な時間があれば複数の不動産業者に査定してもらい、相場観を把握した上で高く買ってくれる先を探すのが一般的ですが、売り急いでいる場面では早期に売却するために、価格の妥当性を判断せずに不動産業者の仲介を利用して割安で売却してしまったり、買取業者に破格な値段で売却してしまうということがあります。

売り急いでいる場面では、不動産業者は一旦仲介役として買手が付きやすい低い査定価格で売出しを行なった後、早期に売れなければ正当な理由無く売出し価格より更に割安な価格で買取を申し出てくるといったことが多くありますが、これは売主が対象不動産の適正な価値を把握していないがために足元を見られて起きる問題であり、早期売却が実現したとしても必要以上に大きな損失が発生してしまうのです。

こういった事態を回避するためには、不動産鑑定評価を活用して、売却予定の土地の適正な価格を事前に把握しておくのはもちろんのこと、前述のように「典型的な需要者」を判定して貰うことで、買取ではなく典型的な需要者とのパイプの強い不動産業者に仲介を依頼する等の「売却戦略」を立てることができ、損なく早期の売却が出来るようになります。

また、突然の転勤の指示で数週間しか時間が与えられないというような超短期売却の場合には、後述する「簡易鑑定評価」や「意見書」を活用することで、数日程度で適正な価格等を把握出来るため、時間が無い中で損なく上手な売却を行うためはこれらの資料も非常に有効です。

上記のように、止むを得ず割安価格で早期売却せざるを得ない場合でも、不動産鑑定評価の活用方法を知っておくことで、なるべく損をせずにスムーズな売却が出来るという大きなメリットがあります。

1-5. 土地の価格に関するトラブルの解決が出来る

土地売却においては、例えば、買主と価格の妥当性に関してトラブルになるケースや、会社役員が保有する土地を法人名義に変更する際に、税務署から価格の妥当性に関する指摘を受けるケース等、「価格」に関する問題が発生する場合があります。

前者では、不動産鑑定評価を活用することで対象不動産の適正な価格が把握出来るため、鑑定評価額を基準として協議を行えますし、仮に調停や裁判に発展したとしても、裁判所は鑑定評価額を基に公平な判決を下してくれます

また後者のように、会社役員が所有する不動産を法人名義に変更する際には、購入金額を自由に設定出来るが故に脱税が疑われ、加算税や延滞税が課される場合があります。

このような事態を回避・解決する場合にも、不動産鑑定評価を活用して対象不動産の適正な価格を把握した上で売買を行うことで、税務署からの指摘を回避・解決が出来るようになる等、様々な問題解決が出来るというメリットがあります。

不動産売買は、価格の妥当性に関して問題が発生するケースが多いため、トラブルの事前回避という意味でも不動産鑑定評価を上手に活用して安全な取引を行うと良いでしょう。

2. 「不動産鑑定評価」と「査定」との決定的な8つの違い

「不動産鑑定評価」と「査定」との決定的な8つの違い

  1. 価格を算出する主体の違い
  2. 必要とする資格の違い
  3. 価格の評価方法の違い
  4. 活用する場面の違い
  5. 公的に通用するか否かの違い
  6. 法的責任の有無の違い
  7. 費用の違い
  8. 時間の違い

「不動産鑑定評価」と不動産業者による「査定」は、主に上記のような決定的な8つの違いがあります。

それぞれの違いを理解して、自身のニーズに合うように効率的に使い分けることでお悩みや問題解決の最短解決に繋がるでしょう。

 2-1.  算出する主体の違い

「査定価格」と「鑑定評価額」はそもそも算出を行う主体が違います。

上記の通り、「査定」は宅建士を置く宅地建物取引業者(不動産業者)が行うものであり、単純に不動産価格のおおよその相場観を掴みたいだけの場合に活用すべきものと言えるでしょう。

不動産鑑定評価のように法律に則って価格を算出するのではなく、不動産業者毎に独自の方法で価格を算出するため、公的証明力のある価格ではなく、算出した不動産業者に法的責任も発生しません

一方、「鑑定評価額」は不動産鑑定士が「不動産の鑑定評価に関する法律」に則って算出されるものであり、鑑定評価額は不動産の適正な価格を表すものとして公的証明力が付与され、国や都道府県等が取引の際に規準としたり、裁判所や税務署等の公的機関でも採用される価格となっています。

そのため、算出した不動産鑑定士には社会的責任があり、法的責任も発生するのです。

不動産売却の際は、前述の活用メリットを考慮した上で、それぞれを上手に活用すると良いでしょう。

2-2. 必要とする資格の違い

必要とする資格の違い

  • 「査定」→誰でもできる。(宅地建物取引業には宅建士の資格が必要なため、通常は宅建士が行うことが多い)
  • 「不動産鑑定評価」→不動産鑑定士の資格が必要

「査定」と「不動産鑑定評価」では、前述のように算出主体の違いだけでなく、不動産鑑定評価は「不動産の鑑定評価に関する法律」により不動産鑑定士のみが行うことが出来ます。

「査定」と「不動産鑑定評価」の違いを理解するには、算出する主体となる「宅建士」と「不動産鑑定士」の違いを理解するとわかりやすいでしょう。

宅建士は、不動産の売買や賃貸の仲介の場面で必要な知識に関して特化した実務家と言うことが出来ますが、不動産全般に関して高度な専門知識を有する不動産鑑定士とは大きく異なります。

宅地建物取引士(宅建士)

→売買や賃貸の仲介についての実務家
(不動産売買や賃貸の際の重要事項説明や契約書作成業務を行う)

 

不動産鑑定士

→不動産全般についての高度専門家
(不動産に関する高度な専門知識や不動産を取り巻く幅広い法律に精通する)

不動産系資格である上記2資格の違いは、そもそもの資格取得に必要な勉強時間の違いによっても理解することができます。

不動産系資格で最も知名度の高い「宅建士」はマークシート式(50問)の試験のみであり、標準的な勉強時間は約400時間程度で、合格率は約15%となっています。

一方、高度専門家である不動産鑑定士になるには以下のような険しい道のりを越える必要があります。

  1. 一次試験:マークシート方式(100問)
  2. 二次試験:3日間にわたる論文式試験
  3. 実務修習:1年又は2年コース
  4. 終了考査(三次試験):口頭試問及び筆記試験(短答式+論文式)

いわゆる不動産鑑定士試験と言われる二次試験合格までで必要な勉強時間は約2500〜3000時間以上と言われており、最終合格率はわずか3%程で、合格率を比べるだけでもその難易度が極めて高いことがわかります。

さらに、難関の二次試験合格後に1年〜2年の実務修習をこなし、最終的な終了考査に合格しなければ不動産鑑定士にはなれません。

このように宅建士と不動産鑑定士は試験制度の違いや難易度に始まり、それぞれに認められる業務内容や専門性の幅についても明確に異なるものとなっているため、宅建士を置く不動産業者による査定価格は、公的お墨付きや法的責任のある「鑑定評価額」とは異なり、仲介業者の「意見」と言えるのです。

2-3. 価格の評価方法の違い

価格の評価方法の違い

  • 「査定」→画一的な基準が無く業者によって方法は様々
  • 「不動産鑑定評価」→「不動産の鑑定評価に関する法律」に則り主に3つの手法により算出

「査定」は決められた価格算出の方法は無く、宅建業者ごとに様々であるため、査定価格に大きなばらつきが出てしまう場合があります。

一方「不動産鑑定評価」は不動産価格の特性である以下の「三面性」を考慮の上、主に3つの手法を活用して算出するため、不動産鑑定業者ごとに価格に大きなばらつきが出ることは非常に少なくなります。

不動産価格(賃料)の三面性

  1. 「費用性」:再調達した場合に土地の造成や建物の建設等にどれだけの費用がかかるか
  2. 「市場性」:対象となる不動産が市場でどれだけの価値で取引されているか
  3. 「収益性」:対象となる不動産がどれだけの収益を生み出すものであるか

不動産鑑定評価では、主に上記の3つの観点から不動産の経済価値の評価が行われます。

この価格の三面性とは、一般に人が何かモノを購入しようとする時に、そのモノの価値判断の過程で考慮する三つの要素であると言われています。

例えば、不動産の価格を求める鑑定評価では、これらの三面性をそれぞれ適切に反映する以下のような手法を適用して、専門家である不動産鑑定士が適正な鑑定評価額を判定します。

不動産の価格を求める三手法

  • 費用性 → 積算法
  • 市場性 → 取引事例比較法
  • 収益性 → 収益還元法

不動産鑑定評価ではこれらの手法を活用し不動産価格を3つの側面から求めるため、不動産の適正な価値を評価出来ると共に、業者ごとに価格のばらつきが少なくなるのです。

2-4. 活用する場面の違い

活用する場面の違い

  • 「査定」→単純に不動産のおおよその相場観を掴みたいだけの場合に活用すべき
  • 「不動産鑑定評価」→不動産の価格や賃料に関するトラブルの際や適正な価値が知りたい場合に活用すべき

「査定」と「不動産鑑定評価」は、目的に応じて活用する場面が違います。

不動産の売出し価格の決定にあたっての事前調査等、単純に不動産のおおよその相場観を掴みたいだけの場合には、宅建業者による「査定」を活用すべきです。

なぜなら、後述するように「不動産鑑定評価」には費用が掛かりますが、「査定」の場合には基本的に宅建業者が無料で行なっているため、一括査定等で複数の宅建業者から査定を取ることにより、おおよその相場観であれば無料で掴めるからです。

ただし査定価格があまりにも相場とかけ離れていると思われる場合や、なかなか買手が見つからないという場合には、不動産の適正価値と売出し価格が見合っていない場合もあるため、そのような場合には不動産鑑定評価を活用するのも良いでしょう。

他方、不動産の価格に関するトラブルのように公的証明力が必要な場合や、適正な価値が知りたい場合等では、査定では問題解決が出来ないため、不動産鑑定評価を活用する必要があります。

2-5. 公的に通用するか否かの違い

公的に通用するか否かの違い

  • 「査定価格」→公的証明力なし
  • 「不動産鑑定評価額」→公的証明力あり

宅建業者の「査定」によって算出される「査定価格」は、公的に通用する価格ではないため、裁判所や税務署といった公的機関に提出することは出来ず、調停や裁判等に発展した「価格」に関するトラブルの解決を行うことは出来ません。

一方、不動産鑑定業者による「鑑定評価額」は、前述の通り公的なお墨付きを与えられた価格であるため公的機関への提出はもちろん、親族間での遺産分割や財産分与に関する争い等のような、不動産価格に公平性や客観性が必要な場面で有効なものになります。

2-6. 算出主体の法的責任の有無の違い

算出主体の法的責任の有無の違い

  • 「査定」→宅建業者(宅建士)に法的責任なし
  • 「不動産鑑定評価」→不動産鑑定業者(不動産鑑定士)に法的責任あり

前述の通り「査定」は決められた法律に則って価格を算出するものではなく、宅建業者によって異なるものです。

従って公的効力がないものであると同時に算出主体である宅建業者(宅建士)には査定価格に対しての法的責任は発生しません

一方、「不動産鑑定評価」は「不動産の鑑定評価に関する法律」に則って行われるものであり、不動産鑑定評価によって算出される鑑定評価額は一般の不動産取引の規準とされたり、裁判での証拠資料や相続税・固定資産税といった税金の計算上の基礎ともなる大変重要なものです。

そのため鑑定評価額の算出は法律に則り適正に行わなければならず、不動産鑑定業者(不動産鑑定士)にはその社会的な責任の大きさゆえに、法的責任が発生します。

従って、当然不当な鑑定評価を行うことは出来ず、必ず適正な手順を踏み根拠を明らかにして価格を算出そなければならないため、鑑定評価額は信頼性のある専門家による価格として公的機関でも採用されています。

2-7. 費用の違い

費用の違い

  • 「査定」→基本的に無料
  • 「不動産鑑定評価」→有料

報酬を受け取って不動産の価格の判定を行うことは「不動産鑑定評価」にあたり、不動産鑑定士の独占業務であるため、「査定」において宅建業者が報酬を受け取ることは「不動産の鑑定評価に関する法律」に抵触します。従って、宅建業者による「査定」は基本的に無料となっています。

「不動産鑑定評価」は、不動産に関する高度な専門家による適正な価格・賃料の評価であり、前述のように公的な証明力と法的な責任が発生することから、「査定」とは異なって費用がかかります。

費用は土地の規模や依頼の内容によって変わるため一概には言えませんが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている不動産鑑定報酬基準に基づくとおおよそ20万円〜40万円程となります。

ただし借地権や底地の評価の場合費用が高くなる場合があるため、借地権価格の評価の場合には依頼時に詳細に確認すると良いでしょう。

また、家族内で土地の売却価格を協議する場合や、単純に土地の適正な価値を知りたい等のように、第三者や公的機関に鑑定評価額を提出する必要の無い場合には、後述する「簡易鑑定評価」や「意見書」等を活用することで費用や時間を大幅に安く抑えることも出来ます。

そのため、まず無料相談で自身のニーズに合わせて必要な書類はどれか等を不動産鑑定士に判断してもらい、費用や時間の効率化を図ると良いでしょう。

2-8. 期間の違い

期間の違い

  • 「査定」→数日〜1週間程度(インターネット査定の場合瞬時)
  • 「不動産鑑定評価」→2週間程度〜

「査定」は一般的に対象となる不動産自体の状況の確認や周辺環境の確認を行った上で、類似の不動産の実際の取引価格等を考慮して価格が算出されます。

早い業者だと数日で算出してくれる場合もありますが、おおよそ1週間程度かかる業者が多いようです。

一方「不動産鑑定評価」は、対象となる土地に関する依頼者等へのヒアリング、境界や土地状況把握のための現地確認、関係法令等の詳細な調査、市場の分析、鑑定評価額の算出、法的根拠のあるものであることを表示する「鑑定評価書」の作成等、一定の手順が必要となります。

土地の規模であったり、底地の評価で借地人がいるために敷地内調査等が出来ないケースのように、調査がスムーズに行えるか否かにもよりますが、おおよその目安として約2週間程度の期間を見ておくと良いでしょう。

また、前述の通り「簡易鑑定評価」や「意見書」を活用することで「不動産鑑定評価」よりも短期間で書類の交付を受けられます

3. 不動産鑑定評価にはどのくらいの費用がかかるのか?

ここでは土地の鑑定評価だけでなく、一般的な不動産の鑑定評価に要する費用について紹介していきます。

不動産鑑定評価に要する費用は案件の内容にもよりますが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている不動産鑑定報酬基準に基づくとおおよそ上記の金額になります。

鑑定評価報酬は、対象となる不動産の種類と鑑定評価額を基に、各案件ごとの内容を加味して決定されますが、以下の3つのポイントにまとめることが出来ます。

3-1. 公的機関が目安とする「不動産鑑定報酬基準」

不動産鑑定評価の報酬額には、法律で定められた金額はありません。

そのため不動産鑑定業者ごとに金額はまちまちですが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている「不動産鑑定報酬基準」というものがあります。

「不動産鑑定報酬基準(クリックで拡大)

多くの不動産鑑定業者がこの報酬基準を基に、後述する案件ごとの内容を加味して報酬額を決定しています。

上記の通り、不動産鑑定評価を活用した場合数十万円の費用がかかるため、少し高く感じるかもしれません。

しかし、あくまで不動産鑑定報酬基準で考えた場合ですが、鑑定評価額5000万円未満なら評価額の約1%程度、鑑定評価額5000万円〜1億円でも評価額の約1%〜約0.8%と、報酬額の割合は非常に低く、土地売却では価格の妥当性に関してや、損をしない売却方法等に関する様々な疑問や問題が発生し、場合によっては数百万円単位で損をすることもザラであることを考えると、これで安心した土地売却が出来るのであれば決して高い費用とは言えないかもしれません

3-2. 不動産鑑定評価の依頼内容によって変わる

不動産鑑定評価の報酬額は上記の費用の目安の表からも分かる通り、対象が土地のみの場合、建物のみの場合、土地建物セットの場合、マンションの場合等、不動産の種類によって報酬額が変わります。

そして依頼内容や対象となる不動産の状況によっても報酬額が変動することを頭に入れておくと良いでしょう。

以下は土地売却において、主に報酬額が増加する事由の例になります。

土地売却における報酬額の割増事由

  • 証拠資料として裁判所や税務署へ不動産価格の提出が必要な場合
  • 対象不動産が遠方の場合
  • 敷地が借地権(定期借地権を含む)、底地である場合
  • 土壌汚染等有害物質による汚染がある場合

これらは一部の例になりますが、不動産鑑定士による現地調査の手間の増大、不動産鑑定士の法的責任の増大、確認すべき権利関係が複雑な場合、必要資料の取得の難易度等の理由によって報酬額が増加します。

逆に、1年以内に同一不動産の鑑定評価を行なっていた場合、前回の資料が活用できることもあるため「再評価割引」として内容に応じた割引をしてもらえる場合もあります。

詳しくは、不動産鑑定士の無料相談を受けた際や問い合わせに併せて無料見積もりを取ると良いでしょう。

4. 不動産鑑定評価の依頼から鑑定評価書交付までの流れとかかる時間は?

前述の通り、不動産鑑定評価は「不動産の鑑定評価に関する法律」に則り、まず不動産鑑定士が必要書類を収集した上で、対象不動産の確認、市場調査、関係法令の詳細調査等の様々な調査や分析を行うため、相応の時間が必要となり、土地は借地権や底地であったり、土壌汚染等がある場合や物件が遠方の場合でなければ、おおよそ約2週間程度が目安となります。

ただし不動産鑑定業者によっては、約一週間程度で鑑定評価額を中間報告として事前に教えてくれる業者もいるため、急ぎで鑑定評価額だけでも必要である場合には、依頼時にその旨を伝えておくと良いでしょう。

また土地売却後における次の物件購入のアドバイスが貰えたり、投資用不動産の買い替えであれば、経済情勢や市場の動向を調査した上で投資に適した賃貸用不動産の紹介や、J-REIT等の不動産証券化商品についての投資コンサル等、売却後も長期的にアフターフォローを受けることで、新たな物件購入等で失敗せず、長期に渡って安心した運用をすることが出来ます。

5. 「簡易鑑定評価」や「意見書」の活用で費用や時間は抑えられる!

不動産鑑定評価書は、不動産鑑定士が直接現地に赴き調査を行い、対象となる不動産の状況や関係法令、不動産市場の分析等を行い「公的に通用する不動産の適正な価格・賃料」に関する調査内容や市場分析の内容をまとめた書類であるため、前述の通り裁判所等の公的機関に提出する際に有効な資料となります。

一方、自身や家族内で土地売却における参考資料が欲しい場合のような、第三者へ提出する必要が無く公的効力を必要としない場合には、代わりに「簡易鑑定評価」や不動産鑑定士による「意見書」を活用することで費用を大幅に抑えることが出来ます。

5-1. 「簡易鑑定評価」

「簡易鑑定評価」とは、自身や家族内でのみ土地の売却価格を決定する際の参考資料として活用する場合に有効な、簡易版鑑定評価書を言います。

不動産鑑定評価書と同じく不動産鑑定士が現地に赴き調査を行いますが、不動産鑑定評価書の作成に比べ記載内容や価格や賃料の評価手法等が簡易的になっているものを言います。

「簡易鑑定評価」は裁判所等の第三者へ提出する資料としては証拠能力は低くなりますが、費用は鑑定評価書に比べ3〜4割程度割安であり、通常の鑑定評価書より短い期間で済むため、売却予定の土地の適正な価格を把握した上で、売却戦略を練るする際に「簡易鑑定評価」は非常に有効となるでしょう。

5-2. 「意見書」

「意見書」は、現地調査等は行わず不動産鑑定士が机上で対象とする不動産の時価を算出するものです。

地域の価格水準や賃料水準が知りたい場合や、以前算出された鑑定評価額の価格を現在の価値に換算してもらう際に有効な資料になります。

こちらも裁判所等の第三者へ提出する資料としては証拠能力は低くなりますが、費用は数万円程度であり、通常の鑑定評価書より要する期間も短く、かつ費用を大きく抑えることが出来るため、土地の売買等の際における意思決定の検討資料として「意見書」も非常に有効であると言えます。

自身のニーズに合わせて「不動産鑑定評価」、「簡易鑑定評価」、「意見書」を上手に使い分けることで、土地売却における時間や費用の効率化を図ることが出来ます。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか?

土地売却と一言で言っても、適正な売却価格の設定、売却タイミングの見極め、仲介業者の選定等、実際の取引に入る前に多くの疑問や課題が発生するだけでなく、転勤に伴い早期売却が必要となる場合等、直面している状況によってもその難易度が上がるものです。

このような売却に関するお悩みや問題を解決して上手に土地を売却するためには、綿密な「売却戦略」を練ることが重要です。

しかし単に不動産業者に仲介を依頼するのみでは解決出来ないことや知らぬ間に損をしてしまう場合もあるため、自身の土地売却に関して不安がある場合には、事前に不動産鑑定士に相談し、事前準備から売却に至るまでの的確なアドバイスを受けることをオススメします。

弊社では、建築・税務・金融を熟知した経験豊かな不動産鑑定士が所属しており、多数のパートナー不動産鑑定士とも協力しながら、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、不動産鑑定士への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

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