不動産の適正な時価とは?投資で大切な鑑定評価額とその他の価格の違いを全解説

不動産の時価について知りたいけど、そもそも時価とはどういうものなのかや、適正な時価はどこで知ることが出来るのか等気になっていませんか?

不動産に関する価格といえば、不動産業者の査定価格や固定資産税評価額・相続税評価額等いくつかの種類があり、どれが適正な時価と言えるのかやそれぞれの価格の使い所の判断は専門知識がなければ難しい問題になります。

これら様々ある不動産の価格の中で適正な時価を表す価格を「鑑定評価額」と言い、「鑑定評価額」は、不動産の適正な時価として国や裁判所等の公的機関でも採用される、公的証明力を持った不動産の価格のことを言います。

本ページでは、不動産の適正な時価を表す鑑定評価額とその他の不動産価格との違いや、鑑定評価額の活用がメリットになる10のケースについて以下の流れに沿って解説していきたいと思います。

このページを読めば、不動産の時価及び不動産鑑定評価についての理解が得られ、鑑定評価額の活用による様々な問題解決が出来るようになるでしょう。

1. そもそも不動産の適正な時価とはどのような価格か?

不動産の「時価」という言葉を耳にしたことはあっても、具体的にどの価格を指すものなのか明確に理解している人は少ないように思えます。

以下、「適正な時価」について具体的に解説していきたいと思います。

1-1. 不動産の適正な時価とは?

不動産の時価と言われる価格は複数ありますが、不動産鑑定士によって評価される「鑑定評価額」を「適正な時価」と言うことが出来るでしょう。

広辞苑や大辞林において「時価」とは、「その時の相場」や「市価」又は「市場価格」と記載がありますが、「鑑定評価額」は不動産鑑定士が対象となる不動産を取り巻く環境や、市場の状況、その不動産の個別性等を「不動産鑑定評価基準」に則り具体的に評価して求めるものであり、評価の基準となった日における不動産の価格として、「適正な時価」と言われています。

これは賃料に関しても同様で、「不動産鑑定評価基準」に基づいて不動産の経済価値を判定しているため、不動産鑑定評価によって求められた賃料は、不動産の適正な価値を表す「適正な賃料」とされています。

その他不動産業者による「査定価格・賃料」も市場価格や相場賃料等と言うことが出来るかもしれませんが、不動産業者間で統一された明確な評価方法は存在せず、必ずしも不動産の価値を適切に表したものとは言えないため、「適正な時価」と言うことは出来ないでしょう。

また相続税や固定資産税の根拠となる「相続税・固定資産税評価額」も「時価」と言われることもありますが、これらはそもそも実勢価格の8割や7割で評価されているものであり、また算出方法も不動産毎の個別性を適切に反映した方法ではなく、画一的におおよその評価を行なっているため、不動産の価値を適正に表す価格と言うことは出来ません。

このような理由から、鑑定評価額は「適正な時価」として、国が不動産取引を行う際に規準とされたり、裁判所や税務署等の公的機関でも採用される、公的証明力を与えられた唯一の価格・賃料とされているのです。

1-2. 不動産鑑定評価による不動産の評価方法とは?

不動産価格(賃料)の三面性

  1. 「費用性」:再調達した場合に土地の造成や建物の建設等にどれだけの費用がかかるか
  2. 「市場性」:対象となる不動産が市場でどれだけの価値で取引されているか
  3. 「収益性」:対象となる不動産がどれだけの収益を生み出すものであるか

不動産鑑定評価では、主に上記の3つの観点から不動産の経済価値(価格・賃料)の評価が行われます。

この価格の三面性とは、一般に人が何かモノを購入しようとする時に、そのモノの価値判断の過程で考慮する三つの要素であると言われています。

例えば、不動産の価格を求める鑑定評価では、これらの三面性をそれぞれ適切に反映する以下のような手法を適用して、専門家である不動産鑑定士が適正な鑑定評価額を判定します。

不動産の価格を求める三手法

  • 費用性 → 積算法
  • 市場性 → 取引事例比較法
  • 収益性 → 収益還元法

また対象とする不動産を求める需要者によって、上記の三面性のうちどれをより重視して評価するかが変わります。

例えば賃貸マンションのような収益物件は、一般に居住用の住宅を求める人ではなく、投資家等が購入者になります。

投資家は収益性を重視してどの賃貸マンションを購入するかを検討するため、鑑定評価も投資家が重視する対象不動産の収益力に特に着目して鑑定評価額の決定が行われます。

このように不動産鑑定評価では、価格の三面性や経済情勢、対象不動産を取り巻く地域環境、対象不動産の個別性を具体的に調査した上で、一つの手法ではなく上記の三手法を活用して検証を行って適正な価格を判定しています。

賃料に関しても価格の三面性を基に、賃貸借契約の内容や市場の状況を総合的に勘案して不動産の経済価値を判定し、適正な賃料を判定しています。

1-3. 「査定価格」や「相続税・固定資産税評価額」とはどのような価格か?

不動産業者による「査定価格・賃料」は不動産の適正な価値を表すものではなく、売主や賃貸人が売買価格や貸出し賃料を決定する際の「参考意見」として扱われるため、公的証明力を与えられた価格や賃料ではありません。

経験豊富な不動産業者であれば不動産の種類毎の相場観を把握しており、市場価格・賃料にある程度精通していますが、市場価格・賃料の把握の方法も不動産業者毎に異なるため、あくまで時価に関する参考意見として捉えるのが良いでしょう。

また、相続税や固定資産税の計算上の基準として用いられる「相続税評価額」や「固定資産税評価額」は、路線価を用いた画一的な方法で不動産を評価したものです。

課税対象となる不動産の数は無数にあり、不動産鑑定評価のように一つ一つの不動産の個別性まで適切に判定して評価額に反映することは事実上困難であるため、国や市町村等の行政機関は、敢えて路線価を基に各種の補正率を用いて大まかに不動産の個別性を加味した評価額を算出せざるを得ません。

従って税金計算上の基準となる各種の評価額も、不動産の「適正な時価」とは言えず、あくまで相続税や固定資産税の金額決定の基準であるため、場面にもよりますが不動産の適正な時価を把握する際には、安易にこれら税務上の評価額を時価として考えないよう注意が必要です。

2. 不動産の適正な時価(不動産鑑定評価額)とその他価格の適切な活用場面とは?

上記のように、鑑定評価額と査定価格・賃料、相続税・固定資産税評価額はそれぞれの特徴に応じて、最適な使い所があります。

以下では、それぞれの価格の適正な使い所について解説していきます。

2-1. 「鑑定評価額」の活用場面

不動産鑑定士によって算出される「鑑定評価額」は、不動産の価格や賃料に関する問題の解決をする際や、不動産の売買等に当たって適正な価値を知りたい場合等に多く活用されます。

具体的な活用のメリットは後述しますが、活用される主な場面を例示すると以下のようなものがあります。

鑑定評価額が活用される場面の例

  1. 公的機関が不動産の売買を行う際に規準として活用
  2. 適正な売却価格の判定のために活用
  3. 不相応に高い不動産に関する税金の圧縮に活用
  4. 投資家向けの不動産ファンドの組成の際に活用
  5. 金融機関の融資における担保価値把握のために活用
  6. 裁判の証拠資料となる不動産の価格として活用
  7. 公平な遺産分割を行うために活用
  8. 離婚における不動産の財産分与の際に活用
  9. 共同所有している不動産の分割の際に活用
  10. 借地権者との賃料や一時金等の取り決めの際に活用

「鑑定評価額」は不動産の適正な価値を表すものであることから、例えば不動産の売買価格に関して揉めている場合には当事者双方にとって公平な価格として協議に活用されたり、不動産投資の場面で投資対象不動産の価値の把握のために活用される等、投資意思の決定にも役立ちます

また借地権者と地主が賃料や借地契約の更新料に関する揉め事でも、借地契約の内容や現行の地代等を総合的に勘案して、不動産鑑定士が「鑑定評価額」として適正な賃料や更新料の額を評価し、この評価額を協議における基準額として活用することでトラブルの早期解決がなされる等、「適正な時価」としての役割の幅や使い所は多岐に渡るものとなっています。

不動産の価格や賃料に関する問題解決や適正な時価を知る必要がある場面等では、まず不動産鑑定士に相談し、不動産鑑定評価及び「鑑定評価額」を活用して早期の問題解決を図るべきと言えます。

2-2. 「査定価格・賃料」の活用場面

所有する不動産の売却に際して単純に「売出し価格を決めたい」場合や「貸出し賃料を決めたい」という場面では、複数の宅建業者による「査定価格・賃料」を活用しておおよその相場観を把握した上で金額を設定すると良いでしょう。

売出し価格や貸出し賃料は売主や貸主が自由に決めることが出来るため、金額を決めるための事前調査として複数の宅建業者に「査定」を依頼して相場観を掴んだ上で、金額決定することで買手や借手が見つかるであろうと考えられる金額の範囲内で最も高い金額設定が可能となります。

ただし査定価格・賃料があまりにも相場とかけ離れていると思われる場合や、なかなか買手・借手が見つからないという場合には、不動産の適正価値と売出し価格や貸出し賃料が見合っていない場合もあるため、そのような場合には不動産鑑定評価を活用すべきです。

2-3. 「相続税・固定資産税評価額」の活用場面

相続税・固定資産税評価額は、単純に相続税や固定資産税等の税金計算の際に使用すべきでしょう。

基本的にこれらの税金は、路線価を基にしており大まかな計算であれば専門家でなくても計算が可能であるため、自身に課税されるおおよその税額を知りたい場合等に活用すると良いでしょう。

ただしこれらの評価額は、前述のように路線価や各種の補正率等の国や行政機関が取り決めた画一的な方法で算出されるため、不動産の個別性の反映が弱く、例えば建物の建築が出来ない土地であるにも関わらず、通常通り建築可能な土地と同様の評価がなされてしまう等、所有する不動産の状況によっては不相応に高い税額が課される場合があります

このような場合には不動産鑑定評価を活用して、対象となる不動産の個別性が加味された鑑定評価額を相続税・固定資産税評価額とすることで、大幅に税金を圧縮出来る可能性があるため、自身の支払っている固定資産税や、税理士に算出してもらった将来の相続税額が適正な金額であるか気になるといった方は、不動産鑑定士に相談してみることで税額を圧縮出来る可能性があります。

※不動産鑑定評価についてより詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

不動産鑑定評価で相続税や固定資産税が大幅圧縮!活用すべき12のケースとは

3. 適正な時価(不動産鑑定評価額)の活用でメリットのある10のケース

適正な時価(不動産鑑定評価額)の活用でメリットのある10のケース

  1. 損をしない不動産売却をしたい時
  2. 相続税・固定資産税を圧縮したい時
  3. 公平な遺産分割をしたい時
  4. 離婚の際に公平な財産分与をしたい時
  5. 共有不動産の公平な分割がしたい時
  6. 不動産投資の際に適切な初期投資額を決定したい時
  7. 借入に際して不動産の担保価値を把握したい時
  8. 借地権の売却価格を決定したい時
  9. 賃借人と賃料に関して揉めている時
  10. 借地権者と地代や一時金の額で揉めている時

不動産の適正な時価(不動産鑑定評価額)を活用することで、不動産の価格や賃料に関する様々な問題や悩みの解決が可能となりますが、本ページでは上記の10のケースに関して詳しく解説していきたいと思います。

3-1. 損をしない不動産売却をしたい時

一般的に不動産の売却を行う際には、まず複数の不動産業者に査定を依頼し相場観を把握した上で売却価格を決定しますが、複数の不動産業者による査定価格に乖離があるために売却価格を決めかねている場合や、適切な売却のタイミングで悩んでいる場合には、売却対象となる不動産の適正な時価を把握することで、これらの問題を解消することが出来ます

売却価格や売却のタイミングを決めきれない要因として、対象不動産の適正な価値を把握出来ていないことが挙げられますが、不動産鑑定評価によって適正な時価を把握する過程では、対象不動産に関わる市場の調査を詳細に行い、不動産の類型に応じた典型的な需要者の属性や需要の中心となっている価格帯の調査や分析を行います

例えば賃貸マンションであれば、収益不動産として投資家が需要しますが、投資家は不動産の収益性を最も重視して投資価値判断を行うため、典型的な需要者である投資家の目線で対象不動産の価値を分析評価し適正な時価(不動産鑑定評価額)を算出するため、適正な価格だけでなく市場の状況も把握出来るため、適切な売却時期に関する判断も出来るようになります。

このように不動産鑑定評価によって不動産の適正な価値を把握することで、損せず不動産の売却を行うことが出来る可能性が大きくなるメリットがあります。

3-2. 相続税・固定資産税を圧縮したい時

間口が2m以下の旗竿敷地の場合、建築基準法により間口を2m以上に拡幅しなければ原則建物の建築を行うことが出来ず、また拡幅した間口の大きさによって戸建住宅のみ建てられる場合や、共同住宅等の大規模な建物が建築出来る等、条件が変わります。

このような利用制限のある土地であっても、相続税や固定資産税評価額は画一的な方法で評価されるため、利用制限の無い土地と同様に評価がなされてしまい、土地の利用制限分の減価が反映されない不相応に高い評価額が算出され、高い税額を課されてしまうケースがあります。

こういった場合に不動産鑑定評価を活用して適正な時価を把握することで、狭小間口であることや建築が出来ないという不動産の個別的な条件を適切に評価した上で、土地の利用価値に見合った評価額(適正な時価)を算出してもらえるため、この鑑定評価額を用いて税務署や役所と交渉することで、当該不動産の価値に見合った課税標準額へと修正がなされ、相続税や固定資産税が大幅に圧縮出来る可能性があります。

3-3. 公平な遺産分割をしたい時

遺言がない場合は遺産分割協議を経て不動産を相続することになりますが、遺産分割協議が完了するまでの間は、法定相続人が相続対象となる不動産を共同で相続し、共有することになります。

その際に例えば上記のように、共同相続人の一人が法定相続分以上の相続を受けた代償に、他の不動産や現金を共同相続人に支払うという代償分割の方法をとる場合があります。

このような代償分割を公平に行うためには、共同相続人Aが相続する甲不動産や代償として引き渡す乙不動産の適正な時価を把握する必要があり、そのために不動産鑑定評価が活用されます

不動産鑑定評価によって、それぞれの不動産の適正な時価が把握出来るため、乙不動産と共に支払う現金の額も決定される等、公平な代償分割を行うことが出来るようになります。

こういった代償分割の場合に限らず、不動産に関する遺産分割協議では、対象となる不動産の適正な時価が把握出来ていないために協議がまとまらず、調停や裁判へ発展するケースもあるため、適正な時価を活用することで早期の問題解決が可能となる等、相続人全員が大きなメリットを享受することが出来ます。

3-4. 離婚の際に公平な財産分与をしたい時

離婚における財産分与の際には、不動産を含むことで公平な分割が困難となり問題が悪化するケースが多くありますが、分与の対象となる不動産の適正な時価を把握することで、上記の図のように公平な財産分与が出来るようになるため、調停や裁判等大きな問題へ発展する前に円満解決をすることも可能となります。

また不動産鑑定評価を活用して適正な時価の把握を行う過程では前述の通り、対象となる不動産に関する市場の調査や典型的な需要者の判定や、分与対象不動産の構造や間取り等も調査分析してもらえるため、財産分与後に賃貸マンションから賃貸事務所へ用途変更をした方が収益性がアップする等の判断や、設備の修繕や更新時期等に関する判断も出来るようになる等、分与時点だけでなく分与後の活用方法に関する知識も得れるというメリットもあります。

3-5. 共有不動産の公平な分割がしたい時

複数人で共有している土地を公平に分筆する際、具体的にどのように分筆すれば対象の土地の価値を均等に分けられるのか、接道条件や面積で利用制限が発生しないように綺麗に分筆するにはどうすべきか等、公平な分筆には専門的な知識が必要となります。

例えば、上図のように、5人で二方路の土地を分割する際には、全面道路の幅員も異なり、建物の建築に必須の接道条件を満たそうとすると、旗竿敷地が出来てしまう可能性がある等、土地の利用条件も含め価値が均等になるような分筆を行うことは非常に難しい問題となります。

このような場合に不動産鑑定評価を活用して適正な時価を把握することで、共有者の関係性も踏まえた上で、分割せずに1棟建てにして区分所有した方が全員にメリットがある場合や、共有者のうち2人を1セットでカウント出来る場合には5分割ではなく4分割にして活用した方が結果的に全員にメリットが出るような活用方法の判定等、合理的な分割方法の検討が出来るようになる等のメリットがあります。

3-6. 不動産投資の際に適切な初期投資額を決定したい時

不動産投資を始める際には、まず投資価値のある不動産の判別や初期投資額をいくらに決定するか等、様々な疑問がありますが、投資対象となる不動産の適正な時価を把握することでこれらの疑問を解消することが出来ます。

例えば、購入を検討している投資用不動産の適正な時価を不動産鑑定評価を活用して把握することで、売出し価格が投資価値に見合っているかや、売出し価格が高いと判断される場合には、適正な時価として把握した鑑定評価額を基準として値下げ交渉を行うことが出来る等、投資価値のある不動産の判別だけでなく、価格の妥当性の確認も行うことが出来るというメリットがあります。

しかし人気の投資用不動産の場合は買い付けが入るのも早く、不動産鑑定評価を行う程の時間が無いこともあるため、「簡易鑑定評価」や不動産鑑定士による「意見書」を活用して投資価値判断や投資額の決定を行うことで、時間や費用を大幅に抑えながらリスクを削減した不動産投資を行うことが出来ます

3-7. 借入に際して不動産の担保価値を把握したい時

所有している不動産を担保として銀行から借入を行い、その資金を基に建物を建築するといった土地活用の場面では、借入れリスクが伴うため、いかに綿密な返済計画や建築計画を練るかが重要になりますが、これらの計画を練るためには自身が保有している不動産の適正な担保価値を把握する必要があります。

将来の相続税対策のために土地活用を行う際等、自身が保有する不動産の担保価値を把握することでどれだけの借入が出来るかが明確化され、自己資金割合や借入額の検討、予算の範囲内で計画建物の設備や規模といった建築計画を立てることが出来るといったメリットがあります。

また借入を行う際に、自身の不動産に関する「鑑定評価書」を銀行に提出することで、審査期間が多少短縮されたり、借入限度額に若干の幅が出る可能性がある等のメリットも考えられます。

3-8. 借地権の売却価格を決定したい時

借地権は、地域の慣習や借地契約の内容等が価格に大きな影響を与えるため価格決定が複雑で、通常の土地のように不動産業者に査定をして貰うことで売出し価格を決めることは非常に困難になります。

国税庁から公表されている路線価に借地権割合が設定されていますが、単純に更地としての価格に借地権割合を乗じても、やはり借地契約の内容等の個別性が反映されないため、適切な借地権価格を求めることは出来ないため、不動産鑑定評価が必要になります。

不動産鑑定評価を活用することで、現行の地代と地域の状況や契約内容等を総合的に勘案した適切な地代とを比較し、借地権者が享受している経済的メリットや、借地契約の解消の可能性や特約条項等による将来発生する多額の一時金といった借地権者へのデメリット等を総合評価して価格を判定します。

また借地権を第三者へ売却するのではなく、地主に売却する際には、地主には土地を自由に使えるようになるという大きなメリットや、担保価値や市場価値の回復といったメリットがあるため、それらメリットを考慮した上で価格を判定する必要があります。

路線価や借地権割合で算定した価格で取引当事者が合意しているのであれば問題ありませんが、トラブルを回避したいために適切な借地権価格を判定したいといったニーズがある場合は、不動産鑑定士に相談して、適切な借地権価格を算出してもらった上で取引を行うことが理想的です。

3-9. 賃借人と賃料に関して揉めている時

賃貸住宅や賃貸事務所等では、賃貸人と賃借人で賃料に関して思惑が異なるため揉めるケースが多く存在します。

例えば、新築当初から入居していた賃借人がいる場合に、築年数の経過や賃貸市場が変化しているにも関わらず新築当時の賃料のまま変更がなされていないため、賃借人から賃料の減額請求をされることがあります。

こういった事例は、当事者間での話し合いではまとまらずこじれるケースが多くありますが、これら賃料に関するトラブルも不動産鑑定評価を活用することで、対象となる不動産自体の価値や、契約締結の経緯や契約内容を総合的に勘案して、現在の市場における需要の状況に合った適正な賃料(時価)を判定して貰うことが出来ます

そのため、双方の主張の間を取った賃料設定にしたり、賃借人の主張へ寄せた賃料設定にする等、客観的に専門家に分析をして貰うことで、双方が納得した賃料設定をすることが出来るようになります。

当事者間で話がまとまらず調停や裁判へ発展した場合であっても、不動産の価格に関するトラブル同様に、「鑑定評価額」を基準として公平な判決を下して貰えるため、賃料に関するトラブルにおいても不動産鑑定評価を活用するメリットは非常に大きいものと言えます。

3-10. 借地権者と地代や一時金の額で揉めている時

借地契約は、借地権者と土地所有者の思惑が異なることや、先祖から受け継がれてくる過程で契約書を紛失したり、そもそも契約書が無いために各種の取り決めに関して揉めるケースが多く、特に地代や更新料等の金額に関して多くの問題が発生します。

借地契約に関する一時金は、契約締結時に支払う権利金や保証金、契約更新時の更新料、建替承諾料、借地契約の条件変更承諾料等の各種承諾料があり、地代を含めこれらの金額に関しては地域の慣習や、具体的な契約内容によっても変わるため、簡単に適正な金額を決定出来ないものです。

ましてや賃料や一時金の額となると、不動産業者による査定や路線価及び借地権割合から適正な賃料等を算出することは出来ず、不動産に関する専門知識や借地借家法等の関係法令に精通した専門家による評価が必要となるため、不動産鑑定評価が活用されています

不動産鑑定評価では、当該借地権に係る地域や市場の状況、当事者双方が享受している経済的・法的メリット等を総合的に勘案して、適正な地代や一時金の額を判定するため、この金額を基準として協議を行うことで双方が納得のいく金額決定が出来る等、借地契約に関するトラブルではまず不動産鑑定士に相談することをオススメします。

4. 不動産投資の賢い始め方とは?

不動産投資を賢く始めるための4ステップ

  1. まずは投資物件の情報を出来るだけ多く集めて相場感を養う
  2. 自身の予算(年収)に応じて最適な投資先の種類を決める
  3. 選定した種類に絞ってさらに投資物件の情報を集める
  4. 満足レベルの物件が見つかったら初めて投資する

不動産投資にはリスクがつきものですので、ただ闇雲に不動産投資を行っても失敗してしまう可能性が高くなってしまいます。

そこで、まずは不動産投資の種類毎に相場感を養うことが大切です。

不動産投資で成功している人は必ず不動産の種類やエリア毎のしっかりとした相場感を持って、投資すべき物件をきちんと選別しています。

そのため、①まずは様々な種類の不動産投資物件の情報をできるだけ多く収集し②ある程度の相場感が身についてきたら自身の身の丈にあった最適な投資先の種類を決め③さらにその種類の投資物件の情報を満足がいくものが見つかるまで集め④満足レベルの物件が見つかったら初めて投資する、という4ステップを踏むことで出来る限りリスクを小さくし、ローリスクミドルリターンな賢い不動産投資を行うよう心がけましょう。

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一般に、不動産投資物件の情報収集には、不動産投資会社等の業者に問い合わせて個人情報の登録をした上で物件紹介を受ける必要がありますが、相場感を養うために多くの物件情報を集めるにはそれだけ多くの業者に登録せねばならず、それぞれの業者対応だけでも煩雑で一苦労です。

また、今後どうなるかまだ分からない初期の段階で多くの業者に個人情報を提供することにも不安があるでしょう。

そのため、最初はいきなり個別の業者に問い合わせるのではなく、一括請求サイトを活用するのが得策でしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

不動産の適正な時価を知るには、様々ある不動産の価格それぞれの評価主体や評価方法の違いを知る必要があり、どのような目的で求められているものなのかを理解する必要があります。

そして不動産の適正な時価である鑑定評価額を活用することで、不動産に関する様々な問題の解決が可能となります。

不動産の価格や賃料に関するお悩みや問題は、まず不動産鑑定士に相談して、適正な時価の把握及び適切な対策や早期解決に関する的確なアドバイスを受けることをオススメします。

弊社では、多数の不動産鑑定士とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、不動産鑑定士への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

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