不動産鑑定評価で相続税や固定資産税が大幅圧縮!活用すべき12のケースとは

鑑定評価で相続税や固定資産税が圧縮出来ると聞いたけど、実際にどれだけ圧縮出来るのか、また、圧縮出来るケースはどのような場合か等気になっていませんか?

相続税や固定資産税は画一的な方法により税額が算出されるため、不動産の個別性が反映されず、不相応に高い税金が課されるケースも多く存在します

しかしながら、もともと不動産に関する税金は、実勢価格よりも低い評価額で課税されるように制度設計がなされているものであるため、所有する不動産の税金が実勢価値に比して不相応に高い場合には、不動産鑑定評価を活用することで税額を大幅に圧縮することが出来る可能性があります

このページでは、相続税や固定資産税等の税務知識や、不動産鑑定評価の専門知識がない人でもこれら税金の圧縮方法や事前の対策について詳しく理解出来るように、以下の流れに沿って分かりやすく解説していきます。

このページをすべて読めば、相続税や固定資産税の圧縮の仕組みや不動産鑑定評価についての詳細な理解が得られ、具体的な税金圧縮や税金対策の検討が可能となるでしょう。

1. なぜ不動産鑑定評価で相続税や固定資産税を圧縮出来るのか?

そもそも不動産鑑定評価で相続税や固定資産税を圧縮出来るのは、不動産鑑定評価による不動産の評価方法が、相続税評価額や固定資産税評価額のような画一的な方法ではなく、評価対象となる不動産の個別性を適正に加味して評価額を算出するためです。

税金の課税のための評価額は、不動産の専門家ではない公務員が膨大な数の不動産について評価しなけらばならず、さらに公平性も要求されることから、路線価等を用いた画一的な方法にならざるを得ません

しかし、このために不動産の個別性が十分に反映されず不相応に高い評価額となってしまうケースも多く、例えば相続税の事例として、鑑定評価額を用いることで相続税評価額約3億2000万円→約2億円へ1億円以上も圧縮され、税額にして約6500万円もの相続税を軽減できたケースもあるほどです。

不動産の個別性とは、後述のように間口が極端に狭かったり、奥行きが長大であったり、高低差が非常に大きい等の土地に関する条件や、建物に関しても具体的な建物の経年劣化の状況や設備の状態等のことを言います。

相続税評価額や固定資産税評価額の算出の際には、これらの個別性を評価額に反映する度合いが弱く、場合によっては建物の建築が出来ないような土地であるにも関わらず、面積が同程度の建築可能な土地と同じように評価されてしまう等、不動産の価値が適正に評価額に反映されず不相応に高い評価額が用いられる場合があります。

一方、不動産鑑定評価では、不動産に関する高度専門家である不動産鑑定士が対象不動産の個別性について一つ一つ見極めた上で適正に評価額へ反映していくことになります。

土地は、建物の建築が出来なければ経済価値が非常に低くなるものであり、建物も損傷や経年以上の設備の劣化等があれば、本来は評価額に反映すべきです。

不動産鑑定評価では評価対象となる不動産の個別性を適切に評価し、実際に建築が可能かどうかや、土地利用条件等も具体的に考慮した上で鑑定評価額を算出します。

従って、相続税や固定資産税の課税標準額が不相応に高くなってしまっている場合には、不動産の個別性を適切に加味して評価した不動産鑑定評価額を用いて税務署や役所と交渉することで、当該不動産の価値に見合った課税標準額へと修正がなされ、相続税や固定資産税が大幅に圧縮出来る可能性があるのです。

2. 不動産鑑定評価で相続税や固定資産税を圧縮出来る可能性の高い12のケース

上記のように、相続税評価額や固定資産税評価額が不動産の価値に対して不相応に高い場合に不動産鑑定評価を用いることで税額を圧縮出来る可能性の高い典型的な12のケースを紹介していきます。

不動産鑑定評価で税額を圧縮できる可能性が高い12のケース

  1. 極端な不整形地のケース
  2. 借地権が付着した土地(底地)のケース
  3. 私道等の特殊な土地のケース
  4. 造成費がかかる広大地のケース
  5. 高低差が大きい土地のケース
  6. 築年数が古く空室の多い賃貸マンションのケース
  7. 間口2m未満の旗竿敷地のケース
  8. 路地部分が極端に長い旗竿敷地のケース
  9. リゾートマンションや別荘のケース
  10. 接道がない土地(無道路地)のケース
  11. 接道はあるが建築不可の土地のケース
  12. 市街化調整区域の山林・雑種地のケース

以下、一つ一つ解説していきます。

2-1. 極端な不整形地のケース

上記のように極端な不整形地の場合、思うような建物の建築が出来ず、土地の利用制限による減価が発生します。

相続税・固定資産税評価額は不整形地の場合の評価方法の規定はあるものの、このような画一的な方法で土地の利用制限の度合い等のような個別性を適切に評価額に反映することは困難であり、不相応に高い税金が課されることがあります。

このような場合に不動産鑑定評価を活用することで、不整形な土地の利用制限に応じた適切な評価減がなされ、土地の価値に見合った鑑定評価額を算出してもらえるため、過大な税額を圧縮出来る可能性があります。

2-2. 借地権が付着した土地(底地)のケース

借地権が付着している土地、つまり底地は借地権者が存在することによる土地の利用制限や需要の減退、担保価値の低下によって売却価格も大幅に低下し、借地人が存在しない場合に比べて大幅に価値が低下するものです。

底地の相続税評価額は、「更地価格−(更地価格×借地権割合)」で求めます

上記のカッコ内の計算で求められるのが借地権価格であり、更地価格から借地権価格を控除するイメージです。

例えば、更地価格が1000万円で借地権割合60%の場合には、「1000万円−(1000万円×0.6)=400万円」という計算になり、底地の評価額は400万円となります。

しかしこういった画一的な評価方法では、借地契約の内容や地代の額、土地利用制限等の具体的内容が評価額に適切に反映されず、不相応に高い評価となっている場合があります。

このような場合に不動産鑑定評価を活用することで、借地契約の内容や地代、土地の利用制限や担保価値の減退、売却価格の低下等の各種の要素を加味して鑑定評価額を算出してもらえるため、現状の土地の価値に見合った評価額となり適正な税額まで圧縮出来る可能性があります。

借地権の付着している土地は、複雑な状況である場合が多く、地域によっても評価方法が異なる場合もあるため、まずは不動産鑑定士に相談してみることオススメします。

2-3. 私道等の特殊な土地のケース

特殊な土地の例は様々ありますが、本ページでは「私道」について紹介していきたいと思います。

私道は個人が所有している土地ですが、その利用状況により「公共の用に供されている私道」と「個人利用の私道」の2つに大別することが出来ます。

「公共の用に供されている場合」とは、不特定多数の人が利用でき、利用制限の無く解放されている私道を言います。

抜け道のような、不特定多数の人が利用する場合が良い例です。

このような私道は税務署や行政に必要書類を提出することで「公道」と同様に相続税・固定資産税共に非課税にしてもらうことが出来ます

一方上記の図のような通り抜けが出来ず、特定の人のみが利用する私道の場合(個人利用の私道)は、状況にもよりますが通常の宅地評価と同じく路線価を基に評価がなされます

その際上記のように、私道補正率を用いて通常の宅地に比べ評価減がなされる等の補正はありますが、やはり画一的な評価故に、実際の個別的な状況までは加味されず、不相応に高い税額が課されている場合があります。

このような場合に不動産鑑定評価を活用することで、利用状況にもよりますが場合によっては評価額が0になったり、税務上の評価よりも低い評価額となる場合等、税額を圧縮出来る可能性があります。

私道は隣地との関係や、不特定多数の利用があると認められるか否かで大きく税額が異なることとなるため、私道に関する疑問点は不動産鑑定士に相談してみることをオススメします。

2-4. 造成費がかかる広大地のケース

上記のような広大地の場合、いわゆる「広大地評価」(三大都市圏では500㎡以上で適用)によって相続税・固定資産税評価額が算出されます。

広大地評価は、「路線価×面積×広大地補正率」で評価がされるため、上記のような面積は同じでも形状が大きく異なり利用条件等も変わってくる土地の評価額は同額で算出されてしまいます

つまり、A地のように多額の造成費をかけなければ利用できないような土地であっても、税金計算上は造成の必要のないB地と同様の評価をされてしまうということです。

このような場合であっても不動産鑑定評価を活用することで、敷地の形状や具体的な造成に要する費用等も考慮した上で土地の価値を適切に反映した鑑定評価額を算出してもらえるため、A地の過大な税額を圧縮出来る可能性があります。

2-5. 高低差が大きい土地のケース

高低差の大きい土地の場合、建築基準法により建物配置条件や擁壁の設置義務等が課される場合があり、土地利用上の制限により減価が発生する場合があります。

しかし相続税・固定資産税評価額の算出の際には、このような高低差による利用制限等による減価が適切に評価額に反映されず、不相応に高い税金が課せられる場合があります。

このような場合にも不動産鑑定評価を活用することで、高低差による土地利用制限や利便性の低下、擁壁設置等に要する建築費等を適切に考慮した鑑定評価額を算出してもらえるため、土地の価値に見合った適正な税額まで圧縮出来る可能性があります。

2-6. 築年数が古く空室も多い賃貸マンションのケース

築年数が古く空室の多い賃貸マンションの場合、相続税評価額の算出は上記のように、土地は貸家建付地として評価され建物は固定資産税評価額が採用されます。

土地は、貸家建付地として更地に比べ評価減を受けることが出来ますが、これはこの土地上の賃貸マンショの入居率の減少に応じて評価減の効果も小さくなります

従って空室が多くなるほど、更地に近い土地の評価額となってしまいます。

建物の固定資産税評価額は、「再建築に要する費用から経年による減価を行なって評価」するのが通常であり、空室率等は考慮されません

つまり空室が多いという賃貸マンションにとって致命的な要素を持つ物件であっても、満室稼働している物件と同様の評価がされてしまうのです。

一方不動産鑑定評価は、空室率や賃料収入の状況、老朽化の度合いや設備の更新費用等の賃貸マンションとして重要な要素を加味した上で、「収益物件」としての適正な価値を算出してくれます。

そのため相続税評価額よりも低く算出される場合が多く、税額を大幅に圧縮することが出来る可能性があります。

2-7. 間口2m未満の旗竿敷地のケース

間口が2m以下の旗竿敷地の場合、建築基準法により間口を2m以上に拡幅しなければ原則建物の建築を行うことが出来ず、また拡幅した間口の大きさによって戸建住宅のみ建てられる場合や、共同住宅等の大規模な建物が建築出来る等、条件が変わります。

このような利用制限のある土地であっても、相続税や固定資産税評価額には土地の利用制限分の減価が反映されず、不相応に高い評価額が算出され、土地の価値に見合わない高い税額を課されてしまうケースがあります。

こういった場合に不動産鑑定評価を活用することで、狭小間口であることや建築が出来ないという不動産の個別的な条件を適切に評価した上で、土地の利用価値に見合った評価額を算出してもらえるため、この鑑定評価額を用いて税務署や役所と交渉することで、当該不動産の価値に見合った課税標準額へと修正がなされ、相続税や固定資産税が大幅に圧縮出来る可能性があります。

2-8. 路地部分が極端に長い旗竿敷地のケース

建築基準法上、建物の建築には土地の間口が2m以上必要になります。ただし、間口が2m以上あったとしても必ずしも建物の建築が出来るとは限らず、行政の条例により路地上部分の長さに応じて間口が3m〜6m必要となる等、土地の利用制限が発生する場合があります。

従って、路地部分の長さに応じて間口を拡張しなければ建築出来る建物が制限されてしまいます。

このようなケースでもやはり相続税・固定資産税評価額では利用制限による減価が評価額に適切に反映されず、不相応に高い税金が課されることがあります。

そのため不動産鑑定評価を活用して、土地の価値に見合った評価額を算出してもらうことで税金を軽減出来る場合があります。

2-9. リゾートマンションや別荘のケース

バブル期に流行したように地方で別荘地やリゾートマンション等を購入した場合、購入時に比べ周辺環境が大きく変化したり、賃貸している場合には客足が大幅に減退したにも関わらず、相続税・固定資産税評価額があまり下がらないという場合があります。

そのため、実際に売却しようとしても税務上の評価額に比べ大幅に低い価格でしか売れない等、市場の動向に見合った評価がなされていないことが多く存在します。

不動産鑑定評価は、まず必ず市場調査を行い、評価対象となる不動産はそもそも市場でどれだけ需要があるのかや、どの程度の価値を持つのかを調査分析した上で鑑定評価額を算出します。

従って、需要が低下した別荘地やリゾートマンション等の不相応に高い税務上の評価額よりも大幅に低い評価額が算定されることが多くあり、税額を大きく圧縮出来る可能性があります。

2-10. 接道がない土地(無道路地)のケース

建築基準法上、建物の建築には接道が必須となるため上記のような無道路地は通常大幅な減価が発生します。

不動産売買の際には、無道路地は活用方法が極端に限られるためほとんど値がつかないことも多いのが実際です。

無道路地は、相続税評価額の算出では不整形地の評価方法を基にやはり画一的な評価がなされ、固定資産税評価額の算出に当たっては明確な規定がなく、通常の接道のある場合と同様の評価額を求めた上で補正率を用いるため、やはり実際の利用価値とは大きく乖離した評価額が算出され、過大な税額が課される場合があります。

このような場合に不動産鑑定評価を活用することで、無道路地としての利用価値が適切に反映された鑑定評価額を算出してもらえるため、過大な税金を大幅に圧縮出来る可能性があります。

2-11. 接道はあるが建築不可の土地のケース

接道していても、その道路が「建築基準法上の道路」として認められなければやはり建築をすることは出来ません。

建築基準法上の道路の扱いと、路線価が設定される道路かどうかは別問題であり、建物の建築が出来るか否かとは無関係に前面道路の路線価を基にした相続税・固定資産税評価額が算出されます

このような場合も不動産鑑定評価を活用することで、建築不可という条件を適切に反映した評価額を算出してもらえるため、大幅な税金の圧縮が出来る可能性があります。

2-12. 市街化調整区域の山林・雑種地のケース

市街化調整区域は、原則では建物の建築が出来ません。(一定の条件を満たせば建築可能な場合もある)

従って、市街化区域に比べて調整区域は利用制限が発生し、通常は売買価格も大幅に低く設定される等利用制限に応じた評価減がされています。

相続税や固定資産税の評価額では、近隣で宅地開発がなされている調整区域か否かで評価方法が異なり、「斟酌(しんしゃく)割合」という補正率を用いることで建築不可という利用制限分の減価を考慮しています。

しかしこのような画一的な評価方法であるため、建築が出来ない土地であるにも関わらず不相応な課税がされている場合があります

このような場合にも不動産鑑定評価を活用して、市街化調整区域であることの需要の低下や、建築制限の内容を踏まえた上で適正な価値に見合った鑑定評価額を算出してもらえるため、不相応に高い税額を圧縮出来る可能性があります。

不動産に関する税金の相談先についての注意点

上記の12のケースに限らず、税金の問題といえば「税理士」の専門分野であることから、不動産の税金圧縮についても税理士のみに相談しがちですが、税理士の中でも資産税に詳しい税理士はごく一握りであり、税理士はあくまで税務署が行う画一的な評価についての専門家であって、不動産の適正な価値については詳しいわけではありません

そのため、資産税専門でない税理士に相談するだけでは、不動産の税金圧縮の可能性についての正しい判断ができない可能性が高いです。税金に関する問題であっても不動産に関するものについては、まず不動産鑑定士へ圧縮可能かどうかを相談してみると良いでしょう

3. 不動産鑑定評価にかかる費用はいくら?

不動産鑑定評価に要する費用は案件の内容にもよりますが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている不動産鑑定報酬基準に基づくとおおよそ上記の金額になります。

鑑定評価報酬は、対象となる不動産の種類と鑑定評価額を基に、各案件ごとの内容を加味して決定されますが、以下の3つのポイントにまとめることが出来ます。

3-1. 公的機関が目安とする「不動産鑑定報酬基準」

不動産鑑定評価の報酬額には、法律で定められた金額はありません。

そのため不動産鑑定業者ごとに金額はまちまちですが、公的機関が鑑定評価を依頼する際に目安とされている「不動産鑑定報酬基準」というものがあります。

「不動産鑑定報酬基準(クリックで拡大)

多くの不動産鑑定業者がこの報酬基準を基に、後述する案件ごとの内容を加味して報酬額を決定しています。

案件の内容にもよりますが、前述のように鑑定評価の費用としては数十万円程度が目安となり、一見高くつくようなイメージがあります。

しかし、あくまで不動産鑑定報酬基準で考えた場合ですが、鑑定評価額5000万円未満なら評価額の約1%程度、鑑定評価額5000万円〜1億円でも評価額の約1%〜約0.8%と、報酬額の割合は非常に低く、不動産の過大な税額問題は数百万、数千万円の単位で損失を及ぼす場合があることを考えると、上記の費用で安心が買えるのであれば決して高い費用とは言えないかもしれません

3-2. 不動産鑑定評価の依頼内容によって変わる

不動産鑑定評価の報酬額は上記の費用の目安の表からも分かる通り、対象が土地のみの場合、建物のみの場合、土地建物セットの場合、マンションの場合等、不動産の種類によって報酬額が変わります。

そして依頼内容や対象となる不動産の状況によっても報酬額が変動することを頭に入れておくと良いでしょう。

以下は主に報酬額が増加する事由の例になります。

依頼内容や不動産の状況による8つの割増事由

  • 裁判で不動産価格の証拠資料が必要な場合の鑑定評価
  • 現在時点ではなく過去時点の鑑定評価
  • 継続中の賃貸借の賃料に関する鑑定評価
  • 遠隔地の不動産の鑑定評価
  • 借家人が入居中の貸家の鑑定評価
  • 営業中のレジャー施設(ゴルフ場や遊園地等)の鑑定評価
  • 借地権・借家権の評価
  • 適正な借地条件変更承諾料の鑑定評価

これらは一部の例になりますが、不動産鑑定士による現地調査の手間の増大、不動産鑑定士の法的責任の増大、確認すべき権利関係が複雑な場合、必要資料の取得の難易度等の理由によって報酬額が増加します。

逆に、1年以内に同一不動産の鑑定評価を行なっていた場合、前回の資料が活用できることもあるため「再評価割引」として内容に応じた割引をしてもらえる場合もあります。

詳しくは、不動産鑑定士の無料相談を受けた際や問い合わせに併せて無料見積もりを取ると良いでしょう。

4. 不動産鑑定評価にはどのくらいの時間がかかる?

不動産鑑定評価は、依頼後にまず必要書類の収集を行い、不動産鑑定士による対象となる不動産に関するヒアリング、現地確認、関係法令等の詳細な調査、市場の分析、鑑定評価額の算出、法的根拠のあるものであることを表示する「鑑定評価書」の作成等、一定の手順が必要となります。

このように「不動産の鑑定評価に関する法律」及び「不動産鑑定評価基準」に則り不動産鑑定士が様々な調査や分析を行うため、相応の時間が必要となります。

不動産鑑定評価に要する時間は、不動産の種類や依頼内容によってまちまちですが、おおよその目安として約2週間程度の期間を見ておくと良いでしょう。

不動産鑑定業者によっては、約一週間程度で鑑定評価額を中間報告として事前に教えてくれる業者もいるため、急ぎで鑑定評価額だけでも必要である場合には、依頼時にその旨を伝えておくと良いでしょう。

また後述のように、内部資料として使うだけで鑑定評価書までは必要でないという場合には、より短い期間でできる「簡易鑑定」を行なっている業者もあるため、気になることがある場合はまず不動産鑑定業者の簡易鑑定を利用してみるのも良いかもしれません。

5. 「簡易鑑定評価」や「意見書」の活用で費用や時間は抑えられる!

不動産鑑定評価書は、高度な専門家である不動産鑑定士が直接現地に赴き調査を行い、対象となる不動産の状況や関係法令、不動産市場の分析等を行い「公的に通用する不動産の適正な価格・賃料」に関する調査内容や市場分析の内容をまとめた書類になります。

従って、裁判所や税務署等の公的機関に提出する際に有効な資料となります。

一方、自身や家族内で参考資料が欲しい場合や、企業であっても内部資料として利用する場合のような、第三者へ提出する必要が無く公的効力を必要としない場合には、代わりに「簡易鑑定評価」や不動産鑑定士による「意見書」を活用することで費用を大幅に抑えることができ非常に有効になります。

5-1. 「簡易鑑定評価」とは

「簡易鑑定評価」とは、家族内や企業内でのみ参考資料として活用する場合に有効な簡易版鑑定評価書を言います。

不動産鑑定評価書と同じく不動産鑑定士が現地に赴き調査を行いますが、不動産鑑定評価書の作成に比べ記載内容や価格や賃料の評価手法等が簡易的になっているものを言います。

「簡易鑑定評価」は裁判所や税務署等の第三者へ提出する資料としては証拠能力は低くなりますが、費用は鑑定評価書に比べ3〜4割程度割安であり、通常の鑑定評価書より短い期間で済むため、不動産の適正な時価を把握するだけであれば「簡易鑑定評価」は非常に有効でしょう。

5-2. 「意見書」とは

「意見書」は、現地調査等は行わず不動産鑑定士が机上で対象とする不動産の時価を算出するものです。

地域の価格水準や賃料水準が知りたい場合や、以前算出された鑑定評価額の価格を現在の価値に換算してもらう際に有効な資料になります。

こちらも裁判所や税務署等の第三者へ提出する資料としては証拠能力は低くなりますが、費用は数万円程度であり、通常の鑑定評価書より要する期間も短く、かつ費用を大きく抑えることが出来るため、売買等の際の意思決定の検討資料として「意見書」も非常に有効であると言えます。

このように、自身のニーズに合わせて「不動産鑑定評価」、「簡易鑑定評価」、「意見書」を上手に使い分けることで、時間や費用を効率的に利用することが出来ます。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか?

相続税や固定資産税は課税対象が無数に存在するため、それぞれの不動産の個別性までを考慮して評価額を算出することは事実上困難であり、画一的な評価方法を取らざるを得ないものです。

従って、個性の強い不動産の場合には、それが評価額に十分に反映されず、不相応に高い相続税評価額や固定資産税評価額となり、何もしなければ結果として高い税額を支払うことになってしまいます。

こういった事態を回避し、不動産の価値に見合った税額を支払うためには不動産鑑定評価を活用して、課税対象となる不動産の適正な価値を把握することが重要です。

このように相続税や固定資産税の圧縮やその他疑問に関しては、まず不動産全般の専門家である不動産鑑定士に相談することで、適切な対策についてや早期の問題解決に関する的確なアドバイスを受けることをオススメします。

弊社では、多数の不動産鑑定士とパートナーシップを組み、様々な問題解決のお手伝いをしておりますので、不動産鑑定士への相談をご希望の方は、無料相談(こちら)よりお問い合わせ下さい。

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