不動産投資で事前に想定しておくべき8つのリスクと対策法

資産運用を考えていて、比較的利回りの高い不動産投資に興味があるけど、「不動産投資は利回りが高い分リスクも大きいの?」と気になっていませんか?

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」と言われるように、比較的安定的に実質年利回りで3%~6%程度の運用が可能であり、相続税等の節税効果も望めるため、余剰資金を運用したい人や相続対策をしたい人に人気の投資です。

しかし、不動産投資は株等の金融投資と異なり、実際に不動産を取得してオーナーとして賃貸事業経営を行うため、不動産投資ならではのリスクが存在するのも事実です

本ページでは、不動産投資が気になっている方のために、「不動産投資を始める前に事前に想定しておくべき不動産投資のリスク」について初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。

まずはこれらの内容をしっかりと押さえておきましょう。

1. 空室リスク

不動産投資の収益は賃料収入により生まれるため、「不動産投資のリスク=賃貸経営のリスク」とも考えられますが、その中で最も重大なのが空室リスクと言えるでしょう。

どのような物件でも入居者やテナントの入替えは発生しますので、年間で見れば多少の空室期間があるのは当然ですが、投資した物件に市場競争力がなく長期間空室が発生するとそれだけで収入が大幅に減っていしまい、ローンを組んでいる場合には返済後のキャッシュフローが赤字になってしまうこともあり得ます

また、区分投資や戸建投資のように、そもそも一戸しか収入源がない場合には、空室期間中は収入がゼロということなってしまい、想定以上に長引く場合には死活問題となってしまいます

空室リスクの対策法【最重要】

空室リスクの対策法としては、何よりもまずは「市場競争力がある物件を選ぶ」ということが最も大切です。きちんと市場競争力のある物件を選定していれば、そもそも空室リスクを気にする必要がほとんどなくなります

次に、空室が発生した場合に備えた対策として、「稼働率を100%で考えない」「収支を年間で考えて収入を貯めておく」ということが挙げられます。投資会社から提案される案件情報は、大抵が満室稼働想定でのシミュレーションになっているため、稼働率を100%で考えてしまう方も多いですが、自然入替えによる空室期間だけ考えたとしても稼働率100%というのは非現実的です。

稼働率は、自然入替えを考慮して97〜98%程度からスタートし、物件の競争力や市場の需要から更に空室損失を数%程度見積もっておくべきです。また、万が一想定が外れた時に備えて収支は年間で考え収入の一部は蓄えておくべきです。

さらに、物件条件や管理会社によっては、一括借上(空室保証)での管理を受けてもらえる場合もあります。その場合には、全室を一旦管理会社へ一括貸しするため、事実上、常に満室稼働となり空室を気にする必要がなくなりますが、その分管理手数料が賃料の10〜15%程度(通常は3〜5%程度)と高くなるため、どちらが得かをしっかりと検証して判断すべきです。

2. 入居者リスク

不動産投資における賃貸経営に関わるリスクとして挙げられる代表的なものが入居者リスクです。

賃貸経営では入居者(テナント)は賃料を支払ってくれるお客様ではありますが、属性が悪いと賃料の滞納問題や使用方法の悪さから建物の早期劣化に繋がったり、近隣クレームの原因になったりもしかねません

また、入居者が実は反社会的勢力の人間で、自己の物件が犯罪の温床となってしまうというような最悪のケースなどもあり得ます。

特に住居系の不動産の場合には、借地借家法により借主保護の規定が強くなっており、一度入れてしまうと貸主に不利になってしまうため、既存入居者の属性や新規入居者の選定については慎重に行う必要があります。

入居者リスクの対策法

入居者リスクの対策法は、とにかく入居者(テナント)がきちんとした属性の良い入居者であるかを見極めることに尽きますが、具体的には上記の2つの注意点を心がけることが大切です。

前述の通り、既に入居済みの場合には後で何か問題が発生しても相応の事情がない限り立ち退きは困難ですし、その対応のための労力や費用等のコストも掛かってしまうため、物件購入前には必ず既存入居者・テナントの内容をチェックし、これまでの入居態度等もできる限り詳しく確認するようにしましょう

また、新築や未入居物件等で新たに入居者を募集する必要がある場合には、入居審査を厳しくすることで入居者リスクを抑えられますが、結局のところ、入居審査の質は管理会社の能力・態度に依存しますので、しっかりした管理会社を選ぶということが大切です。

さらに、別の方法として、敷金等の初期費用を高くして入居の敷居を高くすることで属性の良い入居者を確保するという方法もありますが、募集のしやすさや稼働率に影響が出るため積極的にはおすすめしません。

3. 修繕リスク

当然のことながら、建物は経年劣化するものであり、貸し手の義務として修繕が必要になってきます。

しかしながら、この修繕はおおよその相場観こそあるものの、正確にはいつ発生するかわからず、またいくら掛かるかが読めないというのが不動産投資における修繕リスクです。

また、建物が築10年を超えてくると内外装や設備について大規模修繕が必要になってきますが、大規模修正にはまとまったお金が必要であり、その時の経済情勢によって工事費が上下することから、この点も修繕リスクの一つと言えます。

修繕次第でリセールバリューが大きく変わるため、対象不動産の修繕履歴や修繕計画等についてはしっかりと確認しておく必要があります。

修繕リスクの対策法

修繕リスクの対策法としては、①投資する前に事前に修繕履歴や修繕計画を確認する、②余裕を持った長期修繕計画を立てる、③毎月の収入の中から修繕積立金とてして修繕費用を積み立てておく、ということがとても重要です。

これまでに適正な修繕計画に沿って適正な修繕が行われている場合には優良な物件と言えますが、そうでない場合には将来的な修繕費が嵩んだり、物件の機能性や魅力の低下により相場以上に価値が下落している可能性もあるため要注意です。

また、投資後も余裕を持った長期修繕計画を立てて、将来的な出費に困らないよう毎月の収入の中から修繕積立金を積み立てておくということが肝心です。

4. 賃料下落リスク

不動産投資において空室リスクとともに収入の減少に直結する重要なリスクが賃料下落リスクです。

賃料の下落には様々な要因が関係してきますが、代表的なものでは「エリアの衰退」やそれに伴う「需要の減退」、「建物の経年劣化」「設備の陳腐化」「新築競合物件の供給による競争力の低下」等が挙げられます

この賃料の下落リスクは、主に入居者(テナント)の入替時や契約の更新時に発生するため、常に晒されるリスクではありませんが、下落の有無や下落幅は経済情勢の影響も受け、読めない上に収支の悪化に直結することから、しっかりとした対策が求められます

賃料下落リスクの対策法

賃料下落リスクの対策法としては、まずは「エリアの衰退」や「需要の減退」といった発生してしまうと手の打ちようのない要因に備えて将来性のあるエリアを選定するということが最も大切です。

次に、対象不動産について“エリアのニーズにあった間取り・グレードであるか”、“競争優位なポイントはあるか”といった市場競争力を見極め、きちんと市場競争力のある物件を選ぶということが重要です。

また、入居者(テナント)入替時の賃料下落は管理会社の募集力にも影響を受けるため、しっかりとした管理会社を選ぶことや、現行の賃料水準も踏まえながら、当初からある程度の賃料下落は見込んで収支シミュレーションを組んでおくということも大切です。

5. 価値下落リスク

不動産投資では最終的に売却を想定することが多いですが、その場合には価値下落リスクも重要になってきます。

投資用不動産の価値は主に収益性によって決まってくるため、「価値下落の要因=収支悪化に繋がる要因」と言え、上記のように前項の「賃料下落リスク」とほぼ同様の内容がリスク要因となってきます。

また、その他、修繕履歴や修繕計画の良否等によっても将来の支出増加に繋がる可能性があることから、それらの点も慎重に検討しながら価値下落リスクを見極めていくことが重要です。

価値下落リスクの対策法

価値下落リスクの対策法も賃料下落リスクの対策法と同様に、①将来性のあるエリアを選定する、②市場競争力のある物件を選ぶ、といった市場性についての対策とともに、③しっかりとした管理会社を選ぶ、④当初からある程度の価値下落は見込んでリセールバリューを考えておく、ということが大切です。

6. 金利上昇リスク

株等の他の投資と異なる不動産投資ならではのメリットとして「ローンで投資ができる」ということが挙げられますが、その場合には「金利上昇リスク」も考えておく必要があります。

特に不動産投資の初心者では、投資対象物件の価格には敏感なのに借入金利には鈍感という傾向が強いですが、それは大きな失敗の原因となりかねません。

仮に35年ローンの場合、金利が1%上昇するだけで総返済額は約17.4%も上昇してしまうことになり、1億円の投資では1,740万円も違ってくることになります。

また、金利は経済情勢によって賃料よりも敏感に変動することから、賃料は下がっているのに金利は上昇してしまうという可能性も十分にあり、借入比率が高い場合にはキャッシュフローが赤字となるといった最悪のケースもあり得るため要注意です。

金利上昇リスクの対策法

金利上昇リスクは場合によっては死活問題となりかねませんので、しっかりと検討して対策する必要がありますが、まずはそもそもの借入比率をできるだけ抑えるということが大切です。

ローンで投資できるというのが不動産投資の魅力の一つではありますが、自己資金が少ないということはそれだけレバレッジを掛けたハイリスク・ハイリターンな投資を行っていることと同義ですので、自己の資産状況に合わせて慎重に判断すべきです。

また、変動金利よりも当初から金利が上がってしまいますが、金融機関によっては長期の固定金利での貸出しを行っていることろもあります。当初から金利が上がってしまう分、逆に損をしてしまう可能性もありますが、今後の景気見通し等を考慮しながら固定金利での金利上昇リスクのヘッジを検討するのも有効です。

さらに、金利が上昇しても逆ザヤとならないよう、当初からある程度の金利上昇は見込んでシミュレーションしておくことも大切です。

7. 災害リスク

どのような投資であっても災害が起こった際には市場が冷え込む傾向はありますが、実物資産を所有する不動産投資では災害リスクはより深刻な問題として考えておく必要があります。

不動産投資で重大な被害が発生する可能性のある代表的な災害としては、地震や洪水・土砂災害、火災といったものが挙げられますが、特に地震は揺れで倒壊しなくてもその後の津波や液状化現象によって建物の使用が不可能となることもあり得ますし、仮に全壊した場合でも地震保険は制度上、最大で評価額の半額までしか保険加入ができないため十分な保証が得られない可能性もあります

また、建物への被害だけでなく、復旧までの期間は賃料収入が得られなくなる可能性もあるため、その点も考慮しておく必要があります。

災害リスクの対策法

災害リスクの対策法としては、まずは災害のリスクが高いエリアを避けることです。具体的には行政が公表しているハザードマップ等を確認して災害危険エリアの物件は避けることが重要です。

また、地震による被害は地盤の強さに大きく影響を受けますので、川や池等の水辺の近くの地盤の弱いエリアは避け、台地や丘上等の地盤の強いエリアの物件を選ぶこともポイントです。

さらに、建物については耐震性能がしっかりと確認できる物件を選ぶことが重要であり、特に1981(昭和56)年6月1日以降の建築確認において適用されている新耐震基準で建てられている物件かどうかは必ず確認するようにしましょう

その他、火災保険・地震保険への加入やいざという時に備えて収入の一部を貯めておく等の対策も大切です。

8. 流動性リスク

金融投資と比較した不動産投資ならではのリスクとして、流動性リスクも挙げられます。

不動産投資の対象は個別性の強い「不動産」そのものであることから、売りたいと思っても対象不動産自体に需要がなければ売れませんし、需要があったとしても売却までに数週間程度の時間が掛かることが一般的です。

また、今は良くても将来的に景気後退や税制改正等で需要がなくなることも考えられることから、流動性を確保しておきたい資産については不動産投資での運用は向きません

流動性リスクの対策法

不動産投資である以上、流動性リスクを完全にヘッジすることはできませんが、対策法としては、需要の多いエリアで需要の多い間取り・グレードの物件を選ぶということが最も大切です。

また、特に投資額が大きくなりがちな不動産投資では経済情勢によって需要が大きく変動しがちですので、日頃から市況や経済政策等の動向を注視しておくも大切です。

9. まとめ

いかがでしたでしょうか。本ページでは不動産投資で事前に想定しておくべき代表的な8つのリスクについて、重要なポイントを網羅的にご紹介してきました。

リスクだけに着目すると不動産投資は危険なのではと勘違いをしてしまいがちですが、本ページでご紹介してきた通り不動産投資における代表的なリスクはそれぞれきちんと対策することが可能です

また、不動産投資には、「ローンで投資ができる」ことや「比較的安定的にミドルリターンが狙える」「毎月の不労所得が得られる」「節税対策にもなる」等、不動産投資ならではの魅力も多く資産運用の手段としては人気の投資でもあります

不動産投資を始めようと思った方や、既に検討されているものの不安があるといった方は、お気軽に弊社までご相談ください。「この上ない不動産資産」を実現させるお手伝いをさせて頂きます。

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